いつも通りのバス停でバスを待つ朝。
もうすぐ冬が来る。
朝はちょっと寒い。
「おはようございます」
「おはよー、きらり。寒いねー」
「寒くなってきましたねー」
いつもと変わらない会話。
そしてバスが来る。
「やっときたー。バスの中は温かいんだろうなー」
「あれ? きらり、淳は?」
「え? そういえば、来ていないですね」
「車で行くのかなー? ま、乗っちゃおうか」
「そうですね。また寝坊でもしてるんでしょうね」
私達は淳を置いてバスに乗った。
まもなく千秋がいるバス停に着くのだが、バス停には誰もいない。
バス停に人が立っていない時は、停車することなく通り過ぎる。
「夏希さん、千秋さんから何か聞いてます?」
「いや、電話すらなかった。千秋がバスに乗らないとか珍しいなー。風邪でも引いたかな?」
すると、靖郎が待つバス停でも靖朗は乗車して来ず、小学生だけが乗車してきた。
小学生に聞いてみたが誰も分からない様子であった。
明日香はちゃんと乗車してきた。
「おっはよーございまーす! あれ? 人少なッ!」
「そうなのよ。なんでだろう?」
きらりが明日香に聞いた。
しかし明日香も
「分かんねー。ズル休み?」
と答えるだけであった。
学校前のバス停に着き、学校まで歩く。
ふーも来ないようだ。
また時間ギリギリに登校する気だなと思っていた。
教室に着いた。
三年生の教室には私一人だけしか居ない。
朝のホームルームの予鈴のチャイムが鳴った。
結局、千秋とふーは登校して来なかった。
すると、隣の二年生の教室からきらりと明日香が様子を見にやってきた。
きらりが心配そうに話しかけてきた。
「結局、男子二人来なかったんですけど。三年生はどうですか?」
「二人とも来てないよ」
「えー。もう帰っていいかな?」
明日香は学校閉鎖を期待しているようだ。
すると、内藤先生と川村先生が教室に来た。
「朝のホームルームするよー」
「はーい。夏希さん、またねー」
そう言うときらりと明日香は教室に戻って行った。
私は席に着いた。
「おはよー」
「おはようございます」
「ご覧の通り、二人は欠席です。二人ともインフルエンザです。夏希も気をつけてねー」
「はい。あのー、これでも授業するんですか?」
「う~ん。さっき職員室でも話があったんだけど、どうしても給食止めれなくてさー。その代わりに、三時のバスで帰って良いことになったよ」
三時のバスは主に保育園児と小学校低学年が乗るバスだ。
六時間授業をする学年は五時のバスに乗っていた。
「ちなみにさー、二年生男子も来なかったでしょ? あの二人もインフルエンザで欠席ね」
「はぁ……」
もはや、学校閉鎖になってもおかしくないのに、これでも授業をやるとは……。
「今日の授業はほとんどプリントやるから気楽にやってよー」
「マンツーマンの授業とか嫌です!」
「がんば~」
今日は憂鬱だ。
朝のホームルームで言われた通り、授業ではプリントを配られ自習をした。
そして給食の時間になった。
人数のぶん量も少ないかと思ったが、鍋を開けてみると普段どおりの量が入っていた。
「よっしゃー! 食うぞー!」
明日香が変な気合いを入れ始めた。
「え? これ全部食べる気?」
「当たり前です! 姫乃森の学校のモットーは『残さず食べましょう!』ですよ!」
「えー」
私もきらりも絶望しかなかった。
そして、明日香は先生まで巻き込んでいった。
「内藤先生! 食べてくださいね!」
「いやぁ……、もうお腹いっぱい……」
「先生! カレーは飲み物ですよ! まだまだいけますよ!」
明日香が鬼に見えてきた。
なかなかの量であったが、なんとか全部の鍋を空にすることが出来た。
お陰でみんな、お腹が苦しくて動くことが出来ないでいた。
「食べたー、食べたー」
明日香は満足していた。
きらりが校長先生に質問しだした。
「なんで学校閉鎖にならなかったんですかー?」
「給食を止めれなかったことも理由の一つなんだけど、大きな理由は全校生徒数が元から少ないからだよ。一人でも登校すれば授業をやらなきゃいけないんだよー」
「給食とか大変じゃん!」
明日香が驚いて言った。
驚く所はそこか?
「午後は自習でもいいよ。三時のバスには遅れないで帰ってね」
「はーい」
「自習はもったいないなー。午後の授業、体育として卓球やろうか!」
川村先生がいきなり言い出した。
「えー! もう動けない」
みんなブーイングした。
しかし、
「食べた分、動くよー!」
「マジか……」
結局、午後の授業は体育で卓球をした。
川村先生を恨むかのように私達は、川村先生をこてんぱんにやっつけ、フルセットで試合に勝ったのであった。
そういや、千秋とふーがいない学校って初めてだ。
でも、来年の四月からは、二人がいない学校生活が当たり前になっていく。
そう思うと寂しくなってきた。
明日、明後日は土日で学校はお休み。
来週の月曜日は二人に会えるかな?
