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「それでは映画「赤と黒」の制作記者会見を開始いたします。まずは監督から挨拶をお願いします」

「はい、えー、この度は映画「赤と黒」を制作することになりました。この映画は一世を風靡した赤と黒のモンスターバンドをモチーフに制作します」

「知らない人はいないあのモンスターバンド、レッドモンスターとブラックモンスターの音楽がまた作中で聴けるというとこですね、とても楽しみです」

「はい、ステージパフォーマンスも忠実に再現し、東京ドームで貸切撮影も行います」

「楽しみですねー、そしてこの映画ではなんと、本物のFugaさん、Ryuさんも参加されるとか」

「はい、Fugaさんには主題歌を担当、篠田龍さんには俳優として出演してもらいます」

「まさに時代を超えて最強タッグ再集結、という感じですね」




「龍、お疲れ様」
「あ、楓雅さんお疲れ様です」
「ご飯でも食べに行かない? 奢るから」
「マジっすか? あざーっす」


いつからだろう、龍くんのことを龍と呼ぶようになったのは。


 同じ業界にいるのになかなか会う機会がなくて、久しぶりに会うとまたあの頃の感覚が甦ってきて、弟みたいに可愛がりたくなる。

「いやーまた楓雅さんと一緒に仕事が出来て嬉しいっすよ」
「僕も嬉しいよ、別々のジャンルだけどこうやってまた一緒に出来るっていいね」