「叶笑危なかったな。本当に子供ってやつは」
陽斗も一緒にムカついてくれている。そこでふと、彼に思ったことを聞いてみる。
「私はあんまり子供は好きじゃないんだけど、陽斗は子供は好き?」
「俺もあんまり好きじゃない。調子に乗りやすい生物だから扱いにくいし」
「あははっ、扱いにくいって物じゃないんだから。まぁ、それはそうだけど」
本当に、殻の中の本物の彼は面白い。そりゃあ、殻をかぶっている時でも面白い時の方が多いけど、ありのままは別格だ。
どこか斜め上の回答をしてくることもあるし、愚痴り方もなかなか癖があって面白い。
なんだかんだ言ってあっという間に第一回目のリハビリは終わった。
無事になんとか支えがあればスラスラ歩けるようにまで回復した。
ただ、まだ自力では難しかった。時々ふらついてしまったり、つまずいたり、周りの人に迷惑しかかけない。
自分の弱さに負けそうになる。それでも、医師はなんという回復速度、なんて驚いていたしまぁいいでしょう。
それに陽斗も、もしも私がコケそうになったり危ない場面になってしまったりした時には守ってくれると言っていた。
心強い支えになる人がいて私はまだ幸せ者だ。いつどうなるかなんて誰にもわからないこそ、今を楽しまなければいけない。
それはずっと、私の心の中にあるモットーのようなものだ。絶対に曲げられない考え方。
もう、そんなことも考えられなくなるかもしれないことになるとはもちろん、まだ私は知る由もなかった。
ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー
それからさらに一週間が経ったこの日。私は今日、久しぶりに学校に登校する。
もちろん、難聴ということにしているから間違っても直接返事することはできない。
ただ、いまだに時々急に耳が聞こえなくなる時が来る。毎回不定期で慣れないものだ。
一日に一回の時もあれば何回も聞こえなくなったり、逆に一日中耳が聞こえた時もあった。
第一回目のリハビリの時とかもその日は丸一日耳が聞こえた。
「叶笑、おはよう。今日から学校だね。いろいろ大変そうだなー」
「そうだね。誰かと話すときは紙とペンが必須だし、コミュニケーションに時間がかかるのがめんどくさいなぁ」
「あぁ、そうだった。難聴のふりをしないといけないもんな。ま、俺も優等生っぽく過ごすんだけどな」
ちらほらと生徒の姿が見え始める。もちろん、どこでバレるのかも分からないので彼とは一切話さないまま学校に登校した。
さすがに緊張した。だって、約一ヶ月も学校に来ていなかったのだ。
しかも難聴扱いになる私に対しての生徒の態度も変わっていると思われる。
廊下を歩くときにヒソヒソ話している生徒がいたのを目撃したからなんとなく分かる。
「叶笑、無理しなくてもいいからね?なんかあったら俺を頼って」
私は小さな声でうんと返事をした。
陽斗も一緒にムカついてくれている。そこでふと、彼に思ったことを聞いてみる。
「私はあんまり子供は好きじゃないんだけど、陽斗は子供は好き?」
「俺もあんまり好きじゃない。調子に乗りやすい生物だから扱いにくいし」
「あははっ、扱いにくいって物じゃないんだから。まぁ、それはそうだけど」
本当に、殻の中の本物の彼は面白い。そりゃあ、殻をかぶっている時でも面白い時の方が多いけど、ありのままは別格だ。
どこか斜め上の回答をしてくることもあるし、愚痴り方もなかなか癖があって面白い。
なんだかんだ言ってあっという間に第一回目のリハビリは終わった。
無事になんとか支えがあればスラスラ歩けるようにまで回復した。
ただ、まだ自力では難しかった。時々ふらついてしまったり、つまずいたり、周りの人に迷惑しかかけない。
自分の弱さに負けそうになる。それでも、医師はなんという回復速度、なんて驚いていたしまぁいいでしょう。
それに陽斗も、もしも私がコケそうになったり危ない場面になってしまったりした時には守ってくれると言っていた。
心強い支えになる人がいて私はまだ幸せ者だ。いつどうなるかなんて誰にもわからないこそ、今を楽しまなければいけない。
それはずっと、私の心の中にあるモットーのようなものだ。絶対に曲げられない考え方。
もう、そんなことも考えられなくなるかもしれないことになるとはもちろん、まだ私は知る由もなかった。
ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。ーー
それからさらに一週間が経ったこの日。私は今日、久しぶりに学校に登校する。
もちろん、難聴ということにしているから間違っても直接返事することはできない。
ただ、いまだに時々急に耳が聞こえなくなる時が来る。毎回不定期で慣れないものだ。
一日に一回の時もあれば何回も聞こえなくなったり、逆に一日中耳が聞こえた時もあった。
第一回目のリハビリの時とかもその日は丸一日耳が聞こえた。
「叶笑、おはよう。今日から学校だね。いろいろ大変そうだなー」
「そうだね。誰かと話すときは紙とペンが必須だし、コミュニケーションに時間がかかるのがめんどくさいなぁ」
「あぁ、そうだった。難聴のふりをしないといけないもんな。ま、俺も優等生っぽく過ごすんだけどな」
ちらほらと生徒の姿が見え始める。もちろん、どこでバレるのかも分からないので彼とは一切話さないまま学校に登校した。
さすがに緊張した。だって、約一ヶ月も学校に来ていなかったのだ。
しかも難聴扱いになる私に対しての生徒の態度も変わっていると思われる。
廊下を歩くときにヒソヒソ話している生徒がいたのを目撃したからなんとなく分かる。
「叶笑、無理しなくてもいいからね?なんかあったら俺を頼って」
私は小さな声でうんと返事をした。