ゆっくり休んで次の日、奪還作戦を再開する。
まだ通っていない通路なんかにはカニなんかがいたはずなんだけも、朝になるといなくなっていた。
ガラーシャに関しても一人だけ残していくのは心配なので、ついてくることになった。
扉は復活しているし、もし部屋をその間に取られても奪還し返せばいい。
カニやホタテはボスである大カニが倒されたから撤退したようで、カニの手が足りていないのかホタテが少し残されている程度にしかいなかった。
残ったホタテはリュードが後々美味しくいただくことにする。
「次は何が出てくるだろうな」
ほんの少しだけ次の魔物にリュードは期待をしている。
もはや魔物を食材としか見ていない。
その辺りも異世界人的な感覚なのだろう。
リザードマンは流石に食べなかったが、マーマンやカニ、ホタテは美味かった。
美味い魔物が出てくれば倒す気も上がるというものだ。
ちなみにリザードマンも食べられるらしい。
トカゲっぽいことを考えると食べられないこともないだろうけど、リュードは食べることも捌くこともなんだか嫌だったのだ。
「……また周りが変わったね」
「今度は洞窟っぽいのかな?」
そして進んでいくとさらに周りが変化していく。
城の中なのにまるで洞窟のようになってきた。
天井から鍾乳石のような鋭い岩が垂れ下がり、壁も岩肌のようになって、触れてみるとしっとりと濡れている。
不思議な建物だ。
元ダンジョンなのも納得である。
「次はウニか」
「ウニ? ニウンフバですね。攻撃は最大の防御みたいなトゲトゲしたボディーが特徴的な魔物です。もうこうなると何となーく相手の神様の方向性は分かってきましたね」
次に出てきたのは無数のトゲが特徴の魔物だった。
硬そうな外骨格が伸びてトゲトゲとしているそれは、リュードの記憶では確かにウニだった。
サイズは相変わらずデカいが、明らかに記憶と変わらない姿をしている。
そんなものだから魚介の神か? とリュードは口にしそうになる。
リザードマンはちょっと分類が違うけど、これまで出てきた魔物を考えると何となくグループは分かる。
ナガーシャは海系統の水の神だろうと読んでいるが、リュードには美味しい海の幸の神様にしか思えなくなっていた。
どっちにしろ水というより、ちょっと範囲は狭くて海の神様的なものだろう。
「うおっ!?」
ウニ相手ならホタテみたいなもんと眺めていた。
リュードが慌てて剣を上げると強い衝撃に飛ばされそうになる。
ウニをホタテと同様に考えていたが、それは甘かった。
ホタテのように届からないところから魔法で攻撃でもしてくるんだろうと油断していたリュードに対して、ウニは弾丸よろしく飛んできたのだ。
「リュード!」
「大丈夫だ!」
想定していなかった動き。
後一瞬防御が遅れていたらリュードはウニの針に串刺しにされて、穴だらけになっていたことだろう。
よく見ていなかったのでどうやって飛んできたのか分からないけど、全身凶器のウニが飛んでくるのは結構脅威だ。
みんなも武器を構えて警戒する。
今度は見逃さないとウニのことを注視して動きを待つ。
リュードに弾き飛ばされたウニは全身の針を動かしているがどこをどう見ても飛んでくるようには思えない。
あんなに活発に針が動くのかと驚くけれど、今のところそれ以外はただのデカいウニである。
「なんだ?」
何かの偶然で飛んできたのかと観察を諦めようとした時、ウニの針の動きが変わった。
これまで適当に動いていた針が、特に規則性も見えなかったのに突如として床に接する針が同じ方向に動き出した。
ウニがわずかに沈み込んで、そして飛び出した。
針に力を溜めて、前から後ろに漕ぐように針を動かして一気に力を解放し、地面を蹴って勢いをつけた。
とんでもないやり方だが相手をただのウニだと思っちゃいけない。
曲がりなしにも魔物である。
こんな方法で勢いをつけていたのかとリュードも納得した。
「避けろ!」
速いが動きは直線的で捉えられない速さでもない。
みんながかわして、ウニは後方に飛んでいく。
「早いな……」
地面に落ちるとすぐさま針が動き出してまた飛び出す力を溜める。
「ただ動きはもう読めてるぞ!」
駆け出したリュードに向かってまっすぐ飛んでいくウニ。
もう軌道は分かっているので飛んでくるタイミングに合わせて剣を振り下ろす。
「こいつは面白いな」
ガキンと音がしてウニが弾き飛ばされていく。
剣は針よりも長く、本体にも刃は届くはずだった。
しかし刃はウニに届かなかった。
何とウニは針をクロスするように動かして、リュードの剣を受けて防いでみせたのだ。
そんなに針は固くないのか剣に負けて切られて落ちたけれども、本体に剣を届かせなかった。
思いの外、ウニの能力が武闘派だ。
「リューちゃん!」
「……ちょっと遊びすぎたか」
気づいたらウニが通路の奥から集まってきている。
針を動かしてゆっくりとだけど床を移動してきている。
「ウニって移動できるのかよ」
前の世界でどうだったのかは知らないが、こちらのウニは針を使って自分で移動できるようだ。
