「やっばいのよ、ほんとに」



「さっきからそれしか言ってないから、何がやばいのかさっぱりなんだけど」



安っぽい効果音が画面から飛び出してくるそこは、カーテンが閉められていて太陽の光が入ってこない。

床に無造作に置かれているポテトチップスのゴミやら、カップ麺のゴミやら。



「お、これはイケる」


そう言って画面の光に染まっているその女の子の後ろ姿を見て私はため息をついた。


「ねえ、ゲームばっかりしてないで、私の話をきいてよユキちゃん」


「きいてるよ、でもあんたの語彙力がなさすぎて内容が入ってこないの」


そう言って「くっそ」とその可愛らしい顔からおっさんみたいな掠れた声を出した彼女は、枝原雪乃。
私の従姉妹だ。

ちなみに言うと、学校にはあまり行かない引きこもりである。