家に帰ってすぐ、私は「2013年 ○○川 男女二人 死亡事故」と調べた。

現代のインターネットとは優秀なもので、すぐに私が求める情報が表示された。

「『2013年8月23日、○○川で男女二人の死亡事故が発生。溺れた少女を助けようとして、少年もともに流されたものと見られる。現場付近には少年のものと見られる本や鞄が残されており』・・・・・・」

記事を小声で読み上げる。

8月23日って、今日じゃん。

急いで画像検索をかける。すると、すぐに流されたという男女の顔写真が表示された。

「やっぱり・・・・・・」

表示された男女は、さっき私が撮ったあの二人に間違いなかった。

首から下がったままのカメラからSDカードを取り出す。それからパソコンにSDカードを入れ、さっき撮った写真をチェックする。

「ん・・・・・・」

そこにははっきりと、見つめ合う二人の姿が映っていた。やっぱり、二人はあそこに「いた」のだ。

「・・・・・・」

この写真、どうしようか。被写体の許可が取れない以上、勝手に課題として提出するわけにはいかない。

それに、この写真のほかにも何枚か写真を撮ったから、課題分にこの写真を含める必要も無いし。

かと言って、消すにはもったいなさ過ぎる。こんないい写真。

椅子から立ち上がり、部屋の中をうろうろとしながら考える。

どうしよう、どうしよう。

とりあえず、現像するか・・・・・・。

私はリュックサックを背負い、SDカードを握りしめて、近くの写真屋へと向かった。