千秋とふーの回復を祈りつつ、二人に会える日を楽しみにしていた。
もうすぐ冬が来る。
朝はちょっと寒い。
「おはようございます」
「おはよー、きらり。寒いねー」
「寒くなってきましたねー」
いつもと変わらない会話。
そしてバスが来る。
「やっときたー。バスの中は温かいんだろうなー」
「あれ? きらり、淳は?」
「え? そういえば、来ていないですね」
「車で行くのかなー? ま、乗っちゃおうか」
「そうですね。また寝坊でもしてるんでしょうね」
私達は淳を置いてバスに乗った。
まもなく千秋がいるバス停に着くのだが、バス停には誰もいない。
バス停に人が立っていない時は、停車することなく通り過ぎる。
「夏希さん、千秋さんから何か聞いてます?」
「いや、電話すらなかった。千秋がバスに乗らないとか珍しいなー。風邪でも引いたかな?」
すると、靖郎が待つバス停でも靖朗は乗車して来ず、小学生だけが乗車してきた。
小学生に聞いてみたが誰も分からない様子であった。
明日香はちゃんと乗車してきた。
「おっはよーございまーす! あれ? 人少なッ!」
「そうなのよ。なんでだろう?」
きらりが明日香に聞いた。
しかし明日香も
「分かんねー。ズル休み?」
と答えるだけであった。
学校前のバス停に着き、学校まで歩く。
ふーも来ないようだ。
また時間ギリギリに登校する気だなと思っていた。
教室に着いた。
三年生の教室には私一人だけしか居ない。
朝のホームルームの予鈴のチャイムが鳴った。
結局、千秋とふーは登校して来なかった。
すると、隣の二年生の教室からきらりと明日香が様子を見にやってきた。
きらりが心配そうに話しかけてきた。
「結局、男子二人来なかったんですけど。三年生はどうですか?」
「二人とも来てないよ」
「えー。もう帰っていいかな?」
明日香は学校閉鎖を期待しているようだ。
すると、内藤先生と川村先生が教室に来た。
「朝のホームルームするよー」
「はーい。夏希さん、またねー」
そう言うときらりと明日香は教室に戻って行った。
私は席に着いた。
「おはよー」
「おはようございます」
「ご覧の通り、二人は欠席です。二人ともインフルエンザです。夏希も気をつけてねー」
「はい。あのー、これでも授業するんですか?」
「う~ん。さっき職員室でも話があったんだけど、どうしても給食止めれなくてさー。その代わりに、三時のバスで帰って良いことになったよ」
三時のバスは主に保育園児と小学校低学年が乗るバスだ。
六時間授業をする学年は五時のバスに乗っていた。
「ちなみにさー、二年生男子も来なかったでしょ? あの二人もインフルエンザで欠席ね」
「はぁ……」
もはや、学校閉鎖になってもおかしくないのに、これでも授業をやるとは……。
「今日の授業はほとんどプリントやるから気楽にやってよー」
「マンツーマンの授業とか嫌です!」
「がんば~」
今日は憂鬱だ。
朝のホームルームで言われた通り、授業ではプリントを配られ自習をした。
そして給食の時間になった。
人数のぶん量も少ないかと思ったが、鍋を開けてみると普段どおりの量が入っていた。
「よっしゃー! 食うぞー!」
明日香が変な気合いを入れ始めた。
「え? これ全部食べる気?」
「当たり前です! 姫乃森の学校のモットーは『残さず食べましょう!』ですよ!」
「えー」
私もきらりも絶望しかなかった。
そして、明日香は先生まで巻き込んでいった。
「内藤先生! 食べてくださいね!」
「いやぁ……、もうお腹いっぱい……」
「先生! カレーは飲み物ですよ! まだまだいけますよ!」
明日香が鬼に見えてきた。
なかなかの量であったが、なんとか全部の鍋を空にすることが出来た。
お陰でみんな、お腹が苦しくて動くことが出来ないでいた。
「食べたー、食べたー」
明日香は満足していた。
きらりが校長先生に質問しだした。
「なんで学校閉鎖にならなかったんですかー?」
「給食を止めれなかったことも理由の一つなんだけど、大きな理由は全校生徒数が元から少ないからだよ。一人でも登校すれば授業をやらなきゃいけないんだよー」
「給食とか大変じゃん!」
明日香が驚いて言った。
驚く所はそこか?
「午後は自習でもいいよ。三時のバスには遅れないで帰ってね」
「はーい」
「自習はもったいないなー。午後の授業、体育として卓球やろうか!」
川村先生がいきなり言い出した。
「えー! もう動けない」
みんなブーイングした。
しかし、
「食べた分、動くよー!」
「マジか……」
結局、午後の授業は体育で卓球をした。
川村先生を恨むかのように私達は、川村先生をこてんぱんにやっつけ、フルセットで試合に勝ったのであった。
そういや、千秋とふーがいない学校って初めてだ。
でも、来年の四月からは、二人がいない学校生活が当たり前になっていく。
そう思うと寂しくなってきた。
明日、明後日は土日で学校はお休み。
来週の月曜日は二人に会えるかな?
千秋とふーの回復を祈りつつ、二人に会える日を楽しみにしていた。