「じゃあこれ、音取れたら教えて。録音するから。できれば一週間くらいで」
そう言ってコピーした楽譜を渡すと沢里は思い切り首を傾げた。
「リンカは歌わないのか?」
「もちろん歌うよ。でも録音は別々でして、後から編集ソフトで合成するの」
柾輝くんともそうやってきたのでなにも疑問に思ったことはない。
しかし沢里は途端にむむっと口をへの字に歪ませてしまう。
「一緒に歌……」
「わない」
「ううー!」
典型的な顔文字のような顔で悔しさをアピールしているが、私も私でそこを譲るつもりはない。
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