「おい このガキどうするか?」
男が言った
「そうだねぇ 母親は殺したし刹那(せつな)家の一人息子だし 誘拐しようか」
女が言った
その時僕は“力”を使った。

カシャ

すると僕の腕を縛っていた鎖が落ちた。
そのとたん、

パァァァァァン

「くはっ」
男が意識を失った。

「ねえお姉さん。この男の人とお姉さんの名前教えて?」
…僕は拳銃を持ってたずねた。
「ひっ… 私の名前は…栢野羽月(もものはづき)です。  こいつは、九久利(ここのつくり)ですっ」
「そう。ありがと。 で、どうする?“栢野(ももの)さん”。 (ここのつ)さんみたいに気絶させる?」
「そ れ と も 警察にそこの(ここのつ)さんつれて自主する?」
「でも君は?その、拳銃持ってるけど捕まらない?」
「あぁ、僕は大丈夫。なんたって15分で消えるからね。栢野(ももの)さんは?」
「自主します」
「あ、拳銃のこと黙っておいてね。 あと刑務所から出て僕がいい年になったら」

『会いに行ってあげる』

僕は微笑みながらそう言った。