「相馬尚久……誰ですか?」

「はぁーもうそんな時代になったのかよ……相馬尚久を知らない世代が出てくるとはな……レドモン、ブラモンて知ってる?」

「は? 知ってるに決まってるじゃないですかあんな伝説のバンド……まぁリアルタイムは知らないですけどね」

「それを生み出したのがその相馬尚久って人なんだよ」

「へー、凄い人なんですね、で今は辞めちゃったんですか?」

「あぁ、ある日突然辞めた」

「なんでですか?」

「さぁ、それは知らない」

「てかブラモンて篠田龍がいた方ですよね?」

「そう、篠田龍なんて今の若い子からしたらイケメン俳優のイメージが強いかな……ベーシストだったんだよ」

「RikuってのとMashiroってのはどこいったんですか?」

「分からない、ある日解散して二人共一切表舞台には出ない、篠田龍にその事を聞くのはご法度。それが業界内の暗黙のルールなんだよ」

「へー、謎めいてますね、まーそんなことろが伝説のバンドって感じしますけどね」

「Mashiroは死んだって噂もあるし、アメリカで見かけたって情報もある。実際どうなんだろうな、歌、上手かったよな」

「一度生で聴いてみたかったなー」

「さぁ、仕事だ仕事だ、新しくデビューするバンドの取材だ」

「あ、はい」