何も込み入った話をしているわけじゃない。
毎日どこかで1回は碧央に会う。
目が合う時もあればすれ違うだけで終わる時もある。

結愛の中で碧央の存在感が強くなる。

大学の外で人で行き交う中、パンッと音が響く。

碧央の彼女に平手打ちで頬が叩かれた音だ。

結愛はその姿を廊下の窓越しに見る。目が合った。