現在高校2年生。

友達にも恵まれて、成績は普通。なんとかやっている私。

だけど、やっぱり前に言われた一言が引っかかったりして。

その上、人の一つ一つの言葉を深読みしちゃうし被害妄想も止まんないし……辛すぎた。


そんなある日屋上で1人、空を眺めていると……


「静かだなぁ」


ほんわかした感じの男の子が、入ってきた。


「あ……君、美波さんだよね」

「え……うん」


違うクラスの人?わかんないけど、なんだか優しい雰囲気をしている。

この人は優しい人だ。



「名前、覚えてるよ。前に死にそうだった時に助けてくれたからね」

「えっ?」

「俺大きい音が苦手でさ。電車のホームで蹲ってたら助けてくれたじゃん」

「あー……」


もう一年くらい前の話になるけど、確かにそんなことはあった。

この人の香りにも覚えがある。


「で……君も大きい音苦手だよね?」

「えっ」

「気になっちゃってたまにクラス覗きに言ってたんだ」

「そ、そうなんだ」


全然気が付かなかったな……。


「机がガシャンッ!ってなる音とか、急に大声で笑い出す人とか……あとは、担任とかが怒る音とか?嫌いでしょ」

「な、なんでわかるの……?」

「だから、俺も同じなんだって。ほら」


自分の耳あたりを指差した彼。

耳栓がしてあった。


「そ、そっか……初めてたよ、おんなじような人に会ったの」

「俺も。なんか嬉しいな」

「……うん、私もそうかも」