君のお気に入りのシャツが見当たらないんだ
それを着てどこかに出かけたのかな
それが限りあるものだったらいいな
夜になったら戻ってくるようなそんな限りが
あったらいいのにな



だけど俺は本当は気付いていたんだ
君はもう帰っては来ないことをね
あの秋、大好きだった君の横顔




こんな歳になってもまだ
愛ってもんがなんなのかイマイチ掴めなくて
隣にいてくれた君に少しでも与えられてたんだろうかってそれが少し気がかりだよ





君がソファーで膝を立てて足にネイルを塗る姿がなにげに好きだったんだよ
ふぅと最後に息を吹きかけて乾くのを待つ瞬間に
北風がぴゅうと冷気を運んで、寒いだなんて言ってたけどね




だけど俺は本当は気付いていたんだ
君がわざと俺の前で塗ってたことを
あの冬、大好きだった君の横顔





こんな歳になってもまだ
愛ってもんがなんなのかイマイチ掴めなくて
隣にいてくれた君に少しでも与えられてたんだろうかってそれが少し気がかりだよ