私には好きな人がいた。彼は誰にでも優しく、好きなことには一生懸命な性格だ。私はそこに惚れ込んだ。
でも彼はクラスの中心で到底私なんかが近づける存在では無い。
ある時彼から連絡が来た。
「お前彼氏とかいる?」
「いるわけないじゃん」
なんでいきなりそんなことを聞くんだろう。彼氏なんか、好きな人にさえ相手にさえ振り向いて貰えないのに。
「お前モテるのになんで彼氏つくんねーの?」
「好きでもない人と付き合っても意味が無いでしょ?」
「まっ。それもそーか笑」
彼は淡々と話して会話を辞めた。何が聞きたかったんだろう、そして何が知りたかったんだろう。私はよく分からないまま眠りについた。
次の日親友に朝一番に呼び止められた。
「昨日連絡とったんでしょ!?どうだった!?告白した!?」
「昨日は普通に彼氏いるか聞かれていないって答えて終わったよ」
「それってあんたのことが好きだから聞いたんじゃないの!?」
「そんなわけないでしょ、」
「でもあんたのことを好きだって噂がめっちゃ流れてるんだよ!?」
初耳だった。そんな噂が流れているとは。けどなぜ彼は否定しないんだ?それだけが頭に引っかかる。普通こんな恋愛の噂が出たら誰でも誤魔化したくはなるだろう。けど彼は違った。いつものように宿題を見せてとこっちに来たり笑いかけたり。普通の1日だった。
「なんであんだけ距離近いのに告んないわけ!?」
親友に言われた。言えるわけが無いでしょ。普通考えて。
「無理だよ。そんな勇気ないし」
「あいつがあんたのこと特別に思ってる事探してみなよ!?」
考えてみたら当てはまる点が何個かあった。
宿題を見せてと真っ先に私の所に来るところ。
部活の自主練は絶対私を誘うところ。
遊ぶ時は私が誘えば来るところ
無邪気に手を繋いでくるところ
1番の決めてはこれらしい。「よく目が合うところ」
正直彼が私のことを好きだったらいいのにとはよく思う。けど自分からはなかなか言い出せるわけが無い。
「勇気は一瞬後悔は一生って言葉あるじゃん!!」
「簡単に言わないでよあんたみたいな性格じゃないんだから...笑」
そう、親友みたいに明るくポジティブなタイプでは無い、真逆の引っ込み思案のネガティブだ。そんな私といるの楽しいのかと思うがそれを聞いたら1回怒られたから
もう言わない。
「連絡取りなよ。それでさりげなく聞いてみたら!?」
「まぁそれくらいなら...。」
結局そんなに簡単に聞けるわけがなくて、連絡は取らなかった。
「取らなかったの!?」
「無理に決まってるでしょ、もう諦めて見守るほうがいいんだよきっと」
「あんだけ可愛くなろうって努力したのにもったいないよ!!」
それはそうだった。元々男っぽい見た目の私だったが彼好みになった。食事制限や運動をして何kgも痩せた。彼の理想になるため切っていた髪も伸ばした。そして何より美容、ファッションに気を遣うようになって女の子らしくなった。それを彼は見落とすことなく褒めてくれた。そんな彼に私はまた1つ好きになってしまった。
次の日思いもよらぬ連絡が来た。
「俺好きな人がいるんだ」
そう告げられたのは中学3年の春、
「そうなんだ、いいじゃん頑張って振り向かせなよ!!」
