「みんな無理はしないで回避を重視しろ! コユキやニャロはウニがそっちに飛んでくるかもそれないから気をつけるんだ!」
「はいにゃ!」
「にゃー!」
ウニは先頭に立つリュードに向かって飛んでくる。
飛んでくる二匹のウニ弾丸を一匹をかわして、もう一匹を剣で弾き飛ばす。
そしてタイミングをずらして飛んできたウニを弾き飛ばないように縦にまっすぐ剣を振り下ろす。
ウニは素早く針をクロスさせてリュードの剣を防ぐが構わない。
そのまま床に押し付けられたウニを両断する。
最初の攻撃でウニの針がリュードの剣に耐えられる硬度ではないことは分かっていた。
弾き飛ばされることで何とか無事でいたけれど、剣を完全に防いだのではなかったのだ。
床に押し付けられたウニは剣の威力を殺せずに受け止めるしかない。
剣を受けた針がパキンと音を立ててへし切れ、リュードの剣がそのまま本体を真っ二つにしたのである。
「ユニークな方向に進化したものだな」
ホタテとはまた違った方向で防御に特化したような体をしているのに、そこからさらに攻撃方面に動けるように進化した。
元より針による防御力の高い魔物が針を生かした攻撃も身につけたのだ。
「むぅ! めんどくさい!」
ルフォンはウニの突進をかわして顔をしかめる。
ルフォンのナイフでは本体に届かせることも出来ないので相性も悪い。
「やっ!」
けれど逆にラストの弓矢は相性がいい。
針で飛んでくる矢を防ぐことができず、容易く本体を貫く。
戦っている感じではウニも知能的にはそんなに賢くない。
ウニの狙いはとにかく一番近くにいる人で、攻撃方法はただ勢いよく突撃してくるだけ。
全身凶器が飛んでくるのは怖いが、冒険者たちだって素人じゃないのでまっすぐ飛んでくるだけならケガもしない。
防御も物珍しを感じたのも最初だけで、慣れてくれば大したこともない。
弓矢やファイヤーアローのような細長い攻撃に対してウニは防御できていない。
「ユニークだけど特化がすぎるって感じだな」
リュードが前に出てウニの攻撃を引きつける。
「はっ!」
飛んでくる剣で叩き落として、動きが止まった隙に他の冒険者たちが突き刺してウニを倒していく。
ここでルフォンも思いついたのか荷物の中から槍を取り出して、リュードが叩き落としたウニにトドメを刺していた。
槍の扱いは専門外だが、落ちたウニを突き刺すぐらいは難しいことじゃない。
慣れてしまえば作業的に倒していける。
集まってきたウニもあっという間にリュードたちに倒されてしまった。
「……これが本物のウニ!」
前世においてリュードは都会育ちで、そんなに裕福でもなかった。
カニもそうだったけど、ウニなんて口にしたこともない。
取れたて、というか倒したてのウニを割って中身を食べてみる。
なんというか甘みがあって濃厚で美味しかった。
「なかなか美味しいですね」
「私は初めて食べたわ」
海産物も時折入ってくるヴァネルアの人でもウニはあまり食べたことがなかったらしく、珍しいものであるようだ。
しかし生でそんなにたくさん食べるものでもない。
「調理するならなんだろう、クリームパスタかな」
あまり日持ちもしなさそうだけど、このままにしておくのももったいないのでいくらか持って帰ることにした。
なんであれ取れたてって美味い。
「なんか一回り大きくなった……?」
「気のせいじゃないと思うよ」
ウニの方から集まってきたからしばしウニはいなかったが、歩いていたらまたウニがワラワラと通路を塞ぐように転がっていた。
なんだか最初に戦ったウニよりも一回り大きく見える。
見間違いかと思ったけど、ルフォンやラストにも大きくなったように見えているので見間違いじゃない。
「な、なんだ!?」
リュードたちに気づいたのか針が動き出すウニたち。
どうにも動きが違う。
針が忙しなく動いて、先ほどまでのような突撃の力を溜めるような感じではない。
「な、なんか回ってるにゃ!」
「なにあれー!?」
針で動き出したウニはその場で回転し出した。
少し大きくなっただけでなく行動も変化していると驚いてしまう。
「避けろ!」
そして回転の勢いも生かしてウニが弾丸のように飛んできた。
ただ突撃してきた時よりも速い。
リュードはタイミングを合わせて剣を振り下ろす。
「くっ!」
剣と回転するウニの針がガガガと激しくぶつかり合って、リュードもウニも互いに弾かれてしまった。
針がバラバラと折れて散らばるが、ウニを倒すことには失敗した。
高速回転するウニは跳ねるように飛んでいって、動きを止められずトドメまでさせなかった。
「回転が速すぎて針の奥の本体まで剣が届かないな!」
高速で回っているせいでどう頑張っても針に剣が当たってしまう。
威力も速度も一段階上で、回転のおかげで防御性能まで上がっている。
まともに剣をぶつけると、剣の方も無事ではいられなさそうだ。
「ふん、私を舐めないでよ!」
ここでもラストが活躍する。
縦なのか横なのか知らないが、コマのように回転しているので軸となる方向は回転していない。
方向的には縦に回っているので横は回っていないといっていい。
「……ショット!」
ラストは高速で飛んでいるウニの側面を正確に矢で射抜いた。
「いいぞラスト!」
「ラスママつおい!」
「ハッハー! 私の力をとくとご覧あれー!」
「ラスト後ろだ!」
「えっ? きゃあ!」
調子に乗ったラストの後ろから高速回転するウニが飛んでくる。
