「よお! 久しぶりだなハル!!」

「ね、ねーちゃん……」

「姉ちゃん!?」

 よく見るとsawaさんそっくりな彫りの深い顔立ちをしている。

 私の叫びに沢里のお姉さんはこちらを見て笑みを深めた。

「【linK】!!」

「はいっ」

「Good job!! いいステージだったよ!」

「ありがとうございます!」

 お姉さんの勢いにつられて垂直にお辞儀をすると、ぐしゃぐしゃと頭を撫でられる。

 片方の手で沢里の首を締め上げているお姉さんは性格もとてもお父さん似のようだ。

「いつ日本に戻ってきたんだよ!」

「昨日! お前のライブを観に来たに決まってンだろ!」

「わざわざ海渡って来んなよ! ネットがあるだろネットが! いてててて!」

 ぐりぐりとこめかみをやられている沢里を沢里のお母さんと一緒に見守る。

「うちのお姉ちゃんはアメリカでダンスをやってるのよ」

「ダンサーさんですか!」

 どうりでしなやかな筋肉を持っている。沢里家の才能が眩しい。