……クロノアは、祭壇の上で目覚めた。そこは、薄暗い洞窟のような場所だ。
眠い目を擦りながら、クロノアは辺りを見回す。
(ん〜……ん? ここって……洞窟の中だよね)
洞窟内には、たいまつの明かりが点り数ヶ所に置かれている。それらは、辺りを微かに照らしていた。
(そういえば、なんでこんな所で寝てるの?)
そうクロノアは考えている。すると洞窟の隅の方に、誰かが居ることに気づいた。
そうそこにはゲームやアニメなどに登場するような、いかにも見た目が悪役そうな雰囲気のダークエルフの男性とデューマンの女性がいる。
その二人は、何かを話し揉めているようだ。
(これって夢?)
すると目覚めたことに気づきダークエルフの男性は、クロノアへと近づいてくる。
「目覚めたみたいだな。ん〜、でもな……ディアナ。本当に、コイツが救世主なのか?」
どうやらデューマンの女性はディアナと言うらしい。
「ハウベルト。そのはずだが、アタシにも分からん。なんで女なんだ?」
そう言いながらディアナも、クロノアに近づいてきた。
「えっと……状況がみえないんですけど??」
「ああ、すまない。召喚しておいて、放ったらかしにしてしまったようね。アタシは、召喚魔導師のディアナ。そして、コイツは魔法騎士のハウベルト」
「ダークエルフのイケメン魔法騎士ハウベルトとは、俺のことだ!」
そう言った瞬間、ディアナのドロップキックがハウベルトの後頭部を直撃する。そして、ハウベルトは失神した。
「はぁ……何を言ってるんだか。あっ、すまない。コイツはどうも美的センスがズレてる。そのためか、自分がイケてると勘違いしててね」
「そうなのね。……それより、召喚って?」
「ああ、話が逸れたわね。そう、アタシが召喚したの」
そう言いディアナは、ニコッと笑みを浮かべる。
「えっと、なんのためにですか?」
「そうねぇ。それは、アタシ達の国を救って欲しいからなんだけど」
ディアナはそう言うも、疑いの目でクロノアをみた。
「ん〜、やっぱりどうみても女なんだよなぁ。召喚魔法は、間違っていないはずなんだけど?」
ディアナはクロノアを覗き込んだ。
「国を救うって……私がですか?」
「本当にコイツに、国を救う力があるのか? どう考えても疑問だ!」
「えっと、私もそう思うんですが」
クロノアは、ふと自分が普段と違うことに気づく。
(あれ? 私の体、ゲームの姿で召喚されてる。周囲には、なんかコマンドとステータス画面的なものが……)
そう思いながら、ステータス画面を確認してみる。
(それにこれって、あのゲームのレベルとステータスのままだし……名前もクロノア・マリース・ノギアになってる)
そう思いながらクロノアは、辺りを見回したあとディアナへ視線を向けた。
(ここが異世界なのは、間違いない。でも、救世主ってどういう事?)
クロノアは不思議に思い色々と考える。
するとディアナは困った顔をし、どうしたらいいかと悩んでいた。
「ん〜長に、救世主を召喚して連れてくるようにって言われてるし」
ディアナが自問自答しているとハウベルトは、ドロップキックの失神から目覚め提案をする。
「ディアナは間違いなく、優れた召喚魔導師のはずだ。失敗するとも思えない」
ハウベルトはクロノアとディアナをみた。
「それなら、こう言うのはどうだ。この俺と勝負して勝ったなら認める。そうでなければ……そうだなぁ。ひんむくか? それとも殺すか? 奴隷にするか?」
「えぇぇえええー!?」
クロノアは思わず絶叫する。
「いい加減にしないか! お前が言うと、冗談に聞こえんのだぁぁあああー!!」
そう叫びながらディアナは、ハウベルトに目掛けて膝蹴りをした。
するとディアナの膝蹴りが鳩尾に入りハウベルトは、余りの痛さに地べたに蹲る。
「あはは……いっそお前が、救世主になった方がいいのではないのか?」
そう言われディアナは、ハウベルトの顔をみて溜息をついた。
「……こいつは、悪いヤツじゃないのだけど」
ディアナはそう言いながらクロノアの方を向いた。
「でも、そうね。ハウベルトが言うように、実力をみるのも手かもしれない。それに、アタシよりもハウベルトの方が戦闘に向いている」
(なんで、こんな話になってしまったの?)
