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「まあ予想通りだな……」
もう一度ウニとコンブとの戦闘を乗り越えて三ヶ所目の部屋についた。
ちなみに聞いてみたところこの水を生み出す部屋のことをナガーシャはコアルーム、ガラーシャは水出し部屋と呼んでいた。
他のウンディーネもただお部屋と呼んでいたり、キモい石像の部屋と言っていたりと各々だったり適当だったりしているらしい。
ウンディーネしかいないのでナガーシャの部屋とかガラーシャの部屋とかそんな風に呼べば事足りるので、特定の呼び方を必要としなかった。
水出し部屋ではなんかコーヒーみたいなのでカッコよくコアルームと呼ぶことにした。
ちなみに真ん中の部屋はメインルームで統一されている。
呼び方を変えるだけで、なんだか少しだけSFチックになったとリュードは思った。
「……無事だといいけどな」
コアルームの扉は無惨に破壊されている。
まんなかが大きく凹んで倒れている。
「どう?」
「やっぱりいるな」
壊された扉の奥にウニとコンブが見えた。
そしてさらに奥に大きなウニとコンブまでいる。
一つ前のカニとホタテから少しそんな予感はしていたけど、魔物をまとめ上げるリーダー的な存在がいると思っていた。
シンプルに大きな個体がリーダーであるようだ。
「ただサイズ感バグってんな」
人よりもデカいウニと人の幅ほどもあるコンブ。
これまでのウニやコンブもリュードの腰ほどまであったのでデカいけど流石にあそこまでいくとデカすぎる。
あんなのが突撃してきてまともに食らったら全身大穴だらけになって即死である。
ウニやコンブの厄介なところは、目がないのでどこを見ているのか分からないところである。
出入り口が一つしかないので奇襲は難しくても、ある程度はバレずに接近したい。
でも見てるのか見てないのかも分からないので、近づくに近づけない。
「……あれじゃない、こっから矢を射ったら楽に倒せるんじゃない?」
先ほどのカニとホタテとの戦いでリュードたちがホタテの攻撃を嫌がって下がった時、カニはなぜなのかコアルームから出ようとしなかった。
神様の命令でコアルームを占領しているからか、占領しているコアルームから出てこないみたいなのである。
柔軟性に欠けるのも魔物としての知能の限界なのだろう。
だが今回はそんな動きも利用できるかもしれない。
「はいっ!」
ラストが矢を放つ。
狙いは手前にいるウニ。
やや放物線を描いて飛んでいく矢はウニに深々と突き刺さった。
途端にざわめくウニとコンブの様子を見るに、リュードたちに気づいていなかったようだ。
鳴き声ではなくウニは針を忙しなく動かし出して、コンブは触手を伸ばしている。
仲間がやられたことは分かるようで、警戒をあらわにしている。
「もういっちょ!」
ラストは二本目の矢を放つ。
「あっ」
「冷静に矢だけ対処すれば出来たのか……」
今度の射撃は防がれた。
ウニは針を全て倒すようにして隙間なくし本体に矢が刺さらないようにして防御してみせた。
戦いの最中ではそこまで細かくコントロール出来ないのかやらなかったけど、遠距離攻撃を防ぐ手立ても持っていたようで驚く。
「じゃあこっち!」
ならばとラストはコンブの方を狙う。
「なんかムカつくー!」
リュードたちに気づいているかは不明だが、扉の方から矢が飛んでくることにはコンブも気づいている。
ラストの矢はコンブによってパシリと叩き落とされてしまった。
流石にバレバレの攻撃にはやられない。
「あんにゃろー!」
ウニが動いて扉付近まで来るけど、部屋の外には出ない。
あくまでウニやコンブはコアルームの占領を続けるみたいである。
楽に数が減らせるかと思ったけど、そう簡単ではなかった。
「どうすっかね?」
コアルームから出てこない以上リュードたちが部屋に入って戦うしかない。
わんさかいる敵の中に突っ込まなきゃいけないのだ。
「逆にだよ、こっちまで来ないなら出たり入ったりして戦えばいいんだよ」
