暑さでクラクラする頭とぐったりする体。それでもこの狭いシングルベッドの中、離れたくなくて、はぁはぁと少し荒くなった息を整えてる空さんにしがみつくように抱きつくと空さんは体勢を変えて抱きしめ返してくれた。
服さえも身につけず抱き合ってるのにもう少し、もう少し、近付けたらいいな、なんて思ってしまう。
「もう、部屋戻らなくちゃ」
未練がましく抱きしめていながらその体と裏腹な言葉を出した。
「なんで、ここでいいじゃん」
「バレたらまずいです」
私は空さんと付き合い始めた。
誰にも言わず。
小さくて穏やかで、だけどとっても幸せな時間。
そして呼び出された会議室。
「ライブツアーが決まったぞー」
相馬さんの声が響き渡った。
「キャー超楽しみですー」
ファーストアルバムを引っさげてのツアーが始まる。
「レドモンは北海道からブラモン沖縄から」
そして東京で集結する。
「VOICEなんだけど、アルバムの日に同時発売することになった」
「えっ、それやりすぎ」
「相馬はいつだってやりすぎだろ」
西山さんがそう言うとみんな続々と納得しだした。
「レドモンジャケットとブルモンジャケットと二種類売り出す」
「相変わらず徹底してるね」
「アルバムのレコーディングとツアーの打ち合わせをスケジュールに組み込むから」
こんなに忙しい毎日だって疲れなんて吹き飛んでしまうほど毎日が充実してた。
チラッと空さんの方を見れば、誰にもバレないように眉毛をクイッと上げて口角が上がる。
そんな私だけの合図にこの上なく心臓が騒ぎ始める。
「お前さー、あんなニヤニヤしながらこっち見てたらバレるぞ」
「えっ、気を付けます」
「なーにそこコソコソ話してんねん」
「えっ?!?!?!」
突然後ろから龍の声がして、思いのほか大きな声が出てしまった。
「なになに」
そんなやりとりに陸まで気付きだして慌てて必死に誤魔化した。
「いや、この後みんなでご飯食べに行きたいなーと」
「えーいいじゃん、行こう行こう」
「どっかあるかな、お店調べてみるね」
幸翔さんが電話をしてくれて、ふぅっと一息ついてると
「なんか企んでるやろ」
龍は鋭いようで全然的外れだ。
「何を企むことがあるのよ……」
「俺らの行きつけのところ今日空いてるって、何人かな」
そう言うと西山さんが「俺らダメだ、仕事だ」とバツサインを出した。
「じゃあ六人だね、予約するね」
「怪しいなー」
「なにが」
「この前一緒に買った宝くじ、当たったんちゃう?」
「はぁ?! 当たってないよ、あれは外れたって話したじゃん」
「ほんまか? 最近なんか嬉しそうやねんな、怪しいな」
「あれ? 龍はどうだったの?」
「俺は三千円しか当たってないわ」
「え? みなさーん! 龍が今日奢ってくれるみたいでーす」
「いやっ、おまっ、三千円やで? 宝くじ買った分しか当たってないわ、儲けないねんで?」
「じゃあ龍くんにご馳走になろうか」
「ちょっ、楓雅さんまでやめてくださいよ」
「龍ちゃん、ごちです」
「こういう時ばっか龍ちゃん呼びやめろや」
結局はレドモンの三人が年上ってことで全額出してくれた。
服さえも身につけず抱き合ってるのにもう少し、もう少し、近付けたらいいな、なんて思ってしまう。
「もう、部屋戻らなくちゃ」
未練がましく抱きしめていながらその体と裏腹な言葉を出した。
「なんで、ここでいいじゃん」
「バレたらまずいです」
私は空さんと付き合い始めた。
誰にも言わず。
小さくて穏やかで、だけどとっても幸せな時間。
そして呼び出された会議室。
「ライブツアーが決まったぞー」
相馬さんの声が響き渡った。
「キャー超楽しみですー」
ファーストアルバムを引っさげてのツアーが始まる。
「レドモンは北海道からブラモン沖縄から」
そして東京で集結する。
「VOICEなんだけど、アルバムの日に同時発売することになった」
「えっ、それやりすぎ」
「相馬はいつだってやりすぎだろ」
西山さんがそう言うとみんな続々と納得しだした。
「レドモンジャケットとブルモンジャケットと二種類売り出す」
「相変わらず徹底してるね」
「アルバムのレコーディングとツアーの打ち合わせをスケジュールに組み込むから」
こんなに忙しい毎日だって疲れなんて吹き飛んでしまうほど毎日が充実してた。
チラッと空さんの方を見れば、誰にもバレないように眉毛をクイッと上げて口角が上がる。
そんな私だけの合図にこの上なく心臓が騒ぎ始める。
「お前さー、あんなニヤニヤしながらこっち見てたらバレるぞ」
「えっ、気を付けます」
「なーにそこコソコソ話してんねん」
「えっ?!?!?!」
突然後ろから龍の声がして、思いのほか大きな声が出てしまった。
「なになに」
そんなやりとりに陸まで気付きだして慌てて必死に誤魔化した。
「いや、この後みんなでご飯食べに行きたいなーと」
「えーいいじゃん、行こう行こう」
「どっかあるかな、お店調べてみるね」
幸翔さんが電話をしてくれて、ふぅっと一息ついてると
「なんか企んでるやろ」
龍は鋭いようで全然的外れだ。
「何を企むことがあるのよ……」
「俺らの行きつけのところ今日空いてるって、何人かな」
そう言うと西山さんが「俺らダメだ、仕事だ」とバツサインを出した。
「じゃあ六人だね、予約するね」
「怪しいなー」
「なにが」
「この前一緒に買った宝くじ、当たったんちゃう?」
「はぁ?! 当たってないよ、あれは外れたって話したじゃん」
「ほんまか? 最近なんか嬉しそうやねんな、怪しいな」
「あれ? 龍はどうだったの?」
「俺は三千円しか当たってないわ」
「え? みなさーん! 龍が今日奢ってくれるみたいでーす」
「いやっ、おまっ、三千円やで? 宝くじ買った分しか当たってないわ、儲けないねんで?」
「じゃあ龍くんにご馳走になろうか」
「ちょっ、楓雅さんまでやめてくださいよ」
「龍ちゃん、ごちです」
「こういう時ばっか龍ちゃん呼びやめろや」
結局はレドモンの三人が年上ってことで全額出してくれた。