「んー、俺でもいいが手加減はできない……大丈夫なのか?」
そう言いながら頭を二、三回かいた。
「本当に救世主ならば、お前でも敵わないはず」
クロノアは殆ど話に入れず、流れで勝負することになってしまい。
「あの〜、本当に戦うの?」
「ええ、その方が本当に強いかを早く見極められる」
そうディアナが言うとハウベルトは辺りを見渡す。
「ん〜、ディアナ。ここでは、少し狭くないか?」
(えっと、どうしよう。私はゲームの中なら、殆ど負け知らずだった。だけど、大丈夫なのかな?)
そう考えクロノアは、どうしようかと模索している。
(ゲーム感覚で、できるなら多分大丈夫だと思う。でもその前に、この対決って意味があるのかな?)
色々と考えているとディアナは、あることに気づきクロノアに聞いた。
「そう言えば、名前を聞いてなかったね」
(えっと……今更ですか……)
クロノアは呆た顔になりながら答える。
「えっと……私は、クロノア・マリース・ノギアです」
そう自己紹介すると、二人は目を丸くし驚いた。
「あ、えっと……。余りにも長い名前で、流石に呼ぶのに困る。なんて呼べばいい?」
ハウベルトは、汗をたらしながら困ったように言う。
「あっ! 名前なら、なんて呼んでくれても構わないよ」
「そもそもこの世界に、そこまで長い名前のヤツがいなかったからなぁ。……じゃ、クロノアでいいか。その方が呼び易いし」
そうディアナに言われクロノアは頷いた。
「いい加減、早く判断しなければ……次を召喚するにしても遅くなってしまう」
そう言いハウベルトは、こっちだと言うような仕草でクロノアに指示する。
そして三人は、洞窟の外へと向かったのだった。
眠い目を擦りながら、クロノアは辺りを見回す。
(ん〜……ん? ここって……洞窟の中だよね)
洞窟内には、たいまつの明かりが点り数ヶ所に置かれている。それらは、辺りを微かに照らしていた。
(そういえば、なんでこんな所で寝てるの?)
そうクロノアは考えている。すると洞窟の隅の方に、誰かが居ることに気づいた。
そうそこにはゲームやアニメなどに登場するような、いかにも見た目が悪役そうな雰囲気のダークエルフの男性とデューマンの女性がいる。
その二人は、何かを話し揉めているようだ。
(これって夢?)
すると目覚めたことに気づきダークエルフの男性は、クロノアへと近づいてくる。
「目覚めたみたいだな。ん〜、でもな……ディアナ。本当に、コイツが救世主なのか?」
どうやらデューマンの女性はディアナと言うらしい。
「ハウベルト。そのはずだが、アタシにも分からん。なんで女なんだ?」
そう言いながらディアナも、クロノアに近づいてきた。
「えっと……状況がみえないんですけど??」
「ああ、すまない。召喚しておいて、放ったらかしにしてしまったようね。アタシは、召喚魔導師のディアナ。そして、コイツは魔法騎士のハウベルト」
「ダークエルフのイケメン魔法騎士ハウベルトとは、俺のことだ!」
そう言った瞬間、ディアナのドロップキックがハウベルトの後頭部を直撃する。そして、ハウベルトは失神した。
「はぁ……何を言ってるんだか。あっ、すまない。コイツはどうも美的センスがズレてる。そのためか、自分がイケてると勘違いしててね」
「そうなのね。……それより、召喚って?」
「ああ、話が逸れたわね。そう、アタシが召喚したの」
そう言いディアナは、ニコッと笑みを浮かべる。
「えっと、なんのためにですか?」
「そうねぇ。それは、アタシ達の国を救って欲しいからなんだけど」
ディアナはそう言うも、疑いの目でクロノアをみた。
「ん〜、やっぱりどうみても女なんだよなぁ。召喚魔法は、間違っていないはずなんだけど?」
ディアナはクロノアを覗き込んだ。
「国を救うって……私がですか?」
「本当にコイツに、国を救う力があるのか? どう考えても疑問だ!」
「えっと、私もそう思うんですが」
クロノアは、ふと自分が普段と違うことに気づく。
(あれ? 私の体、ゲームの姿で召喚されてる。周囲には、なんかコマンドとステータス画面的なものが……)
そう思いながら、ステータス画面を確認してみる。
(それにこれって、あのゲームのレベルとステータスのままだし……名前もクロノア・マリース・ノギアになってる)
そう思いながらクロノアは、辺りを見回したあとディアナへ視線を向けた。
(ここが異世界なのは、間違いない。でも、救世主ってどういう事?)
