『君の物語が誰かを変える』

何故かその言葉に心惹かれた。
2年前その言葉に出逢って、私の心の中で眠っていた小さな希望が疼いた。
その瞬間、私はずっと自分の存在意義を欲していたことに気づいた。
私自身、これまで数々の物語に救われてきた。
現実を忘れて、物語の余韻に浸るあの時間が好きだった。
著者なりの言い回しで、物語として伝えてくれる優しさが胸に沁みた。
もしも、私がそんな物語を描けたなら……。

"私の物語を届けたい”

私の心の中に密かに新しい夢が芽生えた。
まだ何者でもない私だからこそ、無限の可能性を秘めていると思った。
根拠のない自信に導かれるように、心の中に仕舞ったはずの声を物語に描いた。