「私ね、海外に行くの。描いている絵の勉強しに行くって決めたの、だから、もうさよならね」
そう言って私は歩き始めた。
家のある方向へ。
私は振り返らないよ。
「まって、待ってくれ…ッ…!」
たとえあなたが追いかけてきても、もうあなたの元には戻らない。
決めたの、ここで立ち止まるわけにはいかない。
「ありがとう、そして……さよなら」
私は第1歩を踏み出した。