翌朝になり、アリスティアは空間魔法を使い自分の国へと戻った。

 アリスティアは城の門の前で門番に話しかける。

 「今、戻った。デスクラウン様に、会いたいのだが?」

 「これはアリスティア様、お帰りなさいませ。さぁ、どうぞ中へ。王がお待ちかねです」

 門番が門を開けると、アリスティアは中に入っていった。そして、デスクラウンの下へと向かう。

 アリスティアはデスクラウンが待つ書斎にくると、ハクリュウとクロノアのことを話した。

 「なるほどな。それならば、こちらも手を打たねばならん」

 「では、どんな手で迎えうちましょう?」

 すると奥の方から、一人の女性が歩み寄ってくる。

 「クスクス……それならばこちらも同じように、異世界から助っ人を召喚してみてはいかがでしょうか?」

 「これはシャナではないか。召喚か……それもいいかもしれない。デスクラウン様は、どう思われますか?」

 「ぐっわははは、それは名案かもしれん。そうなるとシャナ。お前は確か、召喚魔法が使えたな?」

 「はい、勿論使えます」

 シャナはそう言い頷いた。

 「ただ異世界の者を召喚する魔法を覚えていても、まだ使ったことはありません。ですがこの任務、私にお申し付け下さい!」

 「うむ、よかろう。だが失敗は許されん、分かっておるな?」

 「ありがたき幸せ。デスクラウン様のためであれば、必ず成功させてみせます!」

 そう言いシャナは、ニコッと微笑む。

 「召喚の祭壇が、ある場所は分かるか?」

 「アリスティア、確か遺跡の方に召喚できる祭壇があったと思いましたが?」

 「確かにあったが……シャナ。私も同行しようか?」

 そうアリスティアに聞かれて、シャナは首を横に振った。

 「いいえ、大丈夫です。あそこは魔物の数が少ないはずですので」

 「うむ、確かにそうだな。ではアリスティアは、今後のために休養をとり……その間に策を練れ。シャナは、遺跡の祭壇にて異世界人を召喚してこい。以上だ!!」

 デスクラウンはそう言うと奥に入っていく。

 アリスティアとシャナは、それを確認すると再び話し始める。

 「シャナ……くれぐれも、無理だと思ったら戻れいいな!!」

 「勿論です。でも、ご心配にはおよびません。この私が、万が一でも失敗することなど……あり得ませんので」

 そう言うとシャナは微笑んだ。

 「それはそうとアリスティアは、長旅でお疲れのご様子では?」

 「確かに、そうだな。それでは、お言葉に甘えるとするか」

 アリスティアは、城内にある自分の部屋に向かった。

 そしてその後シャナは旅の支度を整えると翌朝、遺跡の祭壇へと向かい旅立つ。


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 それから数日後、シャナは遺跡の祭壇に到着し召喚魔法を唱える準備を始めたのだった。