冷酷な旦那様が恋に落ちたのは、離婚を申し出た花嫁でした。


旦那様の顔が近づき、くちびるに優しい口付けがかわされた。


その後のことはよく覚えていない。


散々旦那様に甘いことをされ、みだらな姿になったのはみんなには秘密。


幸せが胸いっぱいに広がって、最高の時間を過ごせた。



翌日の披露宴では旦那様を思ってめいいっぱい楽しく、舞を舞った。


恋の詩を歌ったのは人生でこれが初めて。


旦那様、どうかこれからもよろしくお願いいたします。


私は……あの日の離婚の申し出を、取り消し致します。



【終わり】