☆本日の作業用BGMは、『U Can’ t Touch This』(MCハマー)でした。
衣装もダンスも奇抜でした。
セ○ントフォーかハマーか、ちゅうくらい激しいダンス。
楽しそうでしたけど。
ーーーーーー
ようやっと暖かくなってまいりましたね、お母さま。もうすぐ春です。多分。
本日のお客さんは、今のところお一人だけです。
リュックを背負った若い外国の殿方でした。
ふと、「御苑に某国(バ●カン?)のスパイか?」と勘繰ったのですが、
「ソーリ! ソーリ! ウエノマツザカヤwhere?」
辻元●美さんのように問い掛けられ脱力です。
要は道をお尋ねになっただけという。お客さんではないですね。それがナニか?
「真打ち」は暮れ六ツ半(午後七時頃)を過ぎたあたり、ご登場です。噺家さんではありません。
「哀愁スナック ホームルーム(※頂戴した名刺より)」のチイママ、渚(源氏名)さんでした。
カーディガンにジーンズ――おっと、ジーンズにカーディガンというラフな出で立ちです。
ほいほいっと軽い足取りで椅子に腰掛けます。
イレギュラーなボタンに視線を留めると、親指が「ターン!」いう感じでパ○スロの目押し風に叩きました。
「『――アニキィ、ア~ニキ~!』『はまーたいむ!』」という……。
(…………)
☆☆☆
【おこんばんは!】
「遣唐使ッ!」
【へ? ああ、空耳●ワーみたいな? まあ聞こえないこともないけど。「Can’t……」】
「ツイてない御苑へようこそ。今日はゆっくりですね」
【そうそう。「父兄参観デー」というイベント日なの。一部のお客様が遅くなりそうってことで、遅い開店なのよぉ】
「……まさか、その装いが……」
【両親が仕事で来られないので、代わりに出る事にしたやる気マンマンのお姉さん(設定は大学生)でっす】
「なるほど。どこから見ても女子大生そのものです(棒)」
渚さんは「ふふん」と鼻から空気を漏らすと、若干嬉しそうに微笑みました。
思い出したようにペットボトルの緑茶を手に取ります。
「かのお巡りさんとは順調で」
【あああん♥ それがねぇ、この間の大雪の所為で他県の応援に行っちゃって、もう一週間会ってないの……ツイてないよぉ~】
「一週間……」
【あ。たかがそれっぽっちで、とか思ったでしょう? 違うんだよなあ、自分の身に置き換えてよ~く考えてみて?】
爽太くんと私……。
元々頻繁に会っているわけでもないのですよね。
寧ろこんなモンかなあ~としか……。
【薄いなあリアクションが。ひょっとして、まだ××してないのかしら?】
「えと……申し訳ございません、ノーコメントで……(※すると犯罪らしいので)」
【ほう……あたし達なんか、会えばいつもフェード・イ~ン♥だよ?】
「ラ○ディーンですか」
【ううん? もう脳波で会話してるから。すぐよ】
「まるでゴ○ドマーズですね」
【そうそう! ダ~○モ~スって】
「違うヤツですよ?」
【あは♥】
相変わらずお茶目さんですね。
「やるな巡査部長」
【巡査長ね。あ、巡査長ってのは正式な階級じゃないんだって。法律で決まってるワケじゃなくて、なんたら規則で? だったかな】
「ほう。左様で」
【昔、ナ○金て漫画で、お座敷に呼ばれた主人公が、とある府警の刑事部長を「部長刑事」呼ばわりして青くなるってシーンがあってさ】
「違うのですか?」
【警視庁の刑事部長だったら、他府県なら本部長クラスなのよ? 巡査部長と比べたら失礼じゃない】
「恐ろしい勘違いですね」
私は「へえー」「へえー」と言いながら、何も無い机の上をバシバシ叩きました。
隅に置いた午後ティーがタップを踊っています。
「あの……ちなみに、ビジュアルはどんな感じなんですか?」
渚女史、顎に人差し指を当て、あざとく天井を見上げます。
【そうねえ……赤信号の小○さんに似てるかなあ。という事は、M○ハマーの生まれ変わりでもあるワケなんだけど】
「ハマーさんご存命じゃないですか? 『クレオパトラの生まれ変わり』みたいに」
【あは! いいねソレ! 今度使わせてもらっちゃおう】
渚さんがスマホを翳し、彼の写真を見せてくれました。
「……ああ、こみ……う~ん……ハマーですね。美白のハマーさんです。まんまじゃないですか」
【そう? そうかな】
「てへっ」という声が聞こえてきそうな顔で、照れ照れ俯きます。
褒めたつもりはないのですけど。ゾッコン命なのですね。
痘痕も靨……。ひどい? え、そうですか?
