「お疲れ様でした」
「よかったよ」
「感動しましたー。最高ですー。あたし一生皆さんについていきますー」
「じゃあ明日もまだあるから」
すぐにシャワールームに駆け込み汗を流した。ボロボロ泣いたからメイクもぐちゃぐちゃだ。
ひどい顔、汗を流し、軽くメイクを直して出たら突然話しかけられた。
「なぁ」
「なに、びっくりした、陸どうしたの?」
出たところに陸が待っていた。
「あれどういうつもり?」
「あれ?」
私、どこかミスしたっけ? 多分ミスなく出来たはず……だけど……
「ごめん、どこか間違えてた?音程外れてた?」
「ちげーよ」
少し強くそう言ったあと、少し弱まった声。
「雑誌」
「あぁ……」
陸にも見られちゃったのか……
「ああいうの、やらなきゃダメなわけ?」
「いや……」
「それともなに? ああいうのがやりたかったわけ?」
珍しい、陸がこんなに強い口調になるのは。
「違う……」
きっとグループのイメージと違うからだ。音楽で認められたいのにこんな女の武器みたいなの使った仕事をしたのを怒ってるんだ。
「ごめんなさい」
「やらないで、ああいうの」
こんなに陸がハッキリと私のやることを否定したのは多分初めてだ。
「分かった」
「俺らはミュージシャンだよ。ましろ歌以外別にやりたいわけじゃないいよね? ましろがやりたくないことやらなくてもいいくらい売れるから、絶対に」
「……うん、ごめん」
「謝るな、俺のワガママでこんなこと言ってるだけだから」
東京ドーム二daysが無事幕を閉じた。
「おつかれー!」
「やっと飲めるー」
打ち上げには沢山のスタッフさんもいて、改めてこんなに沢山の方が携わってくれたんだなって思ったらまた……少し……
「お、まーた泣いてんのか」
なんて龍に少しからかわれた。
「いや、泣いてない」
私はいつまでもずっとここのみんなで頑張っていきたいよ。
誰一人として欠けたら意味が無いんだよ。
「あの」
トイレに行こうと席を立ったら話しかけられたのは……
確か、この人、デビュー前の挨拶回りの時に挨拶した……
「立石さん」
「覚えててくれて嬉しいよ」
「あ、いえ、今日足を運んでいただいたんですね、ありがとうございます」
確か広告代理店のお偉いさん、て言ってた。
「ううん、よかったよ、ライブ」
「ありがとうございます」
「でもちょっとレドモンに遅れをとってるよね」
そう言う隣の人に視線を移した。
この方は……誰だろう……
「あはは、まぁそうは言わず、頑張ってるんだからこちらも」
「あ、そうですね、でも……Ryuくん? の写真、売られちゃったねー」
「え、写真てなんですか?」
心臓がギュンと強く潰されたようにドクドクと波打つ。
「あ、知らなかった? ベッド写真、注意しなきゃなね、女なんて信用したらダメだよ、あ、私こういうもんですけど」
渡された名刺に目を落とした。
……記者?