まだ通っていない通路なんかにはカニなんかがいたはずなんだけも、朝になるといなくなっていた。
ガラーシャに関しても一人だけ残していくのは心配なので、ついてくることになった。
扉は復活しているし、もし部屋をその間に取られても奪還し返せばいい。
カニやホタテはボスである大カニが倒されたから撤退したようで、カニの手が足りていないのかホタテが少し残されている程度にしかいなかった。
残ったホタテはリュードが後々美味しくいただくことにする。
「次は何が出てくるだろうな」
ほんの少しだけ次の魔物にリュードは期待をしている。
もはや魔物を食材としか見ていない。
その辺りも異世界人的な感覚なのだろう。
リザードマンは流石に食べなかったが、マーマンやカニ、ホタテは美味かった。
美味い魔物が出てくれば倒す気も上がるというものだ。
ちなみにリザードマンも食べられるらしい。
トカゲっぽいことを考えると食べられないこともないだろうけど、リュードは食べることも捌くこともなんだか嫌だったのだ。
「……また周りが変わったね」
「今度は洞窟っぽいのかな?」
そして進んでいくとさらに周りが変化していく。
城の中なのにまるで洞窟のようになってきた。
天井から鍾乳石のような鋭い岩が垂れ下がり、壁も岩肌のようになって、触れてみるとしっとりと濡れている。
不思議な建物だ。
元ダンジョンなのも納得である。
「次はウニか」
「ウニ? ニウンフバですね。攻撃は最大の防御みたいなトゲトゲしたボディーが特徴的な魔物です。もうこうなると何となーく相手の神様の方向性は分かってきましたね」
次に出てきたのは無数のトゲが特徴の魔物だった。
硬そうな外骨格が伸びてトゲトゲとしているそれは、リュードの記憶では確かにウニだった。
サイズは相変わらずデカいが、明らかに記憶と変わらない姿をしている。
そんなものだから魚介の神か? とリュードは口にしそうになる。
リザードマンはちょっと分類が違うけど、これまで出てきた魔物を考えると何となくグループは分かる。
ナガーシャは海系統の水の神だろうと読んでいるが、リュードには美味しい海の幸の神様にしか思えなくなっていた。
どっちにしろ水というより、ちょっと範囲は狭くて海の神様的なものだろう。
「うおっ!?」
ウニ相手ならホタテみたいなもんと眺めていた。
リュードが慌てて剣を上げると強い衝撃に飛ばされそうになる。
ウニをホタテと同様に考えていたが、それは甘かった。
ホタテのように届からないところから魔法で攻撃でもしてくるんだろうと油断していたリュードに対して、ウニは弾丸よろしく飛んできたのだ。
「リュード!」
「大丈夫だ!」
想定していなかった動き。
後一瞬防御が遅れていたらリュードはウニの針に串刺しにされて、穴だらけになっていたことだろう。
よく見ていなかったのでどうやって飛んできたのか分からないけど、全身凶器のウニが飛んでくるのは結構脅威だ。
みんなも武器を構えて警戒する。
今度は見逃さないとウニのことを注視して動きを待つ。
リュードに弾き飛ばされたウニは全身の針を動かしているがどこをどう見ても飛んでくるようには思えない。
あんなに活発に針が動くのかと驚くけれど、今のところそれ以外はただのデカいウニである。
「なんだ?」
何かの偶然で飛んできたのかと観察を諦めようとした時、ウニの針の動きが変わった。
これまで適当に動いていた針が、特に規則性も見えなかったのに突如として床に接する針が同じ方向に動き出した。
ウニがわずかに沈み込んで、そして飛び出した。
針に力を溜めて、前から後ろに漕ぐように針を動かして一気に力を解放し、地面を蹴って勢いをつけた。
とんでもないやり方だが相手をただのウニだと思っちゃいけない。
曲がりなしにも魔物である。
こんな方法で勢いをつけていたのかとリュードも納得した。
「避けろ!」
速いが動きは直線的で捉えられない速さでもない。
みんながかわして、ウニは後方に飛んでいく。
「早いな……」
地面に落ちるとすぐさま針が動き出してまた飛び出す力を溜める。
「ただ動きはもう読めてるぞ!」
駆け出したリュードに向かってまっすぐ飛んでいくウニ。
もう軌道は分かっているので飛んでくるタイミングに合わせて剣を振り下ろす。
「こいつは面白いな」
ガキンと音がしてウニが弾き飛ばされていく。
剣は針よりも長く、本体にも刃は届くはずだった。
しかし刃はウニに届かなかった。
何とウニは針をクロスするように動かして、リュードの剣を受けて防いでみせたのだ。
そんなに針は固くないのか剣に負けて切られて落ちたけれども、本体に剣を届かせなかった。
思いの外、ウニの能力が武闘派だ。
「リューちゃん!」
「……ちょっと遊びすぎたか」
気づいたらウニが通路の奥から集まってきている。
針を動かしてゆっくりとだけど床を移動してきている。
「ウニって移動できるのかよ」
前の世界でどうだったのかは知らないが、こちらのウニは針を使って自分で移動できるようだ。


