翌日、とわはいつもより早めに私の部屋に来た。
とわ「よぉぉし!バスケ観戦じゃー!!」
はる「とわ、落ち着こっか。」
とわは子供みたくはしゃいでいた。そらそうか、今日は待ちに待ったバスケの試合を見に行く日だもんね。それはわかるんだけど...。
はる「そのダサい服で行くの?」
とわ「ダサイってなんだよ!これしかねーもん!」
はる「ダサイって言うか、ありえない、」
とわが着てきたのは、パジャマだった。服ねえもん俺!と、不満そうなとわ。仕方ない。
はる「とわ?私が服あげるよ。」
とわ「んな!お前の服なんて着ねーよ!」
はる「いや、いやいやいやいや、私あげるって言ったけどそうじゃなくって。」
とわ「え??」
はる「お兄ちゃんの服!あ、でもお兄ちゃん死んじゃったから私が産まれる前に。なんか捨てられないらしいから、あげるよ。」
とわ「なんかまずかった、?」
はる「別に?顔も知らないから。あーでも。服勝手にかしてもいいのかな。妹だしいいよね!」
そう、私は兄がいるが、この世にはいない。産まれる前に亡くなっちゃったから実感はない。けど、部屋はそのまま残ってあった。ちょうどとわくらいのサイズの服だったから、貸すことにした。
はる「これだよー」
とわに試着してもらう。
とわ「え!ピッタリだし、似合ってね??」
はる「似合ってる〜!笑」
あ、それより気になっていたことがあったんだ。まぁ、今は楽しそうだし、それはまた後ででいっか。あ、島田に連絡しないと。昨日念の為に、連絡先交換しておいてよかった。島田は私の家知らないし、教えとかないと。
数十分後。
島田「おーい!とわー?」
とわ「島田じゃん!家の前にいんぞ!」
はる「ほんとだ!え!てかもう時間!早く行こ!」
とわ「おう!」
そして私たちはなんとかバスケの試合会場へ無事に到着した。
のだが、島田ととわが大変そうだ。
島田「もう無理、なんでこんな気持ちわりいんだよ」
とわ「全くだ。しんどい...。」
乗り物酔いをしたらしい。確かに結構揺れたもんな。
そんな話をしているうちに会場へ入場する時間となった。
私たちは手続きを済ませ、無事入場することが出来た。
間もなくして試合が始まり、私たちはある選手に釘付けになっていた。
島田「えぐいぞ、あの選手。」
とわ「えぐい、」
はる「うん、」
「「「イケメン」」」
はる「だよね!!!」
島田「あのシュートほんとかっこいいぜ」
はる「わかる!やっぱりイケメンって何やっても様になるよ〜。」
とわ「うわ!今のパスカットかっけぇぇ!」
そして試合は私たちが応援していた選手のチームが圧勝し、終了した。でも、何も手がかりは得られなかった。
島田「早かったな、」
とわ「未練解消できたか?」
はる「いや、とわのことじゃん!で、できたの??」
結局、未練は解消されなかった。