「こんにちは」
「え？あっはい、、、」
地図で彼女の居場所を見つけた私は彼女に声をかけた。
「私はワイズ・アスカル・ポーン、あなたと友達になりたくて探していたんだ。」
「え？えぇ！？私は、デーモン・ナイト・カーエンと言います、よろしくお願いします、
ワイズ様。」
私が自己紹介をすると彼女は膝を深く曲げ、見事なカーテシーをする。

「そんな、硬くならないで私は、あなたとお友達になりたいの！」
私が改めて友達になりたいことを伝えると彼女はポカンとしていた。
数秒の後、彼女は私とですか？とよくわかっていなさそうな言葉を発した。
その言葉に私が頷くと、彼女はこう言った「わ、私でよければ、、、」

「私はアスカル、あなたのことはカーエンって読んでもいい？」
「はい！アスカルさん、よろしくお願いします。」
「よろしく。」

ニコッと私は微笑んだ。



「カーエンさんは、どうしてここの学園に来たの？」

私は、ずっと不思議だったことを聞いてみた。
デーモン家の人たちはあまり世間からいい印象をもたれていない。
そんな中で、彼女がこの学園を選んだ理由を知りたかった。
それに理由を知ることが出来れば、
何か手伝うことが出来るのではないかと思ったからだ。
「私が、この学園を選んだ理由は、、、」

カーエンは、手をぎゅっと胸元で握りしめた。

「すみません、まだ言いたくないです、、、。」

「そっか、わかったよ。あ！もうすぐ授業だ、教室へ向かおう！」
「あ！はい。」

この時、カーエンは不思議だった。嫌われている一族の私に声をかけてくれたこと、
無理に理由を聞かなかったこと、でも、確かにわかったことがある「この人と一緒にいれば大丈夫(アスカルさんといれば大丈夫)。」彼女(アスカル)の存在は、カーエンの心に一筋の希望を見出していた。