一通り話し終わったあと、先生は申し訳なさそうな顔で、真剣な口調になった。
「あの、それで、実は雪ちゃん今日お友達と喧嘩してしまいまして」
「え」
先生が教室の中に声をかけ妹を呼ぶ。そこでようやく私が来ていたことに気づいたらしい妹は、「おねえちゃん!」とこちらに駆けてきた。
先生は妹の右手をとると、肘の辺りを私に見せた。
「はじめは小さな言い争いだったんですが、そのうちに相手のお友達は手が出てしまったようで、雪ちゃんに引っ掻き傷ができてしまって……。止められずに、すみませんでした」
そう言って頭を下げる先生。
妹の腕には言葉通り、薄い線のような引っ掻き傷があった。
でも言われないと気づかないような小さいもので、あとに残ることもないだろう。
先生の話では相手の子が雪の腕を叩いたとき、爪が当たってしまったらしい。
「……うーん……」
妹は明るく人懐っこい性格だが、少し気の強い面がある。
なので年少のときからちょくちょく友達と喧嘩したという話は母から聞いていた。だけど怪我がついてきたのは今回が初めて。
「雪、大丈夫?」
そう聞くと、妹は大きくうなずいた。
「ゆき、ぜんぜんいたくないよー!」
まあ、絆創膏もいらないくらいの傷だ。妹自身も気にしていないようだし。
「大丈夫だと思います。あ、でも相手の子は怪我してないですか?」
「大丈夫です。雪ちゃん、喧嘩しても手をあげることはないですよ」
「そう……ですか」
「あの、それで、実は雪ちゃん今日お友達と喧嘩してしまいまして」
「え」
先生が教室の中に声をかけ妹を呼ぶ。そこでようやく私が来ていたことに気づいたらしい妹は、「おねえちゃん!」とこちらに駆けてきた。
先生は妹の右手をとると、肘の辺りを私に見せた。
「はじめは小さな言い争いだったんですが、そのうちに相手のお友達は手が出てしまったようで、雪ちゃんに引っ掻き傷ができてしまって……。止められずに、すみませんでした」
そう言って頭を下げる先生。
妹の腕には言葉通り、薄い線のような引っ掻き傷があった。
でも言われないと気づかないような小さいもので、あとに残ることもないだろう。
先生の話では相手の子が雪の腕を叩いたとき、爪が当たってしまったらしい。
「……うーん……」
妹は明るく人懐っこい性格だが、少し気の強い面がある。
なので年少のときからちょくちょく友達と喧嘩したという話は母から聞いていた。だけど怪我がついてきたのは今回が初めて。
「雪、大丈夫?」
そう聞くと、妹は大きくうなずいた。
「ゆき、ぜんぜんいたくないよー!」
まあ、絆創膏もいらないくらいの傷だ。妹自身も気にしていないようだし。
「大丈夫だと思います。あ、でも相手の子は怪我してないですか?」
「大丈夫です。雪ちゃん、喧嘩しても手をあげることはないですよ」
「そう……ですか」