夕焼けがあたりを照らす。
私を、妹を、そして隣にいる鋭い瞳の優しいクラスメイトを夕暮れに染めていく。

それは切なく、優しい光景。

だから忘れないでいよう。この色を。この気持ちを。

いつか時が流れて、また同じような夕暮れを見ることがあれば。
そのとき、どうかこの日の切なく優しい気持ちを思い出せますように。
幸せな記憶だと笑えますように。

妹の……雪の小さな手を握りそう思った。

灰島くんが私を見て、小さく笑ってささやく。

「きれいだな、夕日」

それは滲む朱に優しくとけていった。