冷酷な旦那様が恋に落ちたのは、離婚を申し出た花嫁でした。


ドキンドキンと騒がしくなる心臓。


この想いを半年かけて育み続けた。披露宴まで旦那様を好きでいたら、伝えよう。


そう思っていた。


まさか私から離婚の申し出を取り消す日が来るなんて。



「……私は、最初からお前しかいなかった。明日の披露宴が終わっても私の隣を歩んでくれるのか?」


「は、い!もちろんです!」



旦那様のお返事に涙を流す。


こんな私を受け入れてくださった旦那様は、とてもお優しい殿方。


私の想い、届いて良かった。


私は涙を拭うと旦那様の方へ近寄り、その美しい頬へと口付けを交わす。


前に旦那様から言われていた約束をやっと果たすことができた。


やっと……心からそばにいたいと思える人に出会った。



「……きゃ!旦那様!?」


「雅、それはずるくないか?この先の覚悟ができているから、そんなことをしたのだろう?」



そんな私を、旦那様は突然押し倒す。


力強く、だけど優しく。