お母様の命が狙われている。もしもこのままお母様が生きていられても、私はもうすぐここからいなくなる……。というか、今気がついた。お姉様達はもうお嫁に行く年齢過ぎているのに、何故行かないの? お父様の財産目当て? 我が家の財産は全て合わせると膨大な金額だから、それはありえるかもしれない。

 とにかく、お母様が危ない。
 私はすぐにお母様の部屋に駆け込んだ。

 お母様は座りながら本を読んでいた。

「お母様、お話があるのですが……」
「まぁ、どうしたの? こちらに座って」
「お母様、お母様の命が狙われているの」
「……知っていたわ」
「えっ? 知っていた?」
「えぇ、今回の毒も娘達が入れたということもね」
「……お母様は、怖くないのですか?」
「正直、怖いわ。でも、この家を出ても行くあてがないもの。それに、この家にいる限り生活自体、何も困ることないし」

 確かにそうだ。この家にいるから生活には困らない。でもこの家を出たら……。