「――そもそも、最初のくんずほぐれつの時、お相手の御仁は勤務中でしたよね?」(※七話「浴衣美人と台風の夜」)
【ピュ~ピピィ~】
「うわ、口笛を耳にしたのは久方振りでござんすよ」
【まあ私も水着だったし、ペロンて脱いで――】
「いえ、詳細は結構です」
【彼、上背はないけどガッシリしてて、彼のサンも――】
「いえ、詳細は結構です」
【そう? そっか……。童○ではない感じだったけど、経験値は左程でもないって言う割に……なんと! 二人一緒に――】
「いえ、詳細は結構です」
万一、録音などされていたらゲーハーに叱られるやも。
この間も妙な工事をしてはりましたからねぇ。
渚さんは真っ赤になって卑猥な拳をこちらに向けております。
いやらしいお話ではありますが、ジ○ンてなるほどでもありません(キリッ)。
幸せそうに悶える彼女を見詰めながら、ふと。
「……彼のどんなところがお好きなのです?」
問い掛けておりました。
【彼の好きなところ……】
ほんの間、思案顔でしたが、
【そうねえ。うふふ。この間……彼が、大ぶりで宝石のような苺が乗ったショートケーキを食べようとしていました】
「お高そうな」
【そうそう。で、それを見ていた私が、「美味しそう。ケーキ一口ちょうだい?」と可愛くねだります】
「普通にねだってくださいよ」
【まあまあ――で、それを聞いた彼は、「はい。どうぞ」ってなんの躊躇いもなく――ケーキを一口分、一つしかないメインの苺をまるごと乗せて、スプーンで「あーん」てしてくれた】
「苺丸ごとですか? 心臓(トーマの?)じゃないですか」
【ねー。彼は、「一番美味しいところを私にくれる」人なの】
脳裏に爽太くんを思い浮かべてみます。
流石の爽太くんでもどうだろうか……。
「……私なら『半分こしよう』って言いますね、多分」
【普通はそうかもね……けど、いただく側の私は遠慮なく食べちゃう。彼は、そーゆー私に「そんな貴女が好きです」って微笑んださあー】
「……ほーん……」
赤から桃色に変わった顔で、渚さんがニンマリします。
見た目ちょっと寒そうな装いですが、中々どうして、これ以上の厚着は不要に思えてきました。
「……なんと言ってよいのか……ひょっとしたら、『極め付きの優しさ』と言えるかもしれませんね」
【うん。優しさが溢れているでしょう?】
「……そうですね、じわじわ湧き出るような……」
お付き合いを始めて、左程長くないハズですが。
肝心な所で、もう分かり合っている——そんな感じがいたします。
「これも宿命ですかねえ……」
【お? お坊様みたいな事言ってえ。まだ出家してないのよね?】
「まだも何も、する予定はございませんよ」
【出家する前にウチに来てね!】
「だからしませんて」
彼女は次々「小」幸せエピソードを披露すると、お気が済んだのか、ご機嫌でお店へと向かわれました。
「……ゴッド・ブレス・ユー……」
今日も惚気話か……。
最近、こんなような事が多いー気もいたします。
やはり、もうすぐ春——で合っているやもしれませんね、お母さま。
衣装もダンスも奇抜でした。
セ○ントフォーかハマーか、ちゅうくらい激しいダンス。
楽しそうでしたけど。
ーーーーーー
ようやっと暖かくなってまいりましたね、お母さま。もうすぐ春です。多分。
本日のお客さんは、今のところお一人だけです。
リュックを背負った若い外国の殿方でした。
ふと、「御苑に某国(バ●カン?)のスパイか?」と勘繰ったのですが、
「ソーリ! ソーリ! ウエノマツザカヤwhere?」
辻元●美さんのように問い掛けられ脱力です。
要は道をお尋ねになっただけという。お客さんではないですね。それがナニか?
