一ヶ月はあっという間に過ぎて単独ライブの日が来た。

「ふぅ、ちょっと緊張するな」
「あははっ、なんで西山さんが緊張してるんですか」
「俺も……なんかめっちゃ緊張してきたわ。上手く……喋れるかな」
「そっちの心配かいっ」

 みんながみんないつも通りで安心した。

「頑張ろう」
「よっしゃ、ほんなら手出して」

 三人の手が重なる。

「ちょっと、西山さんも」
「え? 俺? メンバーじゃねーし」
「西山さんは四人目のメンバーですよ、ほら、早く手出して」


 四人の手が重なった。



「よっしゃいくで」

「おーーー」


 浴びるスポットライトは希望の光に似ている。

 このライトは目の前にいるこのたくさんの人が私達に向けてくれるライトで


「ギャーーーーーーーーーーーーー」




 ボルテージは最高潮。



 三人のシルエットが浮かぶと、見えるよ、ステージの電気が消え客席の電気だけ点くと、驚くほど見えるんだよ。

 みんなの顔がはっきりと。

 期待に満ち溢れてる顔、まだ始まってもないのにもう涙で顔がぐちゃぐちゃになってる人もいる。

「こんばんはーブラックモンスターでーす」


 開幕だ。