「きゃああ!」
「コユキ、それ投げて!」
「ぬううううん!」
「ギャアアアアアア!」
阿鼻叫喚。
ルフォンの悲鳴が聞こえて、続いてホルドの悲鳴が聞こえてきた。
何事かと足を早めたリュードが駆けつけると、嫌悪感丸出しのルフォンたち三人と股間を抱えてうずくまるホルドがいた。
「だ、大丈夫か?」
掠れた声でうっすらとうめいているホルドは、動かないでいる。
何が起きたのかはなんとなく分かるが、ひとまず逃げる心配はなさそうだ。
「うん、コユキのおかげで大丈夫……」
「ぬん!」
「そ、そうか……」
外で待機していたルフォンたちは手持ち無沙汰だった。
なのでコユキは神聖力の球、ホーリーボールの練習をしていた。
投げるのではなくしっかりと打ち出せるようになるために、何度も繰り返し撃ち出していた。
中々撃ち出すのが上手くいかなくて、ふよふよと飛んでいく神聖力の球の軌道は安定しなかった。
試しに込める神聖力の多さを変えて大きさを変えたりなんかしていた。
たまたま大きめに神聖力の球を作った時に、目の前に全裸の男が走ってきた。
生まれたままの姿のホルドである。
とっさに出されたラストの指示に従ってコユキは神聖力の球を投擲した。
そこまで狙っていたのではないが、投げられた聖なる力で作られた球はたまたま性なるタマタマに当たった。
なんか良くやったとも言えなかったリュード。
けれどこうなったのは逃げ出したホルドが悪いのである。
「おーい、大丈夫かー?」
とりあえずホルドは倒したので屋敷の中の様子を見に行く。
「その言葉そのまま返すよ」
リュードが切った女性が赤黒い塊となって倒れた。
それを見て、サンジェルたちもようやく暴れ回る女性を倒す決心がついた。
人数さはあるので、何人かで一人の女性を相手取り、ナイフで倒すと謎の塊となってベシャリと倒れていく。
しかしそれも簡単ではなかった。
慣れない子供サイズの体で、みんなも動きに精彩を欠いていた。
殴られたり引っ掻かれたりと結構ボロボロになっている人も何人かいるのが見える。
「おいっ!」
コーディーやデルよりも関与が明らかなホルド。
やっていたこともやっていたことであるしみんなの態度もとても冷たい。
サンジェルが未だに床に丸まっているホルドの腹を蹴る。
「う……うっ」
「よう、ホルド」
「あんたは……サンジェル」
「そうだよ。だいぶ小さいけれど分かってくれたようで嬉しいぜ」
男の股間なんて見ても面白くない。
サンジェルは投げ捨てるようにホルドの服を股間にかぶせた。
「クク……」
「何がおかしい?」
「いや、なんでもできるって言われて調子に乗って、このザマだ。やったことと言えば女の形した人形と遊ぶだけ……何やってたんだろうな…………」
裸で冷たく見下ろされている。
何でもできるという言葉に惑わされて周りを見返してやると思っていたのに、やっていたことを振り返っても何の身にもならないことをしていた。
何であんなことに傾倒したのか自分でも分からないが、冷たい視線を向けられるのにふさわしいクソみたいなことをしていたとホルドは急に冷静になってきた。
「……これも呪いなのかもな」
リュードはこれもまた呪いに踊らされた憐れな姿の一つなのかもしれないと思った。
欲にまみれて、欲に溺れた憐れな男は欲から抜け出せなくなった。
ホルドの意志が弱かったのか、それとも呪いの効果なのか、それは誰にも分からない。
「くだらない言い訳はいい! 町に何をした!」
「フッ……さあな」
「ふざけるなよ!」
「サンジェルさん、落ち着いてください」
「……ああ、すまない」
サンジェルは今にもホルドを刺してしまいそうな剣幕だ。
リュードが止めなきゃ実際にそれぐらいやっていたかもしれない。
「俺がやったのは周りの環境を整えることだけだ。場所や魔石を提供して、情報を隠して、金を渡してやったり……」
「魔石の横流しは噂じゃなく本当にお前がやっていたのか」
「そうだよ……計画のために必要だからやったんだ。だけど計画を立てて、魔石や金を使って全部をやったのはカイーダさ……」
「ならカイーダの野郎はどこにいる? この屋敷にも来ていたんだろ?」
「地下だよ。この屋敷には地下室があってそこにいる。俺と同じようにお楽しみする以外の時は大体地下の方にこもってやがる。何してるかはしらねぇ」
「やけに素直だな」
「こんな状況じゃウソなんてつかねぇよ。それに……今更だけどこんなことやるつもりはなかったんだ。こんなことになるだなんて思ってなかったし……何言っても言い訳にしかならないけどな」
何であんなことをしでかしたのかホルド自身も分からない。
街を支配する全能感が以前はあったが、今はこの状況が気持ち悪く思えた。
何にでも従う偽物の人に囲まれていたのにもいつしか虚しさを感じ始めて、それを振り払うように淫らな行為に耽っていった。
止めてもらってむしろ清々としたような気分がある。
「チッ……散々好き勝手しておいて今更改心したって遅いさ」
直前まであんなだったのにいきなり改心しましたと言われても信じる人などいない。
ホルドを縛り上げてリュードたちは地下室への階段を探す。
