静那ちゃんの話だと、私はあの時歩道に乗り上げた車に撥ねられて三日間意識不明の状態だったらしい。両親も毎日病院に来ていて、私が目を覚ましたときはたまたま席を外していたみたいだった。
どうやら私以外に怪我人はおらず、運転手も私を撥ねた後電柱にぶつかって停止したらしく、命に別条はないらしい。
とりあえずは良かったと、ほっと胸を撫でおろす。
私が目を覚ましてから一週間後、リハビリが始まった。正直上手くいかないし、投げ出したかったけど何か一つでも出来ると、親も静那ちゃんも喜んでくれたのでもう少し頑張るかという気になれた。
そして、事故から一か月半。退院の日がやってきた。
「千夏、退院おめでとう!」
受付で両親と退院の手続きをしていると、大きな花束を持った静那ちゃんが入ってきた。
「ありがとう、静那ちゃん」
静那ちゃんから花束を受け取るといい香りが鼻をついた。
「他に欲しいものある?」
今日はお祝いだからなんでも買ってあげる! と意気込む静那ちゃんに私は「えー、もう充分だよー」と返す。
外に出ると暑いながらも穏やかな風が吹いて心地が良かった。なんとなく、初めて先輩と屋上に出た日のことを思い出した。
「飴……」
私はポツリと呟いた。
「飴?」
「うん、何だかパインアメが食べたいな」
私は青空を仰いで静那ちゃんにそう言った。きっと、あの日と同じすっきりとした気分になるに違いない。
どうやら私以外に怪我人はおらず、運転手も私を撥ねた後電柱にぶつかって停止したらしく、命に別条はないらしい。
とりあえずは良かったと、ほっと胸を撫でおろす。
私が目を覚ましてから一週間後、リハビリが始まった。正直上手くいかないし、投げ出したかったけど何か一つでも出来ると、親も静那ちゃんも喜んでくれたのでもう少し頑張るかという気になれた。
そして、事故から一か月半。退院の日がやってきた。
「千夏、退院おめでとう!」
受付で両親と退院の手続きをしていると、大きな花束を持った静那ちゃんが入ってきた。
「ありがとう、静那ちゃん」
静那ちゃんから花束を受け取るといい香りが鼻をついた。
「他に欲しいものある?」
今日はお祝いだからなんでも買ってあげる! と意気込む静那ちゃんに私は「えー、もう充分だよー」と返す。
外に出ると暑いながらも穏やかな風が吹いて心地が良かった。なんとなく、初めて先輩と屋上に出た日のことを思い出した。
「飴……」
私はポツリと呟いた。
「飴?」
「うん、何だかパインアメが食べたいな」
私は青空を仰いで静那ちゃんにそう言った。きっと、あの日と同じすっきりとした気分になるに違いない。