ー🔪ー

ピーンポーン
「電話で話した者ですが九久利(ここのつくり)さん、いますか?」
「どうぞ」
すんなり中に入れた。
セキュリティ大丈夫なのか…?
まあ『殺されても』じぶんのせいだよね。
「なんのようだ」
「んーー 僕を覚えてない?」
「しらん」
は?
さすがの僕でも堪忍袋の緒が切れたよっ!!
「へぇー!そうなんだっ!母親を殺して誘拐しようとした子を覚えてないんだ!!」
ひっ… こんなこと言うつもりなかったんだけどぉ!!
もうササっと殺そうか。
「ひょへっ! お前もしかして刹那(せつな)家の一人息子…刹那(せつな)…?」
「ピンポォーン。正解。母をおまえらに殺された皐月(さつき)だよっ!!ってなわけで 
 死んでよ。」
「いやだっ!こっちに来るなっ!!」
こんな『ひょへっ!』なんてまぬけな声を出す人になんかに負けない。
僕には『異能』がある。
とりあえずなんでもいいから、見た物を15分間使える異能だ。
僕は小刀を数十本出した。
当たれば死ぬかもしれない。
それに武器は15分で消える。
時間との戦いだ。
僕は小刀を数本投げた。
(ここのつ)さんの視線がそっちに集中している間に 僕は走った。
(ここのつ)さんの後ろに回り心臓に小刀を刺した。
「さよなら」
何も感情のない声で僕は言った。

でも心の曇りが晴れた気がした。