透流さんと無事に仲直りをすることができたその夜、昔の夢を見た。

 中学校の音楽室で、私は合唱部のメンバーと一緒に歌っている。

 コンクールに向けて厳しい練習を共に乗り越えてきた仲間たち。

 ようやく手にした全国合唱コンクールの出場権に、皆意気揚々としていた。


『俺と付き合ってほしい』

『ごめん……私は、』



 そのやりとりが地獄の始まりだった。