「真打ち」は暮れ六ツ半(午後七時頃)を過ぎたあたり、ご登場です。噺家さんではありません。
「哀愁スナック ホームルーム(※頂戴した名刺より)」のチイママ、渚(源氏名)さんでした。
カーディガンにジーンズ――おっと、ジーンズにカーディガンというラフな出で立ちです。
ほいほいっと軽い足取りで椅子に腰掛けます。
イレギュラーなボタンに視線を留めると、親指が「ターン!」いう感じでパ○スロの目押し風に叩きました。
「『――アニキィ、ア~ニキ~!』『はまーたいむ!』」という……。
(…………)
☆☆☆
【おこんばんは!】
「遣唐使ッ!」
【へ? ああ、空耳●ワーみたいな? まあ聞こえないこともないけど。「Can’t……」】
「ツイてない御苑へようこそ。今日はゆっくりですね」
【そうそう。「父兄参観デー」というイベント日なの。一部のお客様が遅くなりそうってことで、遅い開店なのよぉ】
「……まさか、その装いが……」
【両親が仕事で来られないので、代わりに出る事にしたやる気マンマンのお姉さん(設定は大学生)でっす】
「なるほど。どこから見ても女子大生そのものです(棒)」
渚さんは「ふふん」と鼻から空気を漏らすと、若干嬉しそうに微笑みました。
思い出したようにペットボトルの緑茶を手に取ります。
「かのお巡りさんとは順調で」
【あああん♥ それがねぇ、この間の大雪の所為で他県の応援に行っちゃって、もう一週間会ってないの……ツイてないよぉ~】
「一週間……」
【あ。たかがそれっぽっちで、とか思ったでしょう? 違うんだよなあ、自分の身に置き換えてよ~く考えてみて?】
爽太くんと私……。
元々頻繁に会っているわけでもないのですよね。
寧ろこんなモンかなあ~としか……。
【薄いなあリアクションが。ひょっとして、まだ××してないのかしら?】
「えと……申し訳ございません、ノーコメントで……(※すると犯罪らしいので)」
【ほう……あたし達なんか、会えばいつもフェード・イ~ン♥だよ?】
「ラ○ディーンですか」
【ううん? もう脳波で会話してるから。すぐよ】
「まるでゴ○ドマーズですね」
【そうそう! ダ~○モ~スって】
「違うヤツですよ?」
【あは♥】
相変わらずお茶目さんですね。
「やるな巡査部長」
【巡査長ね。あ、巡査長ってのは正式な階級じゃないんだって。法律で決まってるワケじゃなくて、なんたら規則で? だったかな】
「ほう。左様で」
【昔、ナ○金て漫画で、お座敷に呼ばれた主人公が、とある府警の刑事部長を「部長刑事」呼ばわりして青くなるってシーンがあってさ】
「違うのですか?」
【警視庁の刑事部長だったら、他府県なら本部長クラスなのよ? 巡査部長と比べたら失礼じゃない】
「恐ろしい勘違いですね」
私は「へえー」「へえー」と言いながら、何も無い机の上をバシバシ叩きました。
隅に置いた午後ティーがタップを踊っています。
「あの……ちなみに、ビジュアルはどんな感じなんですか?」
渚女史、顎に人差し指を当て、あざとく天井を見上げます。
【そうねえ……赤信号の小○さんに似てるかなあ。という事は、M○ハマーの生まれ変わりでもあるワケなんだけど】
「ハマーさんご存命じゃないですか? 『クレオパトラの生まれ変わり』みたいに」
【あは! いいねソレ! 今度使わせてもらっちゃおう】
渚さんがスマホを翳し、彼の写真を見せてくれました。
「……ああ、こみ……う~ん……ハマーですね。美白のハマーさんです。まんまじゃないですか」
【そう? そうかな】
「てへっ」という声が聞こえてきそうな顔で、照れ照れ俯きます。
褒めたつもりはないのですけど。ゾッコン命なのですね。
痘痕も靨……。ひどい? え、そうですか?