「コユキ、それ投げて!」
「ぬううううん!」
「ギャアアアアアア!」
阿鼻叫喚。
ルフォンの悲鳴が聞こえて、続いてホルドの悲鳴が聞こえてきた。
何事かと足を早めたリュードが駆けつけると、嫌悪感丸出しのルフォンたち三人と股間を抱えてうずくまるホルドがいた。
「だ、大丈夫か?」
掠れた声でうっすらとうめいているホルドは、動かないでいる。
何が起きたのかはなんとなく分かるが、ひとまず逃げる心配はなさそうだ。
「うん、コユキのおかげで大丈夫……」
「ぬん!」
「そ、そうか……」
外で待機していたルフォンたちは手持ち無沙汰だった。
なのでコユキは神聖力の球、ホーリーボールの練習をしていた。
投げるのではなくしっかりと打ち出せるようになるために、何度も繰り返し撃ち出していた。
中々撃ち出すのが上手くいかなくて、ふよふよと飛んでいく神聖力の球の軌道は安定しなかった。
試しに込める神聖力の多さを変えて大きさを変えたりなんかしていた。
たまたま大きめに神聖力の球を作った時に、目の前に全裸の男が走ってきた。
生まれたままの姿のホルドである。
とっさに出されたラストの指示に従ってコユキは神聖力の球を投擲した。
そこまで狙っていたのではないが、投げられた聖なる力で作られた球はたまたま性なるタマタマに当たった。
なんか良くやったとも言えなかったリュード。
けれどこうなったのは逃げ出したホルドが悪いのである。
「おーい、大丈夫かー?」
とりあえずホルドは倒したので屋敷の中の様子を見に行く。
「その言葉そのまま返すよ」
リュードが切った女性が赤黒い塊となって倒れた。
それを見て、サンジェルたちもようやく暴れ回る女性を倒す決心がついた。
人数さはあるので、何人かで一人の女性を相手取り、ナイフで倒すと謎の塊となってベシャリと倒れていく。
しかしそれも簡単ではなかった。
慣れない子供サイズの体で、みんなも動きに精彩を欠いていた。
殴られたり引っ掻かれたりと結構ボロボロになっている人も何人かいるのが見える。
「おいっ!」
コーディーやデルよりも関与が明らかなホルド。
やっていたこともやっていたことであるしみんなの態度もとても冷たい。
サンジェルが未だに床に丸まっているホルドの腹を蹴る。
「う……うっ」
「よう、ホルド」
「あんたは……サンジェル」
「そうだよ。だいぶ小さいけれど分かってくれたようで嬉しいぜ」
男の股間なんて見ても面白くない。
サンジェルは投げ捨てるようにホルドの服を股間にかぶせた。
「クク……」
「何がおかしい?」
「いや、なんでもできるって言われて調子に乗って、このザマだ。やったことと言えば女の形した人形と遊ぶだけ……何やってたんだろうな…………」
裸で冷たく見下ろされている。
何でもできるという言葉に惑わされて周りを見返してやると思っていたのに、やっていたことを振り返っても何の身にもならないことをしていた。
何であんなことに傾倒したのか自分でも分からないが、冷たい視線を向けられるのにふさわしいクソみたいなことをしていたとホルドは急に冷静になってきた。
「……これも呪いなのかもな」
リュードはこれもまた呪いに踊らされた憐れな姿の一つなのかもしれないと思った。
欲にまみれて、欲に溺れた憐れな男は欲から抜け出せなくなった。
ホルドの意志が弱かったのか、それとも呪いの効果なのか、それは誰にも分からない。
「くだらない言い訳はいい! 町に何をした!」
「フッ……さあな」
「ふざけるなよ!」
「サンジェルさん、落ち着いてください」
「……ああ、すまない」
サンジェルは今にもホルドを刺してしまいそうな剣幕だ。
リュードが止めなきゃ実際にそれぐらいやっていたかもしれない。
「俺がやったのは周りの環境を整えることだけだ。場所や魔石を提供して、情報を隠して、金を渡してやったり……」
「魔石の横流しは噂じゃなく本当にお前がやっていたのか」
「そうだよ……計画のために必要だからやったんだ。だけど計画を立てて、魔石や金を使って全部をやったのはカイーダさ……」
「ならカイーダの野郎はどこにいる? この屋敷にも来ていたんだろ?」
「地下だよ。この屋敷には地下室があってそこにいる。俺と同じようにお楽しみする以外の時は大体地下の方にこもってやがる。何してるかはしらねぇ」
「やけに素直だな」
「こんな状況じゃウソなんてつかねぇよ。それに……今更だけどこんなことやるつもりはなかったんだ。こんなことになるだなんて思ってなかったし……何言っても言い訳にしかならないけどな」
何であんなことをしでかしたのかホルド自身も分からない。
街を支配する全能感が以前はあったが、今はこの状況が気持ち悪く思えた。
何にでも従う偽物の人に囲まれていたのにもいつしか虚しさを感じ始めて、それを振り払うように淫らな行為に耽っていった。
止めてもらってむしろ清々としたような気分がある。
「チッ……散々好き勝手しておいて今更改心したって遅いさ」
直前まであんなだったのにいきなり改心しましたと言われても信じる人などいない。
ホルドを縛り上げてリュードたちは地下室への階段を探す。