矢を射ることに夢中になって完全に注意散漫だった。
「はいにゃ!」
「にゃー!」
ウニは先頭に立つリュードに向かって飛んでくる。
飛んでくる二匹のウニ弾丸を一匹をかわして、もう一匹を剣で弾き飛ばす。
そしてタイミングをずらして飛んできたウニを弾き飛ばないように縦にまっすぐ剣を振り下ろす。
ウニは素早く針をクロスさせてリュードの剣を防ぐが構わない。
そのまま床に押し付けられたウニを両断する。
最初の攻撃でウニの針がリュードの剣に耐えられる硬度ではないことは分かっていた。
弾き飛ばされることで何とか無事でいたけれど、剣を完全に防いだのではなかったのだ。
床に押し付けられたウニは剣の威力を殺せずに受け止めるしかない。
剣を受けた針がパキンと音を立ててへし切れ、リュードの剣がそのまま本体を真っ二つにしたのである。
「ユニークな方向に進化したものだな」
ホタテとはまた違った方向で防御に特化したような体をしているのに、そこからさらに攻撃方面に動けるように進化した。
元より針による防御力の高い魔物が針を生かした攻撃も身につけたのだ。
「むぅ! めんどくさい!」
ルフォンはウニの突進をかわして顔をしかめる。
ルフォンのナイフでは本体に届かせることも出来ないので相性も悪い。
「やっ!」
けれど逆にラストの弓矢は相性がいい。
針で飛んでくる矢を防ぐことができず、容易く本体を貫く。
戦っている感じではウニも知能的にはそんなに賢くない。
ウニの狙いはとにかく一番近くにいる人で、攻撃方法はただ勢いよく突撃してくるだけ。
全身凶器が飛んでくるのは怖いが、冒険者たちだって素人じゃないのでまっすぐ飛んでくるだけならケガもしない。
防御も物珍しを感じたのも最初だけで、慣れてくれば大したこともない。
弓矢やファイヤーアローのような細長い攻撃に対してウニは防御できていない。
「ユニークだけど特化がすぎるって感じだな」
リュードが前に出てウニの攻撃を引きつける。
「はっ!」
飛んでくる剣で叩き落として、動きが止まった隙に他の冒険者たちが突き刺してウニを倒していく。
ここでルフォンも思いついたのか荷物の中から槍を取り出して、リュードが叩き落としたウニにトドメを刺していた。
槍の扱いは専門外だが、落ちたウニを突き刺すぐらいは難しいことじゃない。
慣れてしまえば作業的に倒していける。
集まってきたウニもあっという間にリュードたちに倒されてしまった。
「……これが本物のウニ!」
前世においてリュードは都会育ちで、そんなに裕福でもなかった。
カニもそうだったけど、ウニなんて口にしたこともない。
取れたて、というか倒したてのウニを割って中身を食べてみる。
なんというか甘みがあって濃厚で美味しかった。
「なかなか美味しいですね」
「私は初めて食べたわ」
海産物も時折入ってくるヴァネルアの人でもウニはあまり食べたことがなかったらしく、珍しいものであるようだ。
しかし生でそんなにたくさん食べるものでもない。
「調理するならなんだろう、クリームパスタかな」
あまり日持ちもしなさそうだけど、このままにしておくのももったいないのでいくらか持って帰ることにした。
なんであれ取れたてって美味い。
「なんか一回り大きくなった……?」
「気のせいじゃないと思うよ」
ウニの方から集まってきたからしばしウニはいなかったが、歩いていたらまたウニがワラワラと通路を塞ぐように転がっていた。
なんだか最初に戦ったウニよりも一回り大きく見える。
見間違いかと思ったけど、ルフォンやラストにも大きくなったように見えているので見間違いじゃない。
「な、なんだ!?」
リュードたちに気づいたのか針が動き出すウニたち。
どうにも動きが違う。
針が忙しなく動いて、先ほどまでのような突撃の力を溜めるような感じではない。
「な、なんか回ってるにゃ!」
「なにあれー!?」
針で動き出したウニはその場で回転し出した。
少し大きくなっただけでなく行動も変化していると驚いてしまう。
「避けろ!」
そして回転の勢いも生かしてウニが弾丸のように飛んできた。
ただ突撃してきた時よりも速い。
リュードはタイミングを合わせて剣を振り下ろす。
「くっ!」
剣と回転するウニの針がガガガと激しくぶつかり合って、リュードもウニも互いに弾かれてしまった。
針がバラバラと折れて散らばるが、ウニを倒すことには失敗した。
高速回転するウニは跳ねるように飛んでいって、動きを止められずトドメまでさせなかった。
「回転が速すぎて針の奥の本体まで剣が届かないな!」
高速で回っているせいでどう頑張っても針に剣が当たってしまう。
威力も速度も一段階上で、回転のおかげで防御性能まで上がっている。
まともに剣をぶつけると、剣の方も無事ではいられなさそうだ。
「ふん、私を舐めないでよ!」
ここでもラストが活躍する。
縦なのか横なのか知らないが、コマのように回転しているので軸となる方向は回転していない。
方向的には縦に回っているので横は回っていないといっていい。
「……ショット!」
ラストは高速で飛んでいるウニの側面を正確に矢で射抜いた。
「いいぞラスト!」
「ラスママつおい!」
「ハッハー! 私の力をとくとご覧あれー!」
「ラスト後ろだ!」
「えっ? きゃあ!」
調子に乗ったラストの後ろから高速回転するウニが飛んでくる。
矢を射ることに夢中になって完全に注意散漫だった。