「――そもそも、最初のくんずほぐれつの時、お相手の御仁は勤務中でしたよね?」(※七話「浴衣美人と台風の夜」)
【ピュ~ピピィ~】
「うわ、口笛を耳にしたのは久方振りでござんすよ」
【まあ私も水着だったし、ペロンて脱いで――】
「いえ、詳細は結構です」
【彼、上背はないけどガッシリしてて、彼のサンも――】
「いえ、詳細は結構です」
【そう? そっか……。童○ではない感じだったけど、経験値は左程でもないって言う割に……なんと! 二人一緒に――】
「いえ、詳細は結構です」
万一、録音などされていたらゲーハーに叱られるやも。
この間も妙な工事をしてはりましたからねぇ。
渚さんは真っ赤になって卑猥な拳をこちらに向けております。
いやらしいお話ではありますが、ジ○ンてなるほどでもありません(キリッ)。
幸せそうに悶える彼女を見詰めながら、ふと。
「……彼のどんなところがお好きなのです?」
問い掛けておりました。
【彼の好きなところ……】
ほんの間、思案顔でしたが、
【そうねえ。うふふ。この間……彼が、大ぶりで宝石のような苺が乗ったショートケーキを食べようとしていました】
「お高そうな」
【そうそう。で、それを見ていた私が、「美味しそう。ケーキ一口ちょうだい?」と可愛くねだります】
「普通にねだってくださいよ」
【まあまあ――で、それを聞いた彼は、「はい。どうぞ」ってなんの躊躇いもなく――ケーキを一口分、一つしかないメインの苺をまるごと乗せて、スプーンで「あーん」てしてくれた】
「苺丸ごとですか? 心臓(トーマの?)じゃないですか」
【ねー。彼は、「一番美味しいところを私にくれる」人なの】
脳裏に爽太くんを思い浮かべてみます。
流石の爽太くんでもどうだろうか……。
「……私なら『半分こしよう』って言いますね、多分」
【普通はそうかもね……けど、いただく側の私は遠慮なく食べちゃう。彼は、そーゆー私に「そんな貴女が好きです」って微笑んださあー】
「……ほーん……」
赤から桃色に変わった顔で、渚さんがニンマリします。
見た目ちょっと寒そうな装いですが、中々どうして、これ以上の厚着は不要に思えてきました。
「……なんと言ってよいのか……ひょっとしたら、『極め付きの優しさ』と言えるかもしれませんね」
【うん。優しさが溢れているでしょう?】
「……そうですね、じわじわ湧き出るような……」
お付き合いを始めて、左程長くないハズですが。
肝心な所で、もう分かり合っている——そんな感じがいたします。
「これも宿命ですかねえ……」
【お? お坊様みたいな事言ってえ。まだ出家してないのよね?】
「まだも何も、する予定はございませんよ」
【出家する前にウチに来てね!】
「だからしませんて」
彼女は次々「小」幸せエピソードを披露すると、お気が済んだのか、ご機嫌でお店へと向かわれました。
「……ゴッド・ブレス・ユー……」
今日も惚気話か……。
最近、こんなような事が多いー気もいたします。
やはり、もうすぐ春——で合っているやもしれませんね、お母さま。