「李莉さん、あなたあと一年しかありませんよ」

「……え?」


突然告げられた。この人は寿命を測る専門士の佐川さんだ。

この世界では寿命を測ることができる。そして、あげることももらうこともできるのだ。お金が欲しい人はそれを売り、お金持ちになるケースが多い。

ちなみに寿命を買った人は、病気の人に分けるもよし、自分の寿命を増やすのもよし。


もう話を聞いてわかったと思うが、私は寿命を売っている。

元気な人であればあるほど、その寿命は高価なものだ。


両親は他界。中学一年生である私は、祖父母に引き取ってもらうこともなく突然弟4人との生活を強いられた。


私の寿命は94年。結構長生きだと思う。なので、特に気にすることなく寿命4年売った。

しばらくの生活費はそれで養っていた。もちろん、兄弟たちに寿命を売っただなんて言うことはなく。


一番下の弟は3歳……お世話が大変だった。

お金もかかるし、長男にもたくさん頼った。


私の寿命は結構高価なものだったので、1年の値段はとてもよいものだったにも関わらず、高校2年生という若さで残り1年となってしまったのは、おそらく親の抱えていた借金のせいだろう。


飲食業を営んでいた両親には借金があった。


でも……今はそれも全て返しきって、全ていいと思ったのに……期間は1年?

弟たちの世話だってあるのに、と考えると……頭がぐるぐるしてきた。