「応援してくれるんだな!やっぱ相談するのお前でよかったわ」
「いつでも言ってね」
そう返すしか無かった。あれだけ頑張って彼のために動いたのに惨めに散ってしまった。
泣くな、胸を張れ、そう言い聞かせて自分を肯定した。
彼は私の「初恋の人」だった、2年間片思いをしていた。誰よりも明るく笑う彼に、誰よりも好きなことに一生懸命な彼に私はいつの間にか惚れていたんだ。それは紛れもない事実だった。
彼との連絡が一段落した頃私は泣き崩れていた。もう前が見えないくらいに泣いていた。久しぶりに泣いたなと今では思う。
「何で私じゃダメなの...?」
こぼれた言葉はその一言だけだった。彼のために誰よりも自分に磨きをかけて、苦しい運動にも食事制限にも耐えた。なのに彼は私じゃない人を好きだった。私はただ泣くことしか出来なかった。
それから数ヶ月、連絡もすることはなくなった。前みたいに一緒に笑うことも、手を繋ぐことも無くなった。
「あの時間はなんだったの...?私はただの遊び相手くらいだったの?」
そう頭の中で何回も何回も考えた。楽しかった写真も全部捨てた。もういらないと思った。彼のために努力したものは全部無駄だったことに改めて気付かされた。
そして数日後彼に彼女が出来た。彼は私に笑いかけていたあの笑顔で彼女に笑いかけていた。私だけの特別だと思っていた私が本当に惨めだ。彼の隣を歩くのも、手を繋ぐのも、もう私じゃなくて新しい彼女なんだなって、見るのも辛くなった。
「大丈夫...?じゃないよね。」
親友はあれからずっと元気がない私を気遣ってくれていた。
「ありがとう、もう大丈夫...笑」
今できる1番の笑顔を見せて親友を安心させた。
もう迷惑はかけられないから。
そんな親友から次の日提案があった。
「あんなやつ見返してやろうよ!!もっと綺麗になって!!ね!?」
そんな方法があったなんて私はそんなことも考えられないくらい落ちこぼれてたんだなって気付かされた。
「見返す...?」
「そう!!やっぱりあんたが辛いままだと私の気も済まないからさ!!一緒に頑張ろ!」
この子が親友でよかったなと改めて思った。親友に美容について、 ダイエットについて詳しく教えてもらった。校則に引っ掛からない程度のヘアアレンジも毎回変えてみた。できることは全てやった。気分がとても良かった、前みたいに思いっきり笑えるようになった。
「やっぱ笑ってる時のあんたが1番うちは好きだよ!!」
「ありがとう!!」
私は飛びっきりの笑顔を親友に向けた。もう迷わない。そう決めたのに...
「やっぱり俺、お前のことが好きだったみたい」
卒業式の日彼からそう告げられた。
意味がわからなかった。
「どうして今更...?彼女は?」
「別れたよ。お前のこと考えてたら振られた。」
「なんで今更私の事なんか考えるのよ、」
「どんどん変わっていくお前に俺ずっと惚れてたんだなって最近になってやっと気づいたんだ。身勝手だってわかってる、でも好きなんだよお前のことが」
衝撃だった。例えるなら後頭部を鈍器で殴られたような感じだった。
彼女に振られたからってそんな理由をつけて戻ってくるの?そんなやつだったの?私はそんな彼を好きだったの?
