ひとまず、レベッカちゃんは最終形態でいいとする。
ここからは、わたしが強くならないといけない。というより、わたしが強くなることで、レベッカちゃんが強くなるはず。
とにかくレベッカちゃんは、スルトと戦いながら鍛えるとしよう。ぶっつけ本番だが、ヤツを倒すには一度戦ってみないと。完全に殺し切る必要があるため、万全を尽くす。
問題は、わたしにクレアさんの強さをちゃんと引き出す魔剣を作れるかどうかだ。
リンタローのボール型魔剣【TORAFUGU】に匹敵するような魔剣が、はたしてわたしに作れるのか?
「あたしと競わなくていいわよ。あなたのベストを尽くしなさい」
サイクロプスのプリンちゃんが、そう助言してくれた。
「オイラも手伝うよ。できそうことがあったら、言ってみて」
ゼゼリィも、応援してくれている。
「とにかく、片っ端から魔物を狩ってみるよ」
残された時間の間、わたしは魔物の討伐を続けた。数日かけて、クレアさんと魔物をやっつけていく。少しでも、魔剣の素材になりそうなものを。
「こんなもんかなぁ?」
『まあ、上出来じゃないか?』
大型魔獣やら、小型の害虫まで。町や村に害を及ぼす魔物を限定して、討伐し終えた。
村の人からは、感謝のおコメやら野菜をもらう。
そちらはパーティで分けてもらい、わたしとクレアさんは魔剣の素材を分別していく。
ゼゼリィからレクチャーを受けながら、素材を厳選していった。
「共同作業ですわね」
「うん。手伝ってくれて、ありがとうございます。クレアさん」
「お手伝いではありません。わたくしの魔剣ですもの。これは使命なのです」
クレアさんが使い魔のトートと一緒に、巨大サソリの甲羅をむしる。
そうだ。クレアさんってのは、そういう人だった。他人が作った聖剣を、ダメ出しして破壊するくらいである。すべてを他人に委ねるような人じゃない。
わたしは、集めた素材を鍋の中に詰め込んだ。
「錬成!」
クレアさんの魔剣【地獄極楽右衛門】といっしょに、素材を煮詰めていく。
「ここからが、今までの魔剣と違うところです」
わたしは、魔剣の溶け込んだ鍋に、手を突っ込んだ。
グニュッとした感触が、めちゃくちゃ気持ち悪い。
『踏ん張りな。キャル!』
「わかってる。けど、うえええ。これで合ってるの!?」
自分でも、魔剣作りがうまくいっているのかわからない。
「錬成魔法っていうイレギュラーはあるけど、おおよそで合っているよ。キャル」
監督役のゼゼリィから、お墨付きをもらう。
「ありがとうっ。自分でも、段々と、コツが掴めてきた、かもっ」
魔剣の素材をいじくり回していると、自分の頭がおかしくなりそうになった。
手の中で、命が宿っていくような。また、その生命を冒涜しているような錯覚に襲われる。
吐き気が、こみ上げてきた。リバースこそしないが、食欲が失せた気がする。
いっそクレアさんが、レベッカちゃんを扱えればいいのに……。
弱気の虫が、わたしの心を折ろうとする。
ポンコツで戦闘力の低いわたしより、キリングマシーンなクレアさんの方が、戦闘においては断然最強だろう。
だが、ダメだ。
くじけそうな気持ちを振り払って、さらに手で魔剣をこねくり回していく。
ネチネチと、グニグニと。
レベッカちゃんとクレアさんは、絶望的に相性が悪いのだから。
ここからは、わたしが強くならないといけない。というより、わたしが強くなることで、レベッカちゃんが強くなるはず。
とにかくレベッカちゃんは、スルトと戦いながら鍛えるとしよう。ぶっつけ本番だが、ヤツを倒すには一度戦ってみないと。完全に殺し切る必要があるため、万全を尽くす。
問題は、わたしにクレアさんの強さをちゃんと引き出す魔剣を作れるかどうかだ。
リンタローのボール型魔剣【TORAFUGU】に匹敵するような魔剣が、はたしてわたしに作れるのか?
「あたしと競わなくていいわよ。あなたのベストを尽くしなさい」
サイクロプスのプリンちゃんが、そう助言してくれた。
「オイラも手伝うよ。できそうことがあったら、言ってみて」
ゼゼリィも、応援してくれている。
「とにかく、片っ端から魔物を狩ってみるよ」
残された時間の間、わたしは魔物の討伐を続けた。数日かけて、クレアさんと魔物をやっつけていく。少しでも、魔剣の素材になりそうなものを。
「こんなもんかなぁ?」
『まあ、上出来じゃないか?』
大型魔獣やら、小型の害虫まで。町や村に害を及ぼす魔物を限定して、討伐し終えた。
村の人からは、感謝のおコメやら野菜をもらう。
そちらはパーティで分けてもらい、わたしとクレアさんは魔剣の素材を分別していく。
ゼゼリィからレクチャーを受けながら、素材を厳選していった。
「共同作業ですわね」
「うん。手伝ってくれて、ありがとうございます。クレアさん」
「お手伝いではありません。わたくしの魔剣ですもの。これは使命なのです」
クレアさんが使い魔のトートと一緒に、巨大サソリの甲羅をむしる。
そうだ。クレアさんってのは、そういう人だった。他人が作った聖剣を、ダメ出しして破壊するくらいである。すべてを他人に委ねるような人じゃない。
わたしは、集めた素材を鍋の中に詰め込んだ。
「錬成!」
クレアさんの魔剣【地獄極楽右衛門】といっしょに、素材を煮詰めていく。
「ここからが、今までの魔剣と違うところです」
わたしは、魔剣の溶け込んだ鍋に、手を突っ込んだ。
グニュッとした感触が、めちゃくちゃ気持ち悪い。
『踏ん張りな。キャル!』
「わかってる。けど、うえええ。これで合ってるの!?」
自分でも、魔剣作りがうまくいっているのかわからない。
「錬成魔法っていうイレギュラーはあるけど、おおよそで合っているよ。キャル」
監督役のゼゼリィから、お墨付きをもらう。
「ありがとうっ。自分でも、段々と、コツが掴めてきた、かもっ」
魔剣の素材をいじくり回していると、自分の頭がおかしくなりそうになった。
手の中で、命が宿っていくような。また、その生命を冒涜しているような錯覚に襲われる。
吐き気が、こみ上げてきた。リバースこそしないが、食欲が失せた気がする。
いっそクレアさんが、レベッカちゃんを扱えればいいのに……。
弱気の虫が、わたしの心を折ろうとする。
ポンコツで戦闘力の低いわたしより、キリングマシーンなクレアさんの方が、戦闘においては断然最強だろう。
だが、ダメだ。
くじけそうな気持ちを振り払って、さらに手で魔剣をこねくり回していく。
ネチネチと、グニグニと。
レベッカちゃんとクレアさんは、絶望的に相性が悪いのだから。