「大丈夫?」
『うん……食べれば元気……』
ウツボは上位の魔物であるタコを食らって回復するという荒技を使って戦い続けていた。
多分に魔力を含み、ウツボよりも格上なタコの体はウツボも吸収が早い。
『ぐぬぬ……』
モグモグとタコの足を食いながら起き上がる。
ウツボも自分を鍛えるために様々戦い、死線をくぐり抜けてきた。
これぐらいのダメージでは諦めない。
これでタコは三本の足を失った。
ようやく普通のタコ以下の足の本数になった。
「狙われたのが俺でよかったよ」
他の冒険者やルフォンだったらタコの一撃を食らったらヤバかった。
リュードを恨みに思っているのでリュードを狙ったのだろうけどこの中でも生身での耐久力が高いのがリュードだ。
リュードだからタコの一撃にも耐えることができた。
「いくぞ、ウツボ!」
『はい、アニキ!』
リュードも脅威だが、ウツボも脅威だとようやくタコは認識した。
「たこ焼きにしてやんよ!」
「私も忘れてないからね! 行くよー!」
ルフォンも魔人化をする。
タコのせいで過去にリュードに心配をかけることになってしまった。
リュードの思いを知ることができたり人工呼吸でキスしたりと多少の感謝もないこともないけど、やはり心配をかけてしまったことは許せはしない。
「落ちろ!」
リュードの体から魔力がほとばしる。
先ほどは邪魔されたけど、クラーケンにはやはり雷が有効だ。
タコの足にも負けないほど太い雷がタコに落ちる。
まともに雷を喰らって、ピンとタコの足が伸びてビクビクと震える。
眩みそうな閃光にリュードを敵に回さなくてよかったとウツボは思った。
リュードの魔法にタコのみならず冒険者も驚く中で、リュードとルフォンとラストが走り出す。
「私もやるもんねー!」
矢よりも効果がありそうだとラストも剣を抜いての参戦し、魔人化をして翼を広げる。
地面を蹴り翼を羽ばたかせて飛び、タコの頭を通り過ぎて最短距離で後ろに回り込む。
まだまだラストの技術は未熟でリュードのように剣に魔力を薄くまとうことはできない。
だけれどもラストも先祖返りで魔力量は多い。
無駄が多くて魔力の維持を長続きさせられないが、一撃叩き込むぐらいなら全く問題はない。
「くらえ! やあああっ!」
そしてそんなに無理もしない。
本当は根本からいきたいところだけど、かなり太いタコの足を根本からでは切り落とせるのか不安がある。
狙うは真ん中。
相手の足の能力を奪いつつも切り落とせそうな太さであるところを狙う。
「ああ、惜しい!」
狙いは悪くないとリュードは思った。
瞬間的な判断としては非常に上手いが、まだほんのちょっと実力が追いついていなかった。
タコの足を切り落としきれなかった。
けれどほとんど切ることができている。
「陸の上なら怖くない!」
リュードよりも早くタコに接近するルフォンは、痺れてピンと伸びたタコの足を斬りつけて輪切りにしながら根元に迫っていく。
「リューちゃんも攻撃したし、許さないんだから!」
太い根本はルフォンのナイフでは厳しいが高速で何度も切りつける。
回転が早く正確な狙いのナイフはあっという間に傷を深めていってタコの足は切り裂かれた。
「今度はこっちの番だからな」
リュードは一気にタコの懐に潜り込む。
水で体を拘束するなんて特殊な手段に一撃食らってしまった。
油断したのでもないけどタコにしてやられた。
やられたらやり返す。
ピクピクと震えるタコの足に向けて大きく剣を振り上げたリュードは、思い切りタコの足を切断する。
『ヤーッ!』
「コユキ、ニャロ、ウツボだ!」
「分かったにゃ!」
「ヤーッ!」
痺れが取れはじめ、鋭い痛みに怒りを覚えて、体の色がさらに赤く変化するタコ。
ここでリュードはある判断を下した。
思い切ってニャロとコユキの強化支援を、動き出したウツボに集中させた。
この中で一番力強いのはウツボである。
大きさ的にもタコに対して有効なのはウツボであろう。
残念ながらウツボの方が格下なので敵わなかったが、今のタコは何本も足を失って戦力ダウンしたので差は縮まっている。
さらに他の魔物にはあり得ない神聖力の強化支援まで受けたらどうなるか。
『力が溢れてくるぅー!』
ウツボはラストが切り損ねた足を噛んで引きちぎって投げ捨てるとタコの胴体にかじりつく。
タコはウツボを引き剥がそうとするが、強化支援を受けたウツボを引き剥がすには残りの足ではやや力負けしている。
『ウゥッ!』
「ウツボ! クソッ……これ以上やらせるか!」
力では引き剥がせないと思ったタコは魔法を使った。
吸盤から水の槍を生み出してウツボの体を突き刺す。
ウツボにだけ負担はかけられない。
激しくのたうち回るように戦うタコとウツボの戦いの隙を狙ってリュードは足を切りつける。
『ウオオオオオオッ!』
絡みつき、噛みつき、食いちぎる。
ウツボは体をタコに巻きつけてひたすらにタコに噛みついて、タコは必死に抵抗して引き剥がそうとする。
魔法で傷つきウツボの体もぼろぼろになるが、決してタコを離さない。
激しい揉み合いに中々割り入る隙も見つけにくい。
