「まぁ、気にしてないなら良い。話を進めやすいな」
「…………」
何も言わない私をよそに旦那様は唐突に話を始めた。
旦那様の家系はオオカミの血を引くものが多いという。理由はよく分からないがその血を引くものは髪は金髪、目の色が水色。
それがまさに旦那様だった。
オオカミ男の血を引くものが生まれるのは数十年に1度。そのものは特別な能力と共にこの世界に産み落とされる。
特別な能力。それは、『超強運』と『予知夢能力』。どちらも戦場にいる軍事にとっては最高の能力だった。
このふたつの能力が合わさり、旦那様は今の地位を築いたという。
だけど、その見た目と能力が気に入らない旦那様のお義父さまは病気だと勘違いしているそう。
自分よりも優秀な息子が気に入らず、病気を直してもらおうと扇谷家に見合いを申し込んだとのこと。
それが私、扇谷雅だった。
その事に私のお父様も大喜びし、婚約が決定。



