「くそっ!」
大カニ、大ホタテを相手している間にも、ホタテたちの魔法がリュードに襲いかかる。
剣のような切れ味は望めないが、大ホタテの振り下ろしは破壊力抜群だ。
リュードはホタテの魔法をかわしながらなんとか体勢を整える。
「リュード、こっちは任せて!」
ただリュードにばかり任せてもいられない。
みんなはリュードの戦いを邪魔するホタテの処理に入る。
みんなが近づくと貝を閉ざしてしまうが、閉じこもる間は魔法が使えない。
魔法が使える人でホタテを貝ごと火で包み込む。
自分の貝殻で蒸し焼きにされるホタテはやがて倒されてカパッと開く。
「ええい!」
ルフォンは魔法が使えないのでホタテに軽くナイフを当てながら走り回る。
こうすることでホタテは貝を閉じて防御に入るので、魔法を使うのを防ぐことができる。
「助かった! ……っと!」
大カニは大ホタテを横に振るう。
大カニが大ホタテをスイングすると攻撃範囲は広く、リュードは大きく距離を取って回避する。
ホタテの魔法が減ってだいぶ戦いやすくなったが、素早く動いて大ホタテを振り回す大カニは意外と強い。
「しかし単調なんだよ!」
リュードは縦に振り下ろされた大ホタテをかわすと大カニと距離を詰める。
攻撃パターンとしては縦に振り下ろすか、横に振り回すかと多くない。
それにホタテは本来武器じゃない。
カニも武器を携えて戦う魔物じゃない。
なのでしっかりと動きを見ていくと、とても単純でリュードはすぐに大カニの攻撃パターンを見抜くことができた。
接近された大カニは横振りに大ホタテを振る。
リュードは床を蹴って飛び上がり一回転しながら大ホタテも、大カニさえも飛び越えて大カニの後ろに着地する。
「浅いか!」
大カニの背中を切り付けたリュードは顔をしかめる。
カニだったらこれでいけていたのだが、大カニはカニよりも硬かった。
表面を浅く切るだけになって大カニにダメージを与えられなかった。
「あぶね!」
クルクルと回転して大ホタテを振り回す大カニの攻撃をリュードは軽く飛び上がって大ホタテを柔らかく剣で受ける。
その衝撃を生かして飛び、距離を取った。
「リューちゃん、助けたよ!」
「ナイスだルフォン!」
そして部屋の真ん中で忘れられていたガラーシャであるが、そのままでは戦いに巻き込まれる危険もあった。
ルフォンがリュードが戦っている間にこっそりと近寄ってガラーシャのことを抱えて助け出していた。
「いや! 触らないで!」
「ガラーシャ! もう大丈夫だよ! なんてこと……こんなに取り乱して……」
治療しようにも魔法じゃ心は治せない。
触られるのも拒否するガラーシャにナガーシャは心を痛める。
「そいつさっさと倒しちゃうにゃ!!」
「任せとけ!」
この状態は完全に心の問題だ。
治療出来ないとニャロは顔を険しくする。
乙女をこんな風にした大カニや大ホタテを許せない。
ガラーシャの不安になりそうなものを取り除くことも、落ち着かせるために必要だ。
変に避けるとガラーシャも巻き込んでしまいそうだったので、位置を調整しながら戦っていたリュードもこれで周りを気にせず本気を出せる。
大体敵の攻撃パターンも分かってきたし、本格的に攻勢に出ることにする。
リュードは戦いながらルフォンとラストに視線を送る。
縦に振り下ろされた大ホタテが床に当たって床が砕けて派手に石が飛ぶ。
大カニの注意はリュードの方に向かっていた。
「くらえ、この変態カニ!」
ホタテは魔法で遠距離攻撃できるのかもしれないけど、こちらにだって遠距離攻撃できる頼もしい味方がいる。
グンッと大カニの体が前に押し出される。
ラストの矢が大カニの背中の甲羅にぶつかって大きく爆発したのだ。
それでも小さな穴を開けるぐらいしか出来なかったものの、それによって生まれた隙は大きかった。
気づいたら大カニにリュードは大きく接近していた。
