絶望しかない世の中で生きる意味なんてない。役立たずの人生なんて、ない方がいい。いつだってそうだ。結局は、幸せなんてみんなが掴めるものではない。特に、俺みたいな周りと違う人はね。
 俺は人生に絶望していた。その原因は、小学生時代から続いている、いじめだ。体には、無数の暴力の跡と、自分で作った傷の跡がたくさんある。心はもう壊れる寸前だった。
 進級してから学校には1度も行っていない。またいじめられるのが怖いから。それに、俺には味方なんていないから。
 こんな俺が生きる意味なんて無い。そう思った俺は、死を選択した。何一つ変わらない世界で生きていても、つらいだけだから。
 ただ1つ心残りがあるとするならば、もっと幸せになりたかった。幸せだと心から感じたかった。だけどそれはもう、叶わないんだ……
 考える必要はない。もう手遅れなんだ。この世からおさらばするしかないんだ。俺は、マンションの屋上から、目を瞑って飛び降りた。