「バカじゃねえの!?」
さらに勢いをつけて飛んでくる大ウニに思わず悪態をついてしまう。
デカい相手なのでちゃんと回避しないと危険だ。
単純なやり方だけど、それが故に破壊力も高い。
攻撃方法はなんら変わりないのに、デカいだけで速さも破壊力も段違い。
「くっ……まあ、いい!」
気の抜けないドッジボールが始まるけど、リュードの目的は大ウニと大コンブがみんなの方に行かないようにすること。
回避に集中して引きつけられるならそれでいい。
「だけどどうするかな」
大コンブと連携して素早く方向転換して転がってくる大ウニは相手取るのにかなり厄介さがある。
大ウニはデカいので針もウニよりもデカい。
ウニもデカくて針の間を通して本体に剣を届かせるのがギリギリだった。
つまり大ウニまでなると、針の外から本体に剣が届かないのだ。
針の隙間も大きいので入り込んで攻撃することも出来そうだけど、ウニを見ていると針はある程度自在に動かせる。
入り込んだ瞬間に針を動かして潰してくるなんてことも考えられる。
入り込むためにも大ウニの動きを止めなきゃならない。
今のところ有効打が思いつかないのである。
「魔法で攻撃するしかないかな」
大ウニをかわしながら倒す方法を考える。
全力で魔法をぶつければダメージは与えられる。
けど魔法を使うのにも集中を必要とする。
どの道、大ウニを止める必要性がある。
「まあ動きに変化ないならこのままみんなが周りを片付けてくれるのを待つか。よっと」
どうするにせよ、まずは邪魔なウニとコンブを倒すのが優先。
リュードが大ウニと大コンブを引きつけている間に、みんなでウニやコンブを着実に倒していってくれているのが視界の端で見えていた。
リュードだってただかわしているだけじゃない。
軽く魔法をぶつけてみたりと有効打となりうる攻撃方法を模索していた。
しかし転がるウニの針に魔法が弾かれて本体まで届かない。
「まさか……」
針が大きくなって破壊力が増した分、攻撃を弾く防御力としても強化されている。
大ウニをかわすためにはかなり大きめに回避しなきゃならない。
大コンブとの連携で絶え間なく転がってくるので休む間もなく、ほんの少しの隙を狙って大コンブそのものも攻撃を仕掛けてくる。
緊張が常に高く疲労していく中で、ピタリと大ウニの動きが止まった。
何をするのかと思ったら大ウニは針を動かしてその場で回転し始めた。
「こりゃ……マズイな」
ウニもするのだ、大ウニがしないことの理由なんてない。
高速回転する大ウニが大砲の弾のように発射されて、リュードに向かって飛び出した。
高速回転する大ウニは殺意の塊と言っていい。
針で穴が開くのではなく、高速回転のせいで削り殺されてしまいそうな大ウニを横にかわす。
「うわぉ……」
思わず漏れる感嘆の声。
当然のように大ウニが飛んでいった先には大コンブが待ち構えている。
柔らかく大ウニを受け止めた大コンブは大ウニの勢いを利用して大きく触手を振り上げた。
「リューちゃん!」
ズドンと大きく揺れてルフォンたちもリュードの方を見た。
大コンブは回転する大ウニを上から振り下ろした。
床が大きく陥没してそれでも止まらぬ回転が床を削っている。
「大丈夫だ!」
巻き込まれたら絶対助からない。
リュードはギリギリ大コンブによる大ウニの叩きつけを回避していた。
「早く周りを片付けてくれると助かる!」
「分かった、もうちょっと待ってて!」
大ウニと大コンブは一人で倒せるほど甘い相手ではない。
みんなの協力がなくては倒せない。
ルフォンたちはリュードの状態を見てウニとコンブを倒す速度を上げる。
ルフォンや周りのみんなもウニの動きに慣れてきている。
「ほっと!」
「いいよー!」
ナイフの腹を当ててウニの軌道を逸らして受け流す。
それもただ受け流すのではなくラストに側面が向くようにしている。
ラストは受け流されて飛んでいくウニの回転していない側面を矢で打ち抜いて倒す。
リュードのためにも早く倒さなきゃならない。
焦りはあるが、焦って事を仕損じる方がいけない。
ルフォンはコンブを狙いながらもラストの位置を把握して飛んでくるウニを受け流してと忙しなく動く。
ラストもルフォンの後ろに付くように動いて高速で飛んでいくウニの側面を狙えるように位置取っている。
ただみんなの働きにはニャロも大きく関わっている。
「にゃにゃにゃ!」
ニャロは全員に強化支援している。
視野を広く保ち一人の欠けもなく同じように強化するのはコユキには出来ない。
それどころか高位神官であるミルトにも難しい。
普通の聖職者にはできない離業なのだ。
その上、直接前に出て戦うルフォンにはラストより厚めに強化支援するなど状況に応じた分け方もしている。
実は若手の聖職者の中でも注目株のニャロ。
強い神聖力と繊細な神聖力のコントロールは容易く至れる境地ではなく、その実力が遺憾なく発揮されている。
ミルトも必要なところに強化支援してくれているので、そういったところも考慮している。
「ルフォン、避けろ!」
リュードの声が聞こえ、ルフォンがいる場所に影が落ちる。
上に何かがいる。
ルフォンはそれを確認することもなくリュードの声に反応して大きく飛び退いた。
直後、ルフォンのいたところに大ウニが落ちてきた。
全てのウニとコンブがやられていくの黙ってみているほど大ウニと大コンブもバカではない。
ウニとコンブの数が大きく減っていることに気づいた大コンブは、大ウニをルフォンに投げ飛ばした。
床が砕けて石が飛び散る。
