ローザがゆっくりと入ってくる。
その表情には、もう副会長の笑顔はなかった。
「もう、いいのね」
その言葉に、誰も返さなかった。
ローザはキャサリンの前まで歩き、淡々と語り出す。
「あなたが私をどう見ていたか、ずっと分かってた。最初は憧れだったの。でもね、あなたは私を道具としてしか見なかった」
キャサリンがかすれた声で言う。
「ローザ……そんなつもりじゃ……」
「ううん、いいの。そんなつもりじゃなかったなら、なおさらタチが悪い。だって、あなたは無意識に私を見下してたんだから」
ローザの目に、一瞬だけ涙が浮かぶ。
「アルテミスさんが入学してきた時に、あなたは言ったの。『このままじゃ、私の座が危ういかも』って。だから私は、あなたのために動いて敵を潰そうとした。でも、だんだん気づいたのよ。あなたを守っても、私は一生、あなたの影だって」
彼女は震える指で、自分の名札を外す。
「だったら、あなたとアルテミスさんを同時に堕とす。そうすれば、私はあなたを超えられるって思ったの」
リベルタが冷静に言う。
「それがあなたの恐れ。愛情の裏返しであり、嫉妬でもあった。女王を愛していた従者が、ついに牙を剥いた」
ローザはゆっくりと立ち上がり、アルテミスに向き直る。
「ごめんなさい……あなたは、ただ巻き込まれただけ……。でも……私にはどうしても必要だったの……。誰かの上に立つ自分が」
アルテミスは黙って彼女を見つめていたが、やがて静かに言った。
「私たちは、誰かの期待や役割に縛られてる。でも、それを壊すのは、誰かを陥れることじゃない。自分自身を許すことよ」
ローザは微笑んだ。
「それができたら、私はこんなことしなかったかもしれないわね」
警告音とともに、学園の風紀委員が室内に入ってきた。
ローザが彼らに連れて行かれると、キャサリンはその場に崩れ落ちる。
アルテミスとリベルタが退室する際、セレネがキャサリンの前に立つ。
「あなたの女王は終わった。でも、あなた自身は、ここから始まるのよ」
その言葉に、キャサリンの頬を一筋の涙が流れた。
その表情には、もう副会長の笑顔はなかった。
「もう、いいのね」
その言葉に、誰も返さなかった。
ローザはキャサリンの前まで歩き、淡々と語り出す。
「あなたが私をどう見ていたか、ずっと分かってた。最初は憧れだったの。でもね、あなたは私を道具としてしか見なかった」
キャサリンがかすれた声で言う。
「ローザ……そんなつもりじゃ……」
「ううん、いいの。そんなつもりじゃなかったなら、なおさらタチが悪い。だって、あなたは無意識に私を見下してたんだから」
ローザの目に、一瞬だけ涙が浮かぶ。
「アルテミスさんが入学してきた時に、あなたは言ったの。『このままじゃ、私の座が危ういかも』って。だから私は、あなたのために動いて敵を潰そうとした。でも、だんだん気づいたのよ。あなたを守っても、私は一生、あなたの影だって」
彼女は震える指で、自分の名札を外す。
「だったら、あなたとアルテミスさんを同時に堕とす。そうすれば、私はあなたを超えられるって思ったの」
リベルタが冷静に言う。
「それがあなたの恐れ。愛情の裏返しであり、嫉妬でもあった。女王を愛していた従者が、ついに牙を剥いた」
ローザはゆっくりと立ち上がり、アルテミスに向き直る。
「ごめんなさい……あなたは、ただ巻き込まれただけ……。でも……私にはどうしても必要だったの……。誰かの上に立つ自分が」
アルテミスは黙って彼女を見つめていたが、やがて静かに言った。
「私たちは、誰かの期待や役割に縛られてる。でも、それを壊すのは、誰かを陥れることじゃない。自分自身を許すことよ」
ローザは微笑んだ。
「それができたら、私はこんなことしなかったかもしれないわね」
警告音とともに、学園の風紀委員が室内に入ってきた。
ローザが彼らに連れて行かれると、キャサリンはその場に崩れ落ちる。
アルテミスとリベルタが退室する際、セレネがキャサリンの前に立つ。
「あなたの女王は終わった。でも、あなた自身は、ここから始まるのよ」
その言葉に、キャサリンの頬を一筋の涙が流れた。