私はかける言葉が見つからなかった。都合がよすぎる。けど本当は答えたかった。まだ心のどこかで彼が好きだったから。でももうずっと前から決めていた。
「ごめんなさい。私はもう前を向くって決めたの。」
それだけを残して私は遠くの高校へ、彼は地元の高校へ別れて行った。
今でも自分磨きは欠かさない。あの時の言葉は一生忘れない。幸せになるために私は彼との関係を絶ったのだから。
そして現在私は高校1年生を満喫しているところだ。
新しい制服に身を包み、新しい教室、新しい友達に優しさいっぱいの部活の先輩に先生達、私はもう後ろは振り返らない。幸せになるために自分を磨き続けるの。
そんな矢先彼から連絡が来た。
「楽しくやってるか?どんな感じ?」
私は迷いなく言ってやった、
「幸せだよ、あの時よりもずっと。そして貴方よりいい人を見つけたからもう私はあなたの相手をしている暇がないの」
正直スッキリした。やっと言えた。私はもう咲かない蕾なんかじゃない。
「端麗に咲く花になれたんだ!!」
でも彼はクラスの中心で到底私なんかが近づける存在では無い。
ある時彼から連絡が来た。
「お前彼氏とかいる?」
「いるわけないじゃん」
なんでいきなりそんなことを聞くんだろう。彼氏なんか、好きな人にさえ相手にさえ振り向いて貰えないのに。
「お前モテるのになんで彼氏つくんねーの?」
「好きでもない人と付き合っても意味が無いでしょ?」
「まっ。それもそーか笑」
彼は淡々と話して会話を辞めた。何が聞きたかったんだろう、そして何が知りたかったんだろう。私はよく分からないまま眠りについた。
次の日親友に朝一番に呼び止められた。
「昨日連絡とったんでしょ!?どうだった!?告白した!?」
「昨日は普通に彼氏いるか聞かれていないって答えて終わったよ」
「それってあんたのことが好きだから聞いたんじゃないの!?」
「そんなわけないでしょ、」
「でもあんたのことを好きだって噂がめっちゃ流れてるんだよ!?」
初耳だった。そんな噂が流れているとは。けどなぜ彼は否定しないんだ?それだけが頭に引っかかる。普通こんな恋愛の噂が出たら誰でも誤魔化したくはなるだろう。けど彼は違った。いつものように宿題を見せてとこっちに来たり笑いかけたり。普通の1日だった。
「なんであんだけ距離近いのに告んないわけ!?」
親友に言われた。言えるわけが無いでしょ。普通考えて。
「無理だよ。そんな勇気ないし」
「あいつがあんたのこと特別に思ってる事探してみなよ!?」
考えてみたら当てはまる点が何個かあった。
宿題を見せてと真っ先に私の所に来るところ。
部活の自主練は絶対私を誘うところ。
遊ぶ時は私が誘えば来るところ
無邪気に手を繋いでくるところ
1番の決めてはこれらしい。「よく目が合うところ」
正直彼が私のことを好きだったらいいのにとはよく思う。けど自分からはなかなか言い出せるわけが無い。
「勇気は一瞬後悔は一生って言葉あるじゃん!!」
「簡単に言わないでよあんたみたいな性格じゃないんだから...笑」
そう、親友みたいに明るくポジティブなタイプでは無い、真逆の引っ込み思案のネガティブだ。そんな私といるの楽しいのかと思うがそれを聞いたら1回怒られたから
もう言わない。
「連絡取りなよ。それでさりげなく聞いてみたら!?」
「まぁそれくらいなら...。」
結局そんなに簡単に聞けるわけがなくて、連絡は取らなかった。
「取らなかったの!?」
「無理に決まってるでしょ、もう諦めて見守るほうがいいんだよきっと」
「あんだけ可愛くなろうって努力したのにもったいないよ!!」
それはそうだった。元々男っぽい見た目の私だったが彼好みになった。食事制限や運動をして何kgも痩せた。彼の理想になるため切っていた髪も伸ばした。そして何より美容、ファッションに気を遣うようになって女の子らしくなった。それを彼は見落とすことなく褒めてくれた。そんな彼に私はまた1つ好きになってしまった。
次の日思いもよらぬ連絡が来た。
「俺好きな人がいるんだ」
そう告げられたのは中学3年の春、
「そうなんだ、いいじゃん頑張って振り向かせなよ!!」
「応援してくれるんだな!やっぱ相談するのお前でよかったわ」