さらに勢いをつけて飛んでくる大ウニに思わず悪態をついてしまう。
デカい相手なのでちゃんと回避しないと危険だ。
単純なやり方だけど、それが故に破壊力も高い。
攻撃方法はなんら変わりないのに、デカいだけで速さも破壊力も段違い。
「くっ……まあ、いい!」
気の抜けないドッジボールが始まるけど、リュードの目的は大ウニと大コンブがみんなの方に行かないようにすること。
回避に集中して引きつけられるならそれでいい。
「だけどどうするかな」
大コンブと連携して素早く方向転換して転がってくる大ウニは相手取るのにかなり厄介さがある。
大ウニはデカいので針もウニよりもデカい。
ウニもデカくて針の間を通して本体に剣を届かせるのがギリギリだった。
つまり大ウニまでなると、針の外から本体に剣が届かないのだ。
針の隙間も大きいので入り込んで攻撃することも出来そうだけど、ウニを見ていると針はある程度自在に動かせる。
入り込んだ瞬間に針を動かして潰してくるなんてことも考えられる。
入り込むためにも大ウニの動きを止めなきゃならない。
今のところ有効打が思いつかないのである。
「魔法で攻撃するしかないかな」
大ウニをかわしながら倒す方法を考える。
全力で魔法をぶつければダメージは与えられる。
けど魔法を使うのにも集中を必要とする。
どの道、大ウニを止める必要性がある。
「まあ動きに変化ないならこのままみんなが周りを片付けてくれるのを待つか。よっと」
どうするにせよ、まずは邪魔なウニとコンブを倒すのが優先。
リュードが大ウニと大コンブを引きつけている間に、みんなでウニやコンブを着実に倒していってくれているのが視界の端で見えていた。
リュードだってただかわしているだけじゃない。
軽く魔法をぶつけてみたりと有効打となりうる攻撃方法を模索していた。
しかし転がるウニの針に魔法が弾かれて本体まで届かない。
「まさか……」
針が大きくなって破壊力が増した分、攻撃を弾く防御力としても強化されている。
大ウニをかわすためにはかなり大きめに回避しなきゃならない。
大コンブとの連携で絶え間なく転がってくるので休む間もなく、ほんの少しの隙を狙って大コンブそのものも攻撃を仕掛けてくる。
緊張が常に高く疲労していく中で、ピタリと大ウニの動きが止まった。
何をするのかと思ったら大ウニは針を動かしてその場で回転し始めた。
「こりゃ……マズイな」
ウニもするのだ、大ウニがしないことの理由なんてない。
高速回転する大ウニが大砲の弾のように発射されて、リュードに向かって飛び出した。
高速回転する大ウニは殺意の塊と言っていい。
針で穴が開くのではなく、高速回転のせいで削り殺されてしまいそうな大ウニを横にかわす。
「うわぉ……」
思わず漏れる感嘆の声。
当然のように大ウニが飛んでいった先には大コンブが待ち構えている。
柔らかく大ウニを受け止めた大コンブは大ウニの勢いを利用して大きく触手を振り上げた。
「リューちゃん!」
ズドンと大きく揺れてルフォンたちもリュードの方を見た。
大コンブは回転する大ウニを上から振り下ろした。
床が大きく陥没してそれでも止まらぬ回転が床を削っている。
「大丈夫だ!」
巻き込まれたら絶対助からない。
リュードはギリギリ大コンブによる大ウニの叩きつけを回避していた。
「早く周りを片付けてくれると助かる!」
「分かった、もうちょっと待ってて!」
大ウニと大コンブは一人で倒せるほど甘い相手ではない。
みんなの協力がなくては倒せない。
ルフォンたちはリュードの状態を見てウニとコンブを倒す速度を上げる。
ルフォンや周りのみんなもウニの動きに慣れてきている。
「ほっと!」
「いいよー!」
ナイフの腹を当ててウニの軌道を逸らして受け流す。
それもただ受け流すのではなくラストに側面が向くようにしている。
ラストは受け流されて飛んでいくウニの回転していない側面を矢で打ち抜いて倒す。
リュードのためにも早く倒さなきゃならない。
焦りはあるが、焦って事を仕損じる方がいけない。
ルフォンはコンブを狙いながらもラストの位置を把握して飛んでくるウニを受け流してと忙しなく動く。
ラストもルフォンの後ろに付くように動いて高速で飛んでいくウニの側面を狙えるように位置取っている。
ただみんなの働きにはニャロも大きく関わっている。
「にゃにゃにゃ!」
ニャロは全員に強化支援している。
視野を広く保ち一人の欠けもなく同じように強化するのはコユキには出来ない。
それどころか高位神官であるミルトにも難しい。
普通の聖職者にはできない離業なのだ。
その上、直接前に出て戦うルフォンにはラストより厚めに強化支援するなど状況に応じた分け方もしている。
実は若手の聖職者の中でも注目株のニャロ。
強い神聖力と繊細な神聖力のコントロールは容易く至れる境地ではなく、その実力が遺憾なく発揮されている。
ミルトも必要なところに強化支援してくれているので、そういったところも考慮している。
「ルフォン、避けろ!」
リュードの声が聞こえ、ルフォンがいる場所に影が落ちる。
上に何かがいる。
ルフォンはそれを確認することもなくリュードの声に反応して大きく飛び退いた。
直後、ルフォンのいたところに大ウニが落ちてきた。
全てのウニとコンブがやられていくの黙ってみているほど大ウニと大コンブもバカではない。
ウニとコンブの数が大きく減っていることに気づいた大コンブは、大ウニをルフォンに投げ飛ばした。
床が砕けて石が飛び散る。