『うん……食べれば元気……』
ウツボは上位の魔物であるタコを食らって回復するという荒技を使って戦い続けていた。
多分に魔力を含み、ウツボよりも格上なタコの体はウツボも吸収が早い。
『ぐぬぬ……』
モグモグとタコの足を食いながら起き上がる。
ウツボも自分を鍛えるために様々戦い、死線をくぐり抜けてきた。
これぐらいのダメージでは諦めない。
これでタコは三本の足を失った。
ようやく普通のタコ以下の足の本数になった。
「狙われたのが俺でよかったよ」
他の冒険者やルフォンだったらタコの一撃を食らったらヤバかった。
リュードを恨みに思っているのでリュードを狙ったのだろうけどこの中でも生身での耐久力が高いのがリュードだ。
リュードだからタコの一撃にも耐えることができた。
「いくぞ、ウツボ!」
『はい、アニキ!』
リュードも脅威だが、ウツボも脅威だとようやくタコは認識した。
「たこ焼きにしてやんよ!」
「私も忘れてないからね! 行くよー!」
ルフォンも魔人化をする。
タコのせいで過去にリュードに心配をかけることになってしまった。
リュードの思いを知ることができたり人工呼吸でキスしたりと多少の感謝もないこともないけど、やはり心配をかけてしまったことは許せはしない。
「落ちろ!」
リュードの体から魔力がほとばしる。
先ほどは邪魔されたけど、クラーケンにはやはり雷が有効だ。
タコの足にも負けないほど太い雷がタコに落ちる。
まともに雷を喰らって、ピンとタコの足が伸びてビクビクと震える。
眩みそうな閃光にリュードを敵に回さなくてよかったとウツボは思った。
リュードの魔法にタコのみならず冒険者も驚く中で、リュードとルフォンとラストが走り出す。
「私もやるもんねー!」
矢よりも効果がありそうだとラストも剣を抜いての参戦し、魔人化をして翼を広げる。
地面を蹴り翼を羽ばたかせて飛び、タコの頭を通り過ぎて最短距離で後ろに回り込む。
まだまだラストの技術は未熟でリュードのように剣に魔力を薄くまとうことはできない。
だけれどもラストも先祖返りで魔力量は多い。
無駄が多くて魔力の維持を長続きさせられないが、一撃叩き込むぐらいなら全く問題はない。
「くらえ! やあああっ!」
そしてそんなに無理もしない。
本当は根本からいきたいところだけど、かなり太いタコの足を根本からでは切り落とせるのか不安がある。
狙うは真ん中。
相手の足の能力を奪いつつも切り落とせそうな太さであるところを狙う。
「ああ、惜しい!」
狙いは悪くないとリュードは思った。
瞬間的な判断としては非常に上手いが、まだほんのちょっと実力が追いついていなかった。
タコの足を切り落としきれなかった。
けれどほとんど切ることができている。
「陸の上なら怖くない!」
リュードよりも早くタコに接近するルフォンは、痺れてピンと伸びたタコの足を斬りつけて輪切りにしながら根元に迫っていく。
「リューちゃんも攻撃したし、許さないんだから!」
太い根本はルフォンのナイフでは厳しいが高速で何度も切りつける。
回転が早く正確な狙いのナイフはあっという間に傷を深めていってタコの足は切り裂かれた。
「今度はこっちの番だからな」
リュードは一気にタコの懐に潜り込む。
水で体を拘束するなんて特殊な手段に一撃食らってしまった。
油断したのでもないけどタコにしてやられた。
やられたらやり返す。
ピクピクと震えるタコの足に向けて大きく剣を振り上げたリュードは、思い切りタコの足を切断する。
『ヤーッ!』
「コユキ、ニャロ、ウツボだ!」
「分かったにゃ!」
「ヤーッ!」
痺れが取れはじめ、鋭い痛みに怒りを覚えて、体の色がさらに赤く変化するタコ。
ここでリュードはある判断を下した。
思い切ってニャロとコユキの強化支援を、動き出したウツボに集中させた。
この中で一番力強いのはウツボである。
大きさ的にもタコに対して有効なのはウツボであろう。
残念ながらウツボの方が格下なので敵わなかったが、今のタコは何本も足を失って戦力ダウンしたので差は縮まっている。
さらに他の魔物にはあり得ない神聖力の強化支援まで受けたらどうなるか。
『力が溢れてくるぅー!』
ウツボはラストが切り損ねた足を噛んで引きちぎって投げ捨てるとタコの胴体にかじりつく。
タコはウツボを引き剥がそうとするが、強化支援を受けたウツボを引き剥がすには残りの足ではやや力負けしている。
『ウゥッ!』
「ウツボ! クソッ……これ以上やらせるか!」
力では引き剥がせないと思ったタコは魔法を使った。
吸盤から水の槍を生み出してウツボの体を突き刺す。
ウツボにだけ負担はかけられない。
激しくのたうち回るように戦うタコとウツボの戦いの隙を狙ってリュードは足を切りつける。
『ウオオオオオオッ!』
絡みつき、噛みつき、食いちぎる。
ウツボは体をタコに巻きつけてひたすらにタコに噛みついて、タコは必死に抵抗して引き剥がそうとする。
魔法で傷つきウツボの体もぼろぼろになるが、決してタコを離さない。
激しい揉み合いに中々割り入る隙も見つけにくい。