「いつでも言ってね」
そう返すしか無かった。あれだけ頑張って彼のために動いたのに惨めに散ってしまった。
泣くな、胸を張れ、そう言い聞かせて自分を肯定した。
彼は私の「初恋の人」だった、2年間片思いをしていた。誰よりも明るく笑う彼に、誰よりも好きなことに一生懸命な彼に私はいつの間にか惚れていたんだ。それは紛れもない事実だった。
彼との連絡が一段落した頃私は泣き崩れていた。もう前が見えないくらいに泣いていた。久しぶりに泣いたなと今では思う。
「何で私じゃダメなの...?」
こぼれた言葉はその一言だけだった。彼のために誰よりも自分に磨きをかけて、苦しい運動にも食事制限にも耐えた。なのに彼は私じゃない人を好きだった。私はただ泣くことしか出来なかった。
それから数ヶ月、連絡もすることはなくなった。前みたいに一緒に笑うことも、手を繋ぐことも無くなった。
「あの時間はなんだったの...?私はただの遊び相手くらいだったの?」
そう頭の中で何回も何回も考えた。楽しかった写真も全部捨てた。もういらないと思った。彼のために努力したものは全部無駄だったことに改めて気付かされた。
そして数日後彼に彼女が出来た。彼は私に笑いかけていたあの笑顔で彼女に笑いかけていた。私だけの特別だと思っていた私が本当に惨めだ。彼の隣を歩くのも、手を繋ぐのも、もう私じゃなくて新しい彼女なんだなって、見るのも辛くなった。
「大丈夫...?じゃないよね。」
親友はあれからずっと元気がない私を気遣ってくれていた。
「ありがとう、もう大丈夫...笑」
今できる1番の笑顔を見せて親友を安心させた。
もう迷惑はかけられないから。
そんな親友から次の日提案があった。
「あんなやつ見返してやろうよ!!もっと綺麗になって!!ね!?」
そんな方法があったなんて私はそんなことも考えられないくらい落ちこぼれてたんだなって気付かされた。
「見返す...?」
「そう!!やっぱりあんたが辛いままだと私の気も済まないからさ!!一緒に頑張ろ!」
この子が親友でよかったなと改めて思った。親友に美容について、 ダイエットについて詳しく教えてもらった。校則に引っ掛からない程度のヘアアレンジも毎回変えてみた。できることは全てやった。気分がとても良かった、前みたいに思いっきり笑えるようになった。
「やっぱ笑ってる時のあんたが1番うちは好きだよ!!」
「ありがとう!!」
私は飛びっきりの笑顔を親友に向けた。もう迷わない。そう決めたのに...
「やっぱり俺、お前のことが好きだったみたい」
卒業式の日彼からそう告げられた。
意味がわからなかった。
「どうして今更...?彼女は?」
「別れたよ。お前のこと考えてたら振られた。」
「なんで今更私の事なんか考えるのよ、」
「どんどん変わっていくお前に俺ずっと惚れてたんだなって最近になってやっと気づいたんだ。身勝手だってわかってる、でも好きなんだよお前のことが」
衝撃だった。例えるなら後頭部を鈍器で殴られたような感じだった。
彼女に振られたからってそんな理由をつけて戻ってくるの?そんなやつだったの?私はそんな彼を好きだったの?
私はかける言葉が見つからなかった。都合がよすぎる。けど本当は答えたかった。まだ心のどこかで彼が好きだったから。でももうずっと前から決めていた。
「ごめんなさい。私はもう前を向くって決めたの。」
それだけを残して私は遠くの高校へ、彼は地元の高校へ別れて行った。
今でも自分磨きは欠かさない。あの時の言葉は一生忘れない。幸せになるために私は彼との関係を絶ったのだから。
そして現在私は高校1年生を満喫しているところだ。
新しい制服に身を包み、新しい教室、新しい友達に優しさいっぱいの部活の先輩に先生達、私はもう後ろは振り返らない。幸せになるために自分を磨き続けるの。
そんな矢先彼から連絡が来た。
「楽しくやってるか?どんな感じ?」
私は迷いなく言ってやった、
「幸せだよ、あの時よりもずっと。そして貴方よりいい人を見つけたからもう私はあなたの相手をしている暇がないの」
正直スッキリした。やっと言えた。私はもう咲かない蕾なんかじゃない。
「端麗に咲く花になれたんだ!!」