クロノアは不思議に思い色々と考える。
するとディアナは困った顔をし、どうしたらいいかと悩んでいた。
「ん〜長に、救世主を召喚して連れてくるようにって言われてるし」
ディアナが自問自答しているとハウベルトは、ドロップキックの失神から目覚め提案をする。
「ディアナは間違いなく、優れた召喚魔導師のはずだ。失敗するとも思えない」
ハウベルトはクロノアとディアナをみた。
「それなら、こう言うのはどうだ。この俺と勝負して勝ったなら認める。そうでなければ……そうだなぁ。ひんむくか? それとも殺すか? 奴隷にするか?」
「えぇぇえええー!?」
クロノアは思わず絶叫する。
「いい加減にしないか! お前が言うと、冗談に聞こえんのだぁぁあああー!!」
そう叫びながらディアナは、ハウベルトに目掛けて膝蹴りをした。
するとディアナの膝蹴りが鳩尾に入りハウベルトは、余りの痛さに地べたに蹲る。
「あはは……いっそお前が、救世主になった方がいいのではないのか?」
そう言われディアナは、ハウベルトの顔をみて溜息をついた。
「……こいつは、悪いヤツじゃないのだけど」
ディアナはそう言いながらクロノアの方を向いた。
「でも、そうね。ハウベルトが言うように、実力をみるのも手かもしれない。それに、アタシよりもハウベルトの方が戦闘に向いている」
(なんで、こんな話になってしまったの?)
「んー、俺でもいいが手加減はできない……大丈夫なのか?」
そう言いながら頭を二、三回かいた。
「本当に救世主ならば、お前でも敵わないはず」
クロノアは殆ど話に入れず、流れで勝負することになってしまい。
「あの〜、本当に戦うの?」
「ええ、その方が本当に強いかを早く見極められる」
そうディアナが言うとハウベルトは辺りを見渡す。
「ん〜、ディアナ。ここでは、少し狭くないか?」
(えっと、どうしよう。私はゲームの中なら、殆ど負け知らずだった。だけど、大丈夫なのかな?)
そう考えクロノアは、どうしようかと模索している。
(ゲーム感覚で、できるなら多分大丈夫だと思う。でもその前に、この対決って意味があるのかな?)
色々と考えているとディアナは、あることに気づきクロノアに聞いた。
「そう言えば、名前を聞いてなかったね」
(えっと……今更ですか……)
クロノアは呆た顔になりながら答える。
「えっと……私は、クロノア・マリース・ノギアです」
そう自己紹介すると、二人は目を丸くし驚いた。
「あ、えっと……。余りにも長い名前で、流石に呼ぶのに困る。なんて呼べばいい?」
ハウベルトは、汗をたらしながら困ったように言う。
「あっ! 名前なら、なんて呼んでくれても構わないよ」
「そもそもこの世界に、そこまで長い名前のヤツがいなかったからなぁ。……じゃ、クロノアでいいか。その方が呼び易いし」
そうディアナに言われクロノアは頷いた。
「いい加減、早く判断しなければ……次を召喚するにしても遅くなってしまう」
そう言いハウベルトは、こっちだと言うような仕草でクロノアに指示する。
そして三人は、洞窟の外へと向かったのだった。