「おい このガキどうするか?」
男が言った
「そうだねぇ 母親は殺したし刹那家の一人息子だし 誘拐しようか」
女が言った
その時僕は“力”を使った。
カシャ
すると僕の腕を縛っていた鎖が落ちた。
そのとたん、
パァァァァァン
「くはっ」
男が意識を失った。
「ねえお姉さん。この男の人とお姉さんの名前教えて?」
…僕は拳銃を持ってたずねた。
「ひっ… 私の名前は…栢野羽月です。 こいつは、九久利ですっ」
「そう。ありがと。 で、どうする?“栢野さん”。 九さんみたいに気絶させる?」
「そ れ と も 警察にそこの九さんつれて自主する?」
「でも君は?その、拳銃持ってるけど捕まらない?」
「あぁ、僕は大丈夫。なんたって15分で消えるからね。栢野さんは?」
「自主します」
「あ、拳銃のこと黙っておいてね。 あと刑務所から出て僕がいい年になったら」
『会いに行ってあげる』
僕は微笑みながらそう言った。
僕は高校2年生になった。
「さて、今日だね」
高校に入ってから調べた
『あの人』たちの居場所
栢野さんの方はわからなかったけど・・・
九さんの方はわかった。
九久利に会いに行く
約束通り。
まあ覚えてないだろうけど。
ー🔪ー
ピーンポーン
「電話で話した者ですが九久利さん、いますか?」
「どうぞ」
すんなり中に入れた。
セキュリティ大丈夫なのか…?
まあ『殺されても』じぶんのせいだよね。
「なんのようだ」
「んーー 僕を覚えてない?」
「しらん」
は?
さすがの僕でも堪忍袋の緒が切れたよっ!!
「へぇー!そうなんだっ!母親を殺して誘拐しようとした子を覚えてないんだ!!」
ひっ… こんなこと言うつもりなかったんだけどぉ!!
もうササっと殺そうか。
「ひょへっ! お前もしかして刹那家の一人息子…刹那…?」
「ピンポォーン。正解。母をおまえらに殺された皐月だよっ!!ってなわけで
死んでよ。」
「いやだっ!こっちに来るなっ!!」
こんな『ひょへっ!』なんてまぬけな声を出す人になんかに負けない。
僕には『異能』がある。
とりあえずなんでもいいから、見た物を15分間使える異能だ。
僕は小刀を数十本出した。
当たれば死ぬかもしれない。
それに武器は15分で消える。
時間との戦いだ。
僕は小刀を数本投げた。
九さんの視線がそっちに集中している間に 僕は走った。
九さんの後ろに回り心臓に小刀を刺した。
「さよなら」
何も感情のない声で僕は言った。
でも心の曇りが晴れた気がした。
次の日 学校に行くと
「刹那家 キタナイ」
「バーーカ」 「死ね」
などなど。
机にしっかり消せないようにマッキーペンで書いてある。
刹那家は刹那グループという
いろんなお店の経営者だ。
そして僕は大企業社長の息子っていうこと。
母が亡くなった後、父はグループのために再婚した。
それが学校の噂になって
僕はクラスで孤立した。
今思った。
「もう1人殺してしまった。 だからもう1人殺しても…」
早速僕はいじめっ子 弥津蜜柑を屋上に呼び出した。
ー🔪ー
「ねえ弥津さん、なんで僕をいじめるの?」
「そんなの教えないっ!」
「これでも?」
僕は異能で日本刀を取り出した。
「に、ニセモノでしょっ! あれ?どっからその日本刀を…?」
「本物だよ。ほら。」
またまた異能で取り出した藁の塊を
すぱっ
と切った。
「えっ…」
「質問に答えてよ。 なんでいじめたの?」
「それは…」
「答えろ。じゃなきゃ」
「死ね」
「羽月に、ボスに命令されたからぁっ」
羽月、栢野羽月…?
「ねぇ、その人の人間関係教えてよ。」
「えっと名前は栢野羽月、最近は刹那グループの社長
刹那慶哉って人と付き合ってるらし…」
刹那慶哉 父さん?
「うん。もういいや、ありがと。それと」
「さよなら」
「えっ…」
僕は弥津さんの首を日本刀で切った。
僕は弥津さんのポケットから出てきた地図をたよりに栢野さんの家へ向かっている。
栢野さんと弥津さん、相当仲が良かったらしい。
その時、
「ねぇねぇ お兄さん。私は神奈紫都。一緒にケンカしない?」
ケンカ…? 時間ないし断ろうかな
「ケンカかぁーー めんどくさいしなぁーー」
「そんなこと言わずに。ハンデあげるからぁ」
「えぇー…?」
「武器使っていいよ」
それならちゃっちゃと終わらせられそうだ!
「んー わかったよ」
「でも死んでも知らないからね?」
「じゃあ、いくよ!」
ー🔪?ー
そのとたんにけりが入ってきた。
僕はとっさに異能でスタンガンを出した
びりっ
「んっ」
ヤバい!?神奈さん電気効かない!?
勝ち目ない!?
ー後編に続くー