「同日デビュー?!」
突然発された大きな声にビクッと肩が上がった。
「あ、ごめんね驚かせて、ほら空、ちょっと落ち着いて」
びっくりした。驚きでドクドクと暴れた心臓がまだ落ち着かない。
呼び出された事務所の会議室、今日初めて対面する三人は資料映像を見てかっこいいなと思っていたけど、生で見ると想像以上のかっこよさ、そんな呑気なことを考えていた矢先、突然の怒った声ではっと我に返った。
「上がさ、ミリオン出せって言ってきたんだよ、出せるわけないじゃん、この時代に。まぁ上もただのはったりだと思うけど、俺もさ舐められてるみたいで悔しいじゃん、こうなったら出してやろうかと思って。ミリオン」
そういう相馬さんに
「それはちょっとやりすぎじゃねーか?叩かれるぞー。やり方汚ねーって」
西山さんが苦言を呈する。
「叩かれても売れたもん勝ちだとは思わねー?」
そんな相馬さんの言葉に少し動いた心。
「お前ら勝ちたいんだろ、特にお前、空。勝って見返したいんだろ」
「見返すー? 見返すってなんですかぁ?」
「あ? ……あー、いいよ、その話は」
「でも競っただけでミリオンなんて行くんかな?」
そんな龍の疑問を相馬さんが一蹴した。
「ミリオン行けなかった方は解散」
「はぁ?????????」
一斉に全員の声が出た。
「それで世間の購買意欲を出させる。……まぁ怖かったら乗らなくてもいいんだけど」
「乗った」
いの一番に声を出した空さんだった。
「は?」
その空さんの言葉に風雅さんが口を挟んだ。風雅さんは感情のまま物事を起こさない、慎重タイプなんだって後に幸翔さんが教えてくれた。
「ここ逃したらまたいつデビュー出来るか分かんねーんだろ? やるしかねーじゃん」
「俺も。面白そう」
空さんに続いて幸翔さんの意見も一致した。
「はぁ……僕も乗った」
すると続けて促されるように楓雅さんも話に乗った。
「お前らは? いいよ、負けるの怖かったらやめとけよ」
空さんは挑発した。まるでこの勝負を楽しむかのように少し不敵に笑って。
「やります」
「はぁ? ちょっと陸」
慌てて陸を制した。だけど陸の目は真っ直ぐに前を見ていた。その目に曇りや陰りが一切見えなかった。
「ふっそう来なくちゃ」
その陸の返答に空さんは満足そうに微笑んだ。
陸はたまに野生の目をする。いつもは何も考えてなさそうなのに目の奥に秘めた野心をたまに出す。
「えっ、はっ、大丈夫かな」
直後にすぐにへらっと笑って元の陸に戻るからどっちが本当の姿か分からない。
「他、お前らどうする?」
相馬さんが私と龍の返事を待った。
「いいっすよ、乗ります」
直後、龍が乗った。
「はい、私も乗ります」
そして続けて私も乗った。
もう後には引き返せない。私達が乗ったのは豪華客船か……はたまた泥舟か……
「じゃあ決まりね、で、デビューにあたり今あるバンド名をを捨ててもらう」
「え?」
「空、楓雅、幸翔の方はレッドモンスター、陸、龍、ましろの方はブラックモンスター」
その名前を聞くと空さんが呆れたようなため息を漏らした。
「本当にとことん競わせたいんだな……で? この名前、なんか意味あるの?」
「モンスターグループになって欲しいってのと、名前に色が入ってるバンドは売れるジンクスがあるからその験担ぎ」
相馬さんのその言葉に
「イエローなんちゃらとかオレンジなんちゃらとかいるだろ? 売れてるバンド」
西山さんが補足した。
「ちなみにー芸人さんは17画の名前が超売れるらしいですー」
「……は?」
彼女が話した瞬間いつも少し場の空気が冷える。
突然発された大きな声にビクッと肩が上がった。
「あ、ごめんね驚かせて、ほら空、ちょっと落ち着いて」
びっくりした。驚きでドクドクと暴れた心臓がまだ落ち着かない。
呼び出された事務所の会議室、今日初めて対面する三人は資料映像を見てかっこいいなと思っていたけど、生で見ると想像以上のかっこよさ、そんな呑気なことを考えていた矢先、突然の怒った声ではっと我に返った。
「上がさ、ミリオン出せって言ってきたんだよ、出せるわけないじゃん、この時代に。まぁ上もただのはったりだと思うけど、俺もさ舐められてるみたいで悔しいじゃん、こうなったら出してやろうかと思って。ミリオン」
そういう相馬さんに
「それはちょっとやりすぎじゃねーか?叩かれるぞー。やり方汚ねーって」
西山さんが苦言を呈する。
「叩かれても売れたもん勝ちだとは思わねー?」
そんな相馬さんの言葉に少し動いた心。
「お前ら勝ちたいんだろ、特にお前、空。勝って見返したいんだろ」
「見返すー? 見返すってなんですかぁ?」
「あ? ……あー、いいよ、その話は」
「でも競っただけでミリオンなんて行くんかな?」
そんな龍の疑問を相馬さんが一蹴した。
「ミリオン行けなかった方は解散」
「はぁ?????????」
一斉に全員の声が出た。
「それで世間の購買意欲を出させる。……まぁ怖かったら乗らなくてもいいんだけど」
「乗った」
いの一番に声を出した空さんだった。
「は?」
その空さんの言葉に風雅さんが口を挟んだ。風雅さんは感情のまま物事を起こさない、慎重タイプなんだって後に幸翔さんが教えてくれた。
「ここ逃したらまたいつデビュー出来るか分かんねーんだろ? やるしかねーじゃん」
「俺も。面白そう」
空さんに続いて幸翔さんの意見も一致した。
「はぁ……僕も乗った」
すると続けて促されるように楓雅さんも話に乗った。
「お前らは? いいよ、負けるの怖かったらやめとけよ」
空さんは挑発した。まるでこの勝負を楽しむかのように少し不敵に笑って。
「やります」
「はぁ? ちょっと陸」
慌てて陸を制した。だけど陸の目は真っ直ぐに前を見ていた。その目に曇りや陰りが一切見えなかった。
「ふっそう来なくちゃ」
その陸の返答に空さんは満足そうに微笑んだ。
陸はたまに野生の目をする。いつもは何も考えてなさそうなのに目の奥に秘めた野心をたまに出す。
「えっ、はっ、大丈夫かな」
直後にすぐにへらっと笑って元の陸に戻るからどっちが本当の姿か分からない。
「他、お前らどうする?」
相馬さんが私と龍の返事を待った。
「いいっすよ、乗ります」
直後、龍が乗った。
「はい、私も乗ります」
そして続けて私も乗った。
もう後には引き返せない。私達が乗ったのは豪華客船か……はたまた泥舟か……
「じゃあ決まりね、で、デビューにあたり今あるバンド名をを捨ててもらう」
「え?」
「空、楓雅、幸翔の方はレッドモンスター、陸、龍、ましろの方はブラックモンスター」
その名前を聞くと空さんが呆れたようなため息を漏らした。
「本当にとことん競わせたいんだな……で? この名前、なんか意味あるの?」
「モンスターグループになって欲しいってのと、名前に色が入ってるバンドは売れるジンクスがあるからその験担ぎ」
相馬さんのその言葉に
「イエローなんちゃらとかオレンジなんちゃらとかいるだろ? 売れてるバンド」
西山さんが補足した。
「ちなみにー芸人さんは17画の名前が超売れるらしいですー」
「……は?」
彼女が話した瞬間いつも少し場の空気が冷える。