どうにもリュードたちを待ち受けているように見えるウニとコンブは、コアルームから出てくるつもりがない。
ならばそれを利用する。
コアルームの前も多少広く部屋のようになっている。
ルフォンはそこに目をつけた。
「シンプルだけどいい考えですね」
メルトがルフォンの作戦に頷く。
何も相手のフィールドで戦うことばかりでなくてもいい。
危なくなったら引けばいい。
ヒットアンドアウェイで押し引きして戦えばいいのだ。
「ルフォン、ワンポイント!」
「やった!」
リュードに褒められてルフォンは小さくガッツポーズする。
尻尾も振られていて嬉しそうだ。
大ウニや大コンブはコアルームの奥側の石像の側にいて動く気配がない。
まずはウニやコンブの数を減らして大ウニや大コンブを倒す。
「よーし、なら行ったるか!」
リュードは軽く体を動かして準備体操する。
「コユキ、ニャロ、頼むぞ!」
「任せるにゃ」
「にゃ!」
コユキとニャロがリュードを強化支援する。
相手がどんな反応を示すのか分からないからとりあえずリュードが突っ込んで様子をみることにする。
「いざとなったらフォロー頼むぞ」
「任せてー!」
「オッケー!」
剣を抜いて気持ちを落ち着けるように大きく息を吐き出す。
狙いは入り口ギリギリで待ち構えているウニだ。
上半身をやや前に倒して足を前後に開く。
グッと力を溜めて一気に走り出す。
瞬く間にコアルームに近づくリュードは勢いに乗って剣を突き出す。
ウニを突き刺しながらコアルームに飛び込む。
「中は……」
外からじゃ確認しきれない中の様子をまず確認する。
入り口付近で待ち構えるウニだけじゃなく中にもそこら中にウニがいる。
結構面倒な数がいるなとリュードは顔をしかめた。
「撤退!」
無理はしない。
中の確認ができればいいのでリュードはすぐさま逃げ出す。
コンブが触手を伸ばしてリュードの逃走を邪魔するが、リュードはコンブを切り裂いて逃げる。
「ほっ!」
飛んでくるウニを剣で弾き、コアルームから脱出する。
「まあ予想通りだな……」
もう一度ウニとコンブとの戦闘を乗り越えて三ヶ所目の部屋についた。
ちなみに聞いてみたところこの水を生み出す部屋のことをナガーシャはコアルーム、ガラーシャは水出し部屋と呼んでいた。
他のウンディーネもただお部屋と呼んでいたり、キモい石像の部屋と言っていたりと各々だったり適当だったりしているらしい。
ウンディーネしかいないのでナガーシャの部屋とかガラーシャの部屋とかそんな風に呼べば事足りるので、特定の呼び方を必要としなかった。
水出し部屋ではなんかコーヒーみたいなのでカッコよくコアルームと呼ぶことにした。
ちなみに真ん中の部屋はメインルームで統一されている。
呼び方を変えるだけで、なんだか少しだけSFチックになったとリュードは思った。
「……無事だといいけどな」
コアルームの扉は無惨に破壊されている。
まんなかが大きく凹んで倒れている。
「どう?」
「やっぱりいるな」
壊された扉の奥にウニとコンブが見えた。
そしてさらに奥に大きなウニとコンブまでいる。
一つ前のカニとホタテから少しそんな予感はしていたけど、魔物をまとめ上げるリーダー的な存在がいると思っていた。
シンプルに大きな個体がリーダーであるようだ。
「ただサイズ感バグってんな」
人よりもデカいウニと人の幅ほどもあるコンブ。
これまでのウニやコンブもリュードの腰ほどまであったのでデカいけど流石にあそこまでいくとデカすぎる。
あんなのが突撃してきてまともに食らったら全身大穴だらけになって即死である。
ウニやコンブの厄介なところは、目がないのでどこを見ているのか分からないところである。
出入り口が一つしかないので奇襲は難しくても、ある程度はバレずに接近したい。
でも見てるのか見てないのかも分からないので、近づくに近づけない。
「……あれじゃない、こっから矢を射ったら楽に倒せるんじゃない?」