「その写真て……」
「あぁ、あるよ、これ」
見ると龍がベッドで寝てる写真、肩から下は布団が掛かってるけど肩の部分で裸なんだってわかる。
ドクドクドクと心臓はスピードが増してく。
「あー、これは……確かMashiroさんも撮られてたよね? Rikuくんと。まずいなー、ただでさえその事で業界内の印象悪いのに……その上Ryuくんもか……これ事務所は止めるのかな?」
「どうでしょう? 止めるにしたら多大な額ですし、止めなかったらブラモンは終わりか……」
「えぇ……どうにかならないんですか? 困ります」
「うーん、そう言われてもねー、この写真君止められる?」
「うーん、そうですねー」
「頼むよ」
「立石さんからのお願いなら今回だけは……仕方ないですね、特大スクープだったんですけど」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
「でもタダって訳にもね……」
「……え」
私はね、みんなと一緒に歌っていたかった。そして恩返しがしたかったんだよ。
私の望みはそれだけ。
それが叶うのなら、どんな犠牲を払っても構わない。
そう思ってたんだ。
「よかったよ」
「感動しましたー。最高ですー。あたし一生皆さんについていきますー」
「じゃあ明日もまだあるから」
すぐにシャワールームに駆け込み汗を流した。ボロボロ泣いたからメイクもぐちゃぐちゃだ。
ひどい顔、汗を流し、軽くメイクを直して出たら突然話しかけられた。
「なぁ」
「なに、びっくりした、陸どうしたの?」
出たところに陸が待っていた。
「あれどういうつもり?」
「あれ?」
私、どこかミスしたっけ? 多分ミスなく出来たはず……だけど……
「ごめん、どこか間違えてた?音程外れてた?」
「ちげーよ」
少し強くそう言ったあと、少し弱まった声。
「雑誌」
「あぁ……」
陸にも見られちゃったのか……
「ああいうの、やらなきゃダメなわけ?」
「いや……」
「それともなに? ああいうのがやりたかったわけ?」
珍しい、陸がこんなに強い口調になるのは。
「違う……」
きっとグループのイメージと違うからだ。音楽で認められたいのにこんな女の武器みたいなの使った仕事をしたのを怒ってるんだ。
「ごめんなさい」
「やらないで、ああいうの」
こんなに陸がハッキリと私のやることを否定したのは多分初めてだ。
「分かった」
「俺らはミュージシャンだよ。ましろ歌以外別にやりたいわけじゃないいよね? ましろがやりたくないことやらなくてもいいくらい売れるから、絶対に」
「……うん、ごめん」
「謝るな、俺のワガママでこんなこと言ってるだけだから」
東京ドーム二daysが無事幕を閉じた。
「おつかれー!」
「やっと飲めるー」
打ち上げには沢山のスタッフさんもいて、改めてこんなに沢山の方が携わってくれたんだなって思ったらまた……少し……
「お、まーた泣いてんのか」
なんて龍に少しからかわれた。
「いや、泣いてない」
私はいつまでもずっとここのみんなで頑張っていきたいよ。
誰一人として欠けたら意味が無いんだよ。
「あの」
トイレに行こうと席を立ったら話しかけられたのは……
確か、この人、デビュー前の挨拶回りの時に挨拶した……
「立石さん」
「覚えててくれて嬉しいよ」
「あ、いえ、今日足を運んでいただいたんですね、ありがとうございます」
確か広告代理店のお偉いさん、て言ってた。
「ううん、よかったよ、ライブ」
「ありがとうございます」
「でもちょっとレドモンに遅れをとってるよね」
そう言う隣の人に視線を移した。
この方は……誰だろう……
「あはは、まぁそうは言わず、頑張ってるんだからこちらも」
「あ、そうですね、でも……Ryuくん? の写真、売られちゃったねー」
「え、写真てなんですか?」
心臓がギュンと強く潰されたようにドクドクと波打つ。
「あ、知らなかった? ベッド写真、注意しなきゃなね、女なんて信用したらダメだよ、あ、私こういうもんですけど」
渡された名刺に目を落とした。
……記者?
「その写真て……」
「あぁ、あるよ、これ」
見ると龍がベッドで寝てる写真、肩から下は布団が掛かってるけど肩の部分で裸なんだってわかる。
ドクドクドクと心臓はスピードが増してく。
「あー、これは……確かMashiroさんも撮られてたよね? Rikuくんと。まずいなー、ただでさえその事で業界内の印象悪いのに……その上Ryuくんもか……これ事務所は止めるのかな?」
「どうでしょう? 止めるにしたら多大な額ですし、止めなかったらブラモンは終わりか……」
「えぇ……どうにかならないんですか? 困ります」
「うーん、そう言われてもねー、この写真君止められる?」
「うーん、そうですねー」
「頼むよ」
「立石さんからのお願いなら今回だけは……仕方ないですね、特大スクープだったんですけど」
「ありがとうございます、ありがとうございます」
「でもタダって訳にもね……」
「……え」
私はね、みんなと一緒に歌っていたかった。そして恩返しがしたかったんだよ。
私の望みはそれだけ。
それが叶うのなら、どんな犠牲を払っても構わない。
そう思ってたんだ。