大ホタテを振り下ろして攻撃しようとしたが少し遅い。
「痺れてろ!」
思い切り突き出した剣はカニの甲羅を突き破って刃が中にまで通る。
そして剣にまとわせた魔力を雷属性に換えると、大カニからバチバチと激しく音がして電撃が大カニの全身を駆け巡る。
大カニが体を激しく震わせてたまらず大ホタテも落としてしまう。
「ルフォン!」
「任せてー!」
そして最後はルフォン。
淑やかに、そしてしなやかに高く飛び上がったルフォンは黒く輝くナイフに魔力を込める。
「やあああ!」
落ちる勢いを利用してナイフを振り下ろす。
リュードの影に隠れ、魔法が使えないが故に忘れがちであるが、先祖返りであるルフォンの魔力は実は結構多い。
ナイフに込められた魔力がナイフの破壊力を大きく増強して硬い甲羅を切断する。
「ママ凄い!」
「よっ、ルフォン流石!」
「ふふん、まーね!」
大カニはルフォンの一撃の前に真っ二つに切り裂かれた。
ナイフであっても日頃から鍛錬を続けてきた魔力コントロールで、しっかりと魔力をナイフにまとわせればバカにならない威力を叩き出せるのだ。
リュードの電撃にびっくりしてパカッと開いていた大ホタテであるが、大カニがやられたことに気づいて貝を閉じて防御に徹する。
それがムダであるとは梅雨知らず。
「ムダな足掻きを」
「わぁ〜」
リュードが大ホタテにそっと手を向ける。
今度は痺れさせるのではなく本気で倒すつもりで電撃を流す。
ものすごい音がして大ホタテがパカパカと開いたり閉じたりする光景を見て、コユキは楽しそうにしている。
人も電撃を食らうと勝手に筋肉が痙攣してしまうので同じようなものである。
意外としぶとい大ホタテはなかなか死なない。
リュードは電撃を流し続け、大ホタテとの我慢比べとなる。
数分続いたリュードの電撃。
いきなり大ホタテの貝がパカンと大きく開いて閉じなくなった。
リュードの電撃にも僅かにピクピクと動くだけで反応がなくなった。
大カニ、大ホタテを相手している間にも、ホタテたちの魔法がリュードに襲いかかる。
剣のような切れ味は望めないが、大ホタテの振り下ろしは破壊力抜群だ。
リュードはホタテの魔法をかわしながらなんとか体勢を整える。
「リュード、こっちは任せて!」
ただリュードにばかり任せてもいられない。
みんなはリュードの戦いを邪魔するホタテの処理に入る。
みんなが近づくと貝を閉ざしてしまうが、閉じこもる間は魔法が使えない。
魔法が使える人でホタテを貝ごと火で包み込む。
自分の貝殻で蒸し焼きにされるホタテはやがて倒されてカパッと開く。
「ええい!」
ルフォンは魔法が使えないのでホタテに軽くナイフを当てながら走り回る。
こうすることでホタテは貝を閉じて防御に入るので、魔法を使うのを防ぐことができる。
「助かった! ……っと!」
大カニは大ホタテを横に振るう。
大カニが大ホタテをスイングすると攻撃範囲は広く、リュードは大きく距離を取って回避する。
ホタテの魔法が減ってだいぶ戦いやすくなったが、素早く動いて大ホタテを振り回す大カニは意外と強い。
「しかし単調なんだよ!」
リュードは縦に振り下ろされた大ホタテをかわすと大カニと距離を詰める。
攻撃パターンとしては縦に振り下ろすか、横に振り回すかと多くない。
それにホタテは本来武器じゃない。
カニも武器を携えて戦う魔物じゃない。
なのでしっかりと動きを見ていくと、とても単純でリュードはすぐに大カニの攻撃パターンを見抜くことができた。
接近された大カニは横振りに大ホタテを振る。
リュードは床を蹴って飛び上がり一回転しながら大ホタテも、大カニさえも飛び越えて大カニの後ろに着地する。
「浅いか!」
大カニの背中を切り付けたリュードは顔をしかめる。
カニだったらこれでいけていたのだが、大カニはカニよりも硬かった。
表面を浅く切るだけになって大カニにダメージを与えられなかった。