先ほどのカニとホタテとの戦いでリュードたちがホタテの攻撃を嫌がって下がった時、カニはなぜなのかコアルームから出ようとしなかった。
神様の命令でコアルームを占領しているからか、占領しているコアルームから出てこないみたいなのである。
柔軟性に欠けるのも魔物としての知能の限界なのだろう。
だが今回はそんな動きも利用できるかもしれない。
「はいっ!」
ラストが矢を放つ。
狙いは手前にいるウニ。
やや放物線を描いて飛んでいく矢はウニに深々と突き刺さった。
途端にざわめくウニとコンブの様子を見るに、リュードたちに気づいていなかったようだ。
鳴き声ではなくウニは針を忙しなく動かし出して、コンブは触手を伸ばしている。
仲間がやられたことは分かるようで、警戒をあらわにしている。
「もういっちょ!」
ラストは二本目の矢を放つ。
「あっ」
「冷静に矢だけ対処すれば出来たのか……」
今度の射撃は防がれた。
ウニは針を全て倒すようにして隙間なくし本体に矢が刺さらないようにして防御してみせた。
戦いの最中ではそこまで細かくコントロール出来ないのかやらなかったけど、遠距離攻撃を防ぐ手立ても持っていたようで驚く。
「じゃあこっち!」
ならばとラストはコンブの方を狙う。
「なんかムカつくー!」
リュードたちに気づいているかは不明だが、扉の方から矢が飛んでくることにはコンブも気づいている。
ラストの矢はコンブによってパシリと叩き落とされてしまった。
流石にバレバレの攻撃にはやられない。
「あんにゃろー!」
ウニが動いて扉付近まで来るけど、部屋の外には出ない。
あくまでウニやコンブはコアルームの占領を続けるみたいである。
楽に数が減らせるかと思ったけど、そう簡単ではなかった。
「どうすっかね?」
コアルームから出てこない以上リュードたちが部屋に入って戦うしかない。
わんさかいる敵の中に突っ込まなきゃいけないのだ。
「逆にだよ、こっちまで来ないなら出たり入ったりして戦えばいいんだよ」
どうにもリュードたちを待ち受けているように見えるウニとコンブは、コアルームから出てくるつもりがない。
ならばそれを利用する。
コアルームの前も多少広く部屋のようになっている。
ルフォンはそこに目をつけた。
「シンプルだけどいい考えですね」
メルトがルフォンの作戦に頷く。
何も相手のフィールドで戦うことばかりでなくてもいい。
危なくなったら引けばいい。
ヒットアンドアウェイで押し引きして戦えばいいのだ。
「ルフォン、ワンポイント!」
「やった!」
リュードに褒められてルフォンは小さくガッツポーズする。
尻尾も振られていて嬉しそうだ。
大ウニや大コンブはコアルームの奥側の石像の側にいて動く気配がない。
まずはウニやコンブの数を減らして大ウニや大コンブを倒す。
「よーし、なら行ったるか!」
リュードは軽く体を動かして準備体操する。
「コユキ、ニャロ、頼むぞ!」
「任せるにゃ」
「にゃ!」
コユキとニャロがリュードを強化支援する。
相手がどんな反応を示すのか分からないからとりあえずリュードが突っ込んで様子をみることにする。
「いざとなったらフォロー頼むぞ」
「任せてー!」
「オッケー!」
剣を抜いて気持ちを落ち着けるように大きく息を吐き出す。
狙いは入り口ギリギリで待ち構えているウニだ。
上半身をやや前に倒して足を前後に開く。
グッと力を溜めて一気に走り出す。
瞬く間にコアルームに近づくリュードは勢いに乗って剣を突き出す。
ウニを突き刺しながらコアルームに飛び込む。
「中は……」
外からじゃ確認しきれない中の様子をまず確認する。
入り口付近で待ち構えるウニだけじゃなく中にもそこら中にウニがいる。
結構面倒な数がいるなとリュードは顔をしかめた。
「撤退!」
無理はしない。
中の確認ができればいいのでリュードはすぐさま逃げ出す。
コンブが触手を伸ばしてリュードの逃走を邪魔するが、リュードはコンブを切り裂いて逃げる。
「ほっ!」
飛んでくるウニを剣で弾き、コアルームから脱出する。


