それから毎日スーパーに通った。七日目になって、ようやくみーちゃんと再会できた。
 おずおず近寄ると、みーちゃんはすぐに「ああ、こないだの子ね」という調子でほほ笑んでくれた。手のひらでぬるくなった10円を差し出すと、「それは返さないでいいから、代わりにちょっとつき合って」と近くのファミリーレストランに連れられた。
 みーちゃんの目にはよほど脅えた様子に映っていたのか、席に落ち着くまでのあいだに「だいじょうぶだよ。なにもこわいことはしないよ」と三回ほど言われた。

 ――ひとりで食べるのもなんだから、夕飯につきあってほしくて。好きな物、なんでも頼んで。

 みーちゃんはメニューをひらきながら言った。明らかに嘘だった。みーちゃんは私のぼろぼろの服や靴、不揃いの髪の毛を見て、どんな環境にいるのか察したのだろう。
 そんな気遣いがたまらなく恥ずかしくて俯いたままいると、みーちゃんは片っ端からメニューを注文していった。そして「いろいろ食べたいけど、ひとりじゃ食べきれないから助けてね」とやっぱり笑顔で二回目の嘘をついた。