「あぶね!」
クルクルと回転して大ホタテを振り回す大カニの攻撃をリュードは軽く飛び上がって大ホタテを柔らかく剣で受ける。
その衝撃を生かして飛び、距離を取った。
「リューちゃん、助けたよ!」
「ナイスだルフォン!」
そして部屋の真ん中で忘れられていたガラーシャであるが、そのままでは戦いに巻き込まれる危険もあった。
ルフォンがリュードが戦っている間にこっそりと近寄ってガラーシャのことを抱えて助け出していた。
「いや! 触らないで!」
「ガラーシャ! もう大丈夫だよ! なんてこと……こんなに取り乱して……」
治療しようにも魔法じゃ心は治せない。
触られるのも拒否するガラーシャにナガーシャは心を痛める。
「そいつさっさと倒しちゃうにゃ!!」
「任せとけ!」
この状態は完全に心の問題だ。
治療出来ないとニャロは顔を険しくする。
乙女をこんな風にした大カニや大ホタテを許せない。
ガラーシャの不安になりそうなものを取り除くことも、落ち着かせるために必要だ。
変に避けるとガラーシャも巻き込んでしまいそうだったので、位置を調整しながら戦っていたリュードもこれで周りを気にせず本気を出せる。
大体敵の攻撃パターンも分かってきたし、本格的に攻勢に出ることにする。
リュードは戦いながらルフォンとラストに視線を送る。
縦に振り下ろされた大ホタテが床に当たって床が砕けて派手に石が飛ぶ。
大カニの注意はリュードの方に向かっていた。
「くらえ、この変態カニ!」
ホタテは魔法で遠距離攻撃できるのかもしれないけど、こちらにだって遠距離攻撃できる頼もしい味方がいる。
グンッと大カニの体が前に押し出される。
ラストの矢が大カニの背中の甲羅にぶつかって大きく爆発したのだ。
それでも小さな穴を開けるぐらいしか出来なかったものの、それによって生まれた隙は大きかった。
気づいたら大カニにリュードは大きく接近していた。
大ホタテを振り下ろして攻撃しようとしたが少し遅い。
「痺れてろ!」
思い切り突き出した剣はカニの甲羅を突き破って刃が中にまで通る。
そして剣にまとわせた魔力を雷属性に換えると、大カニからバチバチと激しく音がして電撃が大カニの全身を駆け巡る。
大カニが体を激しく震わせてたまらず大ホタテも落としてしまう。
「ルフォン!」
「任せてー!」
そして最後はルフォン。
淑やかに、そしてしなやかに高く飛び上がったルフォンは黒く輝くナイフに魔力を込める。
「やあああ!」
落ちる勢いを利用してナイフを振り下ろす。
リュードの影に隠れ、魔法が使えないが故に忘れがちであるが、先祖返りであるルフォンの魔力は実は結構多い。
ナイフに込められた魔力がナイフの破壊力を大きく増強して硬い甲羅を切断する。
「ママ凄い!」
「よっ、ルフォン流石!」
「ふふん、まーね!」
大カニはルフォンの一撃の前に真っ二つに切り裂かれた。
ナイフであっても日頃から鍛錬を続けてきた魔力コントロールで、しっかりと魔力をナイフにまとわせればバカにならない威力を叩き出せるのだ。
リュードの電撃にびっくりしてパカッと開いていた大ホタテであるが、大カニがやられたことに気づいて貝を閉じて防御に徹する。
それがムダであるとは梅雨知らず。
「ムダな足掻きを」
「わぁ〜」
リュードが大ホタテにそっと手を向ける。
今度は痺れさせるのではなく本気で倒すつもりで電撃を流す。
ものすごい音がして大ホタテがパカパカと開いたり閉じたりする光景を見て、コユキは楽しそうにしている。
人も電撃を食らうと勝手に筋肉が痙攣してしまうので同じようなものである。
意外としぶとい大ホタテはなかなか死なない。
リュードは電撃を流し続け、大ホタテとの我慢比べとなる。
数分続いたリュードの電撃。
いきなり大ホタテの貝がパカンと大きく開いて閉じなくなった。
リュードの電撃にも僅かにピクピクと動くだけで反応がなくなった。


