三.誰かのための仕事

「れなっちゃん!れなっちゃん!おはよう!」

「んぅ?」

「れなっちゃん!れなっちゃん!おはよう!れなっちゃーん!れなっッ」

目覚まし時計を止め体を伸ばす、昨日はどうやらそのまま机で眠ってしまったようだ。

「今は、8時!?やばい、やばい、遅刻するー!!」

昨日、目覚ましをセットした時に今日のことを土曜日だと思っていたらしい。8時に目覚ましを設定していた。

「今日は商品紹介あるのに昨日の私何してんだよー」

テキパキと手を動かしながら昨日の自分に向かって決して届くことのない言葉を口にする。

「私のバカ―!昨日部長がプレゼンあるって言ってただろーー!」

今ツッコミを入れてももう遅い。

「朝ごはんは昼と兼用でいいや、行くときにサラダとおにぎりを買おう。
お弁当は作りたいけど時間がない!」

「行ってきます!」

誰も居ない家に向かって「いってきます」といい小走りで駅に向かう。

「いらっしゃいませー!」

コンビニに着くとおにぎりとサラダをもってレジに行く。

「これください!」

「わかりました。650円です。フォークなどはどうしますか?」

「お願いします!レジ袋もお願いします。」

「かしこまりました。」

店員さんが素早くレジ袋におにぎりとサラダを詰めていく。

「どうぞ。ありがとうございました。」

「ありがとうございます。」

素早くお礼を言い、持ってきていた保冷バッグに袋ごとおにぎりとサラダを入れる。

ICカードを片手に持ち改札を通過し来た電車に乗る。

【次は~〇〇~○○~】

会社がある駅で降りるとホームは割と空いていて思っていたよりも早く会社に着くことが出来た。




「おはようございます。」

会社に着く商品開発部にはたくさんの人が来ていた。

「虹岡さん!いつもより遅いから心配したよ。」

同期の近藤くんが私に話しかけてくる。

「近藤くん!おはよう!ちょっと少し遅く起きちゃって」

「そういうことか~、事故とかに会っていなくって良かった。」

「心配をかけてごめんね、」

「大丈夫だよ!俺が心配しすぎちゃっただけだし、それに起きる時間がずれることは誰にもあるよ。
虹岡さんこれから商品紹介の準備があるでしょ?安西さんが体調良くなったらしくて一緒にできるって。」

「本当!教えてくれてありがとう!」

「商品紹介頑張って!じゃあ、俺は席に戻るね~」

「うん!」

「虹岡さん。今日の商品紹介私も一緒にすることになったの。本当なら私も一緒に準備したかったけど一緒にできなくてごめんね。
資料の準備は出来ているかしら?」

「はい、出来ています。先輩がある程度資料の形を作ってくれていたおかげで準備をするのがとても楽しかったです。」

「あら、それはよかった。打合せしましょう。」

「はい!」

商品紹介が終わり、

パチパチパチと部屋に響く拍手

段々と音が小さくなっていくと部長が口を開いた。

「今日の発表もよかった。次は近藤と林道だ。忘れずに資料を作成するように。」

部長からの連絡の後朝礼は終わり、皆机に向かい仕事を始める。