「席に座って！そこ、静かに」

教室に、入ってきた先生の声が教室に響くが生徒たちはあまり聞いている様子がない。
先生も困った顔をしている。

４０代半ばの先生で、高い位置でまとめた髪はとてもボリューム感がある。
きちんとした服装に指し棒を持った姿は少しきつめの印象を与えていた。

先生が話始めるが、生徒たちは、聞く気がないものがほとんどだ、前(黒板)を見ている人も少ない。
先生の話が終わると待ってましたと言わんばかりにはしゃぐ生徒たち、私はふぅーと息を吐き思い切り吸った。
よし、次は魔法の授業だ。



―運動場兼中庭にて―

「ワイズ！ワイズ。どうした、起きろ！」

「すみません。ぼーっとしていました。」

考え事をしていた私は、どうやら寝ているように見えたらしい。

「それならいいが、授業に集中するんだ！」

そう言うと、先生は魔法の授業を再開した。
杖を振り魔法について教えるこの授業
私が、ぼーっとしていたのには、訳がある。

「ラーシアス・ビショップ」

恐らく、彼がこの学園の生徒を統括し(まとめ)ている。ラーシアス家は、代々王の側近として王に仕えてきた。
ラーシアス家なら、この学園を変えてしまえるほどの権力を持っているはずだ。
彼らが、この学園に強く関与していることは、間違いない。
彼らが関わっているとしたら、私はただ学園を立て直せばいい、という話ではなくなってくる。

彼らが、この学園の実権を握っているとしたら、彼らからこの学園の、実権を取り戻さないといけない。
そこで考えたのが、【学園立て直し計画】。だが、この計画を進める前に、友達を作りたい。
出来れば、一緒に【学園立て直し計画】を行ってくれる子がいい。そして、学園生活を一緒に楽しむためにも友達は欲しい。
と言っても、実は、友達になりたい子は決まっているのだが、
教室で話しかけてみるか果たして友達になってくれるのか、それとも、、、