はる「ねぇとわ!!なんで??何処にいるのよ!」

私は力の限り叫んだ。1人にするなんて最低。
叫んで叫んで、諦めようとしたその時、近くで物音がした。

はる「な、なに、?とわなの??」

泣きそうな声でそう言いながら振り返ると、鉄バットを持ったいかにも不良そうな人がこっちを睨んでいた。

「おい、ここ。俺らの場所」

はる「え、?」

「ここ俺らの場所だっつってんの」

はる「ご、ごめんなさい!人を探してて、」

「は?誰だよ、お前以外見てないけど」

はる「あ、えっと、名前はとわっていって、私より少し高めの...」

俯いてちゃダメだ。そう思って顔を上げると、その人は泣きそうな顔をして、私にこういった。

「とわって、星崎の??」

はる「あ、うん、」

「生きてた、のか、?とわ、何処にいるんだよ!」

そう言ってその人は力いっぱい叫んでいた。

とわ「お前、」

はる「とわ!?いたの?」

しらないうちにとわは私の隣に立っていた。

「とわ、生きてたのか?なんで俺になんも言わないでどっか行っちまったんだよ、泣」

とわ「お前、誰だよ」

「え、」

とわ「俺こんなやつ知らねぇよ。行こうぜはる」

はる「無理あるよ、」

とわ「...」

とわの顔はすごくひきつっていた。泣きたいんだろうな。きっととわにとってそれほど大事な人なんだろう。私はそっととわの背中を押してあげることにした。

はる「ねぇ不良さん?名前教えてくれますか?」

「不良さんって...俺は、俺は島田。」

とわ「島田...」

島田「覚えてんだろ?とわ」

とわ「ごめん、しらないふりして、」

謝るとわはまるで小さい子供のようだった。

島田「いいよ。それより生きてたのか?ニュースじゃ死んだ死んだって話題だったけど...」

とわ「ううん、死んでる」

島田「え、?死んでるって、お前。ここにいるじゃんか。」

驚くのも無理ない、普通に見えるし触れるし、生きてる人間と全く変わりないのだから。戸惑っている島田という人に私は1から全部説明した。とわは説明下手だから私が代わりに説明する始末...。

島田「ま、まぁとりあえずはわかったよ、」

はる「未練を解消したいらしいよ」

島田「んー、未練つったら、バスケか?」

とわ「あー!そうだ!俺、バスケやってたらしいよな、それかも!」

島田「確か俺、お前がバスケ見たいって言ってたの覚えてんぞ!なんかイケメンの選手がどうとか言ってたぞ!」

とわ「じゃあ、見に行けばひとつはクリアってことか!?」

はる「お!!とりあえず週末、試合があるから、そこチケット取って行こう!あー、とわもとらなきゃだめだよね、?」

島田「そのほうがいいんじゃないか?」

とわ「まぁ、だな!」

そしてとわは私の方を向いて申し訳なさそうに言った。

とわ「そうだ、今日急に消えたお詫び。なんでも好きな願い叶えてやるよ。」

はる「じゃあ、大切な人に会わせてくれる?」

とわ「おう!お易い御用!じゃあ週末!」

とわはそういうとふっと消えた。
残された私達は少し気まずさもあり、すぐに解散した。

はる「前、向けそうかな...笑」

今日も空を見上げる。私にとって星は最高の贈り物。それも毎晩見せてくれるから、神様は本当に優しい人。
よし、過去を思い出しても仕方ない。まぁ、たまには思い出したりもいいけど、今は前を向いて、突き進んでいくのみ!