元から【linK】のフォロワーだったらしい彼女たちは、今後も応援してくれるとのことだ。

 最後は笑って見送った。

 お互い歌い続ける限り、またどこかで会うことになるかもしれない。

 ぼんやりと遠くなる背中を見ていて、彼女たちと並んで歩いた中学時代を思い出す。

 毎日毎日飽きることなく朝練、昼練、午後練で顔を合わせ、声を合わせた。

 当たり前のように歌って、勝利を目指した。

 顧問の厳しい指導に耐え、完璧を追い求めて、不揃いな声を持つメンバーが弾かれてもなにも言わなかった。

 そういう世界だった。

 底の見えない崖にピンと張られた糸の上を、私たちは整列して歩いていた。

 そしてその結果、私は風に負けて落下した。

 もう思い出しても苦しくならない。

 あの頃の私たちは幼くて一所懸命だった。

 ただそれだけ。

「頑張ったな」

 そう沢里に言われて、私の目からひとつ涙が零れた。

 あの頃のことで泣くのはこれで最後だから